――QuickUSOYA2003.10.14―――――――――――――――――――――

今週の内容........

1.「しーもす魔法使いとシンデレラ」(担当:古賀)
2. 更新情報と募集(週刊WEBマガジンSAKANAFISH)
3. 現代厨房文学館 by 古賀
4.「しーもす魔法使いとシンデレラ」


1. しーもす魔法使いとシンデレラ――――――――――――――――――――――――


シンデレラ    :シクシクシクシク。
しーもす魔法使い :これこれ、シンデレラ。一体何を泣いているんだい?
シンデレラ    :金!金!金!金! ああ、現金が欲しいよう。
しーもす魔法使い :げえっ 何かいやに即物的なシンデレラ。
シンデレラ    :あっ、魔法使いのお婆さん。お願いがあるんです。現金ください。
しーもす魔法使い :単刀直入にもほどがあるなあ。お金が欲しけりゃ働いて稼ぎなさいよ。
シンデレラ    :働くのも考えてます。楽して儲かる左うちわのベストセラー作家とか。
しーもす魔法使い :げえっ 即物的で単刀直入なだけでなく虫がいい。
シンデレラ    :私はアイデアを思いつくだけで、実際に書くのは他の人間に
          やらせようと思ってるんです。儲けは私が12割で、実際に書く
          奴がマイナス2割の山わけ。
しーもす魔法使い :いや、広辞苑わざわざ引いたわけじゃないが、それは日本語では
          『山分け』とは言わないと思う。
シンデレラ    :悪い話じゃないと思うんですけど。
しーもす魔法使い :実際に書く奴にとって悪い話以外の何だというのだ。売れれば
          売れるほど損するし。
シンデレラ    :駄目かなあ。こうなれば自分で書くしかないか。やれやれ。
しーもす魔法使い :何だ。その吐きすてがちな反応は。
シンデレラ    :でも、私、こう見えても文才あるんですよ。村上春樹風の文章
          とか得意なんです。
しーもす魔法使い :なるほど、村上春樹風。
シンデレラ    :それと2ちゃんねるとかよく見てるから結構詳しいです。
しーもす魔法使い :なるほど、2ちゃんねる。
シンデレラ    :だから村上春樹風の2ちゃんねらーが出てくるお話を書けば結構
          いけるんじゃないかと思うんです。せいぜい1000万部売れて
          ハリウッドで映画になって全世界で上映される程度のささやかな
          ヒットがとばせればよしとします。
しーもす魔法使い :どこがささやかだ。




2.更新情報そして募集 ――――――――――――――――――――――


■【週刊WEBマガジンSAKANAFISH】
http://www.sakanafish.com/

すっかり寒さが身にしみる今日この頃。
なぜならそれは冬だからです。
まだ秋ですって?いいえ、もう冬です。
だから年を越すための餅代をください。

今週の特集は
「物販部設立準備委員会」です。カレンダーを作るという話です。
あとはShi.Ma.Chuさんプロデュースのカードゲームも作るという話です。
ついでに壁紙やユーザーアカウント画像を数点追加しております。


さらにいえばスーパーオルガナイザーリョウコmisson49や
ふたご対談などあります。


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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。


3. 「現代厨房文学館」 ――――――――――――――――――――――――――


1. 古賀くんと編集長さん――――――――――――――――――――――――――

今週の「古賀くんと編集長さん」は、『上司からの厳しい叱責』とか『他国からの
謝罪要求』とか『青春のほろ苦い記憶がフラッシュバック』とか『単なるうっかり
ミス』とか、大体そういう感じの事情により削除、もといお休みです。

2. 「現代厨房文学館」 (その6)――――――――――――――――――――――

「それは本当に――本当に巨大な掲示板なの」と直子は言葉を選びながら言った。
「本当に巨大なの。でもそれがどのくらい危険なのかは誰にもわからないの。ネット
ウォッチ板を見ていると電波に誘われることだけは確かなんだけれど」
「でもそれじゃ危なくってしようがないだろう」と僕は言った。「どこかに巨大な
掲示板がある。でもそれがどのくらい危険なのかは誰も知らないなんてね。はまっ
ちゃったらどうしようもないじゃないか」
「どうしようもないでしょうね。ひゅうううう、ポン、それでおしまいだもの」
「そういうのは実際には起こらないの?」
「ときどき起こるの。人が急にいなくなっちゃって、どれだけ探しても見つから
ないの。そうするとこのへんの人は言うの、あれは巨大掲示板にはまっちゃった
んだって」
「考えただけで身の毛がよだつな」と僕は言った。「誰かが見つけて囲いを作る
べきだよ」
「でも誰にもその掲示板をどうすることもできないの。だからちゃんとした板を
離れちゃ駄目よ」
「離れないよ」
「でも、大丈夫よ。あなたはニフティの裏モノ会議室やバトル・ウォッチャー
パティオにはまっても絶対にネットウォッチ板にははまらないの。そしてこうして
あなたにくっついている限り、私もネットウォッチ板にははまらないの」
「絶対に?」
「絶対に」
「どうしてそんなことがわかるの?」
「私にはわかるのよ。ただわかるの」直子は僕の手をしっかり握ったままそう言った。
「その手のことって私にはすごくよくわかるの。理屈とかそんなのじゃなくて、ただ
感じるのね。たとえば今こうしてあなたにしっかりくっついているとね。私ちっとも
こわくないの。こうしてネットウォッチ板を見ていても電波も私を引きずって行こう
とはしないのよ」
「じゃあ話は簡単だ。ずっとこうして一緒にネットウォッチ板を見てればいいんじゃ
ないか」
「それ――本気で言ってるの?」
「もちろん本気だよ」
「あなたがそう言ってくれて私とても嬉しいの。本当よ」と彼女は哀しそうに微笑
しながら言った。
「でもそれはできないのよ」
「どうして?」
「それは――正しくないことだからよ、あなたにとっても私にとっても」
「どんな風に正しくないんだろう?」
「だって誰かが誰かと一緒にずっと永遠にネットウオッチ板を見守りつづけるなんて、
そんなこと不可能だからよ。もし私があなたと結婚したとするわよね。あなたは会社
につとめるわね。するとあなたが会社に行ってるあいだいったい誰が私と一緒にネット
ウオッチ板を見守ってくれるの?私は勤務先まであなたにくっついてまわって一緒に
ネットウォッチ板を見るの?そんなの人間関係とも呼べないでしょう。そしてあなたは
いつかうんざりするのよ。俺の人生っていったい何だったんだ?ネットウオッチ板を見
守る女を見守るだけのことなのかって。私そんなの嫌よ。それでは私の抱えている問題
は解決したことにはならないのよ」
「これが一生つづくわけじゃないんだ」と僕は彼女の背中に手をあてて、言った。
「巨大掲示板はいつか終る。終わったところで僕らはもう1度考えなおせばいい」


『ノルウェイの漏れ』 村上春樹


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「完璧な嘘サイトなどといったものは存在しない。完璧な巨大掲示板が存在しない
ようにね」
僕が知り合ったある有名な嘘吐きは僕に向かってそう言った。僕がその意味を理解
できたのはずっと後のことだったが、少くともそれをある種の慰めとしてとることも
可能であった。完璧な嘘サイトなんて存在しない、と。

しかし、それでもやはりサイトを作る段になると、いつも絶望的な気分に襲われる
ことになった。僕に書くことのできるネタはあまりにも限られたものだったからだ。
例えば鉄道について嘘ネタが書けたとしても、市の事業計画書については何もネタを
思いつかないかもしれない。そういうことだ。

2年間、僕はそうしたジレンマを抱えつづけた。――2年間。長い歳月だ。

今、僕はWEB大喜利をはじめようと思う。


『風のキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!! を聴け』 村上春樹


3.ゲリラ更新情報

■笛育市大喜利
http://homepage3.nifty.com/fueiku/ohgiri/index.html

「鬼太郎、おまえの時代は終わったのだ。きだて、古賀、梅千代などという
大妖怪がWEB上に甦って、今日から
http://homepage3.nifty.com/fueiku/ohgiri/index.html
を拠点に大喜利を行うのだ。」
「お父さん、大変です。ねずみ男のやつ、すっかり三妖怪の手先になって
一反木綿を座布団にしてしまいました」
「おお、なんというピンチであろう」 

何となくこんな感じでWEB大喜利をはじめました。
すでに超強力な妖怪たちが続々とおしよせてきているという噂もあります。
興味がおありの方は突如神隠しにあわないように気をつけながらご参加ください。



執筆担当:古賀
【笛育市大喜利】
http://homepage3.nifty.com/fueiku/ohgiri/index.html


4. しーもす魔法使いとシンデレラ――――――――――――――――――――――――


シンデレラ    :どうですか。ベストセラーになりそうなできばえですか?。
しーもす魔法使い :やれやれ。
シンデレラ    :何だ。その吐きすてがちな反応は。
しーもす魔法使い :やっぱりまともに仕事について金を稼ぐのを考えたほうがいい
          ですよ。
シンデレラ    :何て夢のない。魔法使いの分際で。
しーもす魔法使い :じゃあこれ買う?幸運を呼ぶカボチャでできた印鑑。
シンデレラ    :お断りします
しーもす魔法使い :先祖の霊を供養するネズミでできた多宝塔。
シンデレラ    :何でそんないかがわしいものばかり売るんですか?
しーもす魔法使い :今どきいかがわしくない魔法使いなんていませんよ。
シンデレラ    :しょうがない。こうなったら地道に玉の輿にでも乗るしか。
しーもす魔法使い :どこが地道だ。
シンデレラ    :年に1度のお城のオフ会で王子さまを引っかけるとするか。
しーもす魔法使い :一体いつなんだよ、時代設定。
シンデレラ    :王子さまならたんまりと現金を持っているに違いない。
しーもす魔法使い :そうとも限りませんけどね。
シンデレラ    :こうと決まればぐずぐずしてはおれん。お城に向かうぞ。
しーもす魔法使い :頑張って行ってらっしゃい。
シンデレラ    :お前も一緒に来ていろいろとサポートせんかい。
しーもす魔法使い :とほほほほ。

こうしてシンデレラは王子さまと結婚して末永く幸せに暮らしました。




執筆担当:古賀
【笛育市大喜利】
http://homepage3.nifty.com/fueiku/ohgiri/index.html
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