――QuickUSOYA2003.12.09―――――――――――――――――――――

今週の内容........

1.「しーもす君と小猫さん」(担当:藤木ゲルーシ)
2. 第29回嘘競演投票期間&感想戦のお知らせ
3. 更新情報(週刊WEBマガジンSAKANAFISH)
4. 何が悲しうて英国在住日記 そのご。 by まき・とうこ
5. 「しーもす君と小猫さん」

1. しーもす君と小猫さん―――――――――――――――――――――――――――


しーもす:年末になって、何だか忙しくなったね。
小  猫:師が走るという「師走」だもんね。
しーもす:ちなみに鹿児島では「ごわす」というらしい。
小  猫:それは年末とは関係ないだろう。
しーもす:年忘れのイベントも多くなってきました。
小  猫:うん、忘年会シーズン真っ盛りだね
しーもす:つい昨日も、近所のおじいさんが「今年は何年だっけ」って・・・
小  猫:その年忘れも年末とは関係ないだろう。
しーもす:振り返ってみれば、今年も色々ありました。
小  猫:冷夏で米が十年ぶりの不作でしたね。
しーもす:北島三郎の名曲は与作でしたね。
小  猫:旧暦の8月に食べられるようになるミカンは八朔でしたね。
しーもす:「厨房ですよ」の料理は堺正章作でしたね。
小  猫:・・・もういいよ。


2.第29回嘘競演投票期間&感想戦のお知らせ――――――――――――――――――


票は投げられた!かつてカエサルはこういいました。
我々はそれから長い間さまざまな形で票を投げてきました。
しかし、もう普通に投げればいいじゃないか。それが普通選挙です。
そんなこととは関係なく投票戦です。

12月13日(土) 24時 投票終了 
12月20日(土) 24時 ラウンジ閉店

主催:コバ議長 

http://village.infoweb.ne.jp/~fwba0050/usokyo/index.htm


3.更新情報 ―――――――――――――――――――――――――――――


■【週刊WEBマガジンSAKANAFISH】
http://www.sakanafish.com/

12月14日は赤穂浪士の討ち入りの日です。でも当時は旧暦なので
今の日付に換算するとおかしなことになってしまいます。



今週の特集は「襟裳川ミステリ文庫・これはシャーロック
・ホームズのパロディではありませんシリーズ」です。
毎月こんなことを書く人生。

さらにいえばスーパーオルガナイザーリョウコmisson51や
ふたご対談などあります。

ちなみに忘れてましたが
私が表紙イラストを書かせていただきました楽譜本
「バイエルで弾けるわくわくアニメ」も でております。
みかけてね。


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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。


4.何が悲しうて英国在住日記 そのご。―――――――――――――――――――――



かつて「イギリスはおいしい」というベストセラーがありました。それ以降、「イ
ギリス本」というカテゴリーがなんとなく成立したようで、今に至るまで綿々とさ
まざまな英国経験うんちく本が刷られ続けています。本屋さんのイギリス本棚を眺
めるのは、さまざまな色つやのドジョウを柳の下で愛でるようで大変風流なもので
す。

しかし日本では英国本がとぎれなく読まれているのに、その逆もまた真では全然な
いかもしれない。とわたしは、英国のある小さな街の銀行で、初めて口座を開いた
ある秋の日にふと予感したのです。

カードもあげるけどご利用は計画的にしてちょんだいよ、と何度も念を押されるの
を「はいはいはい」とやりすごし、なんとか口座をひとつこじ開け、やれやれとふ
と立ち上がると視界に入る外貨両替カウンターの一隅。そこには、各国通貨のその
日の売値と買値のデジタル表示板が掲げられていたのですが。

…なんかこれナニだわな。なんかこうすわりが悪いねどうも。上から見てみるって
えと、まず米ドルだろ、次にゃフラン、マルク、ギルダー、リラ、香港ドル、もひ
とつカナダドル、その他当時は生きてた各ヨーロッパ金がとんとんとんとん。  
 …ドル、フラン、マルク、ギルダー、フラリラクローネ香港その他もろもろとん
とんとん。 

…こらなんだな、どうにも忘れっぽい人たちだよ、牛っ食いはこれだからしようが
ないねえ。まったくあたしがひとつ言ってやらなければどうしようも。ちょいと!
銀行の兄さん、あんた忘れもんだよ。いやそうですかそりゃどうもって手ぇにゅ
うって出してどうすんだよ。違うよあの両替レート板。肝心な国のおゼゼが落ちて
るよ。え?違うボツワナプラじゃないよ。カタールリヤルでもキルギスタンソムで
もないよ。だからどうしてそう無理矢理な国を持ち出すんだよ。そうじゃなくてあ
たしのお国だよあたしの。そう見てわかるとおり、モンゴルの。ってなんだそら違
う!だー!うがー!いいからジャパニーズイェンを出せ!腐ってもはじけても日本
エン様のお通りで! 

…じゃないの?違う?そんな金には英人誰も換えようとしないから?置いといても
仕方ないし?でもヒースローとかロンドンなんかにゃ日本エンいくらってちゃんと
書いてあるよ? …あ。あれは日本から来た人が換えるんかい。ロンドンの街ん中
もそうかい。でそのポンドがハロッズなんかにどさどさ落っこちると。なるほどね
え、うまいことやってるねえ、これがほんとの「イギリスはおいしい」だねえ。え
?いやなんでもありませんなんでも。

やや寒風のしみるココロもちでフラットに帰りつき、茶などぽそぽそすするうち、
わたしはふと思いついて、同居英人に訊ねてみたのです。

「ところであのさ、じゃぱんって、どこにあるか知ってる?」

いわく。

「えーと、ジャパンはあれだほら、あのへんのあそこでさあ、ホンダやニッサンが
あるとこだよなあ。友達がこないだニッサンマイクラ買ったんだよ中古で1800ポン
ドだったかな、ナンバーが自分のイニシャルと同じで面白いんだって言ってて」

微妙に話をそらされているのを感じたわたしは、自室にとって返し、常用世界地図
帳を抱えて来て、「ほら、ここだ」と頁を広げて指し示しました。

すると

「なんだこれは。この地図は間違っている」

「間違っているもんかキノクニヤさん製だぞ」

「違うったら違う。英国はこんな端っこではない。真ん中にあるのだ」

「それは英人用の地図だからだ。日本では日本が真ん中に来るのだ」

「んなわけあるか。子午線はどこを通ってると思っている。勝手に中心を動かして
はいかん」

それから後、しばらく議論が戦わされましたが、不毛なので割愛します。



そしていくつか年を経て、あるやはり秋の夜、わたしはその街でタクシーに乗りま
した。

運転手のおっちゃん「あんたどこから来たんだ」

わたし「じゃぱんだよ」

「ジャパンかあ。いやあ大変だなあ。あんたも心配だろ。どうなるんだろうなああ
んたんとこなあ」

「大変?まあ、バブルはじけて以来景気がアレで大変は大変ですが」

「泡がはじける?なんのことだ」

「泡の話じゃなければ何の話ですか。何かじゃぱんに大変なことが起こったんです
か。沈没とか」

「沈没だなあ。だってあんた国なくなっちゃっただろ」

「えっ?」

「昨日テレビでやってたろ返還式。もうオレらのもんじゃないんだろ。中国になっ
ちゃったんだろ」

「………おっちゃん、それ、ひょっとして香港のことじゃないですか」

「そうそう、そだよ」

「わたくしじゃぱん人ですが」

「そうだろ、だから大変だなあ」

「………おっちゃん、おっちゃんにとって、じゃぱんと香港とは一体何ですか」

「同じ国だろ?」


ああ思えば遠くに来たもんだと、見上げれば空にはお月様。北イングランドの秋の
夜を、タクシーはわたしを乗せて、もっと遠くへとひた走るのでありました。



執筆担当:まき・とうこ
【The Total Frontal John Cleese】
http://www.btinternet.com/~akko.o/tfjc/


5. しーもす君と小猫さん――――――――――――――――――――――――――――

小  猫:さて、今度は今年ではなくて来年の話をしよう。
しーもす:でも、どうして眉毛をつなげて泥棒髭のメークをする必要があるわけ。
小  猫:いや、来年の話だけに、鬼が笑う、鬼が笑、鬼瓦権造・・・
しーもす:・・・で、子猫はどんな年になると思うんだ。
小  猫:まず、確実に言えることは・・・・
しーもす:「俺がひとつ歳をとる」なんてつまらないこというなよ。
小  猫:(涙目)
しーもす:どうして涙目なんだよ!他に考え付かなかったのか!
小  猫:他には・・・お前がひとつ歳をとる・・・
しーもす:同じじゃないか。
小  猫:来年こそよいことの多い年でありますように。
しーもす:まとめに入るな!



執筆担当:藤木ゲルーシ
【藤木総合研究所】
http://fuzsiki.as.wakwak.ne.jp/
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