――QuickUSOYA2003.1.27―――――――――――――――――――――

今週の内容........

1.「世界名作劇場「フランダースの小猫さん」」(担当:佐々木バレット)
2. 更新情報(週刊WEBマガジンSAKANAFISH)
3. 玄界灘男の「お仕事できたかな?」 
4.「世界名作劇場「フランダースの小猫さん」」

1.  世界名作劇場「フランダースの小猫さん」―――――――――――――――――


(第一部)
♪らららーん、らららーん、じんぶるべっちゃ らふぃふぃふぃ、
らららーん、らららーん、じんぶるべっちゃらーーら


ナレーションのしーもすくん
   「凍えるような寒さのクリスマス。ネロは必死の思いで教会までくると、
    そこにばったりと倒れてしまいました。と、その冷たい手にそっと触
    れるものがありました。それはネロの愛猫のパトラッシュでした。ネ
    ロはパトラッシュを抱きしめました。苦しいことも楽しいこともわか
    ちあってきた二人が今、天に召されようとしているのです。」


ネ ロ :……パトラッシュ、僕もう(長時間・低賃金の単純肉体労働に従事す
    る毎日に厭き厭きして)疲れたよ。
小 猫 :なんだよ、その括弧の中。それよりもさネロ、俺のご飯まだ?
ネ ロ :パトラッシュ……僕はお腹が空いて死にそうだよ……
小 猫 :君がどれだけ腹を空かそうが、俺の知ったこっちゃないよ。それより
    もトップブリーダーが推奨するペディグリーチャムくれよ。一番、上等
    なやつをさぁ。
ネ ロ :くそ、これだから猫は……猫!この薄情もの!
小 猫 :猫は犬やオオカミみたいに、群れで生活する習性がないからなぁ。社
    会性とか上下関係とか義理・人情とか、よく分からんのだ。
ネ ロ :だから僕は犬が良かったんだ!犬なら従順だし、媚びたように尾っぽ
    を振るし、まさに下僕になるために生まれてきた生物だし、思う存分こ
    きつかってやれたのに!
小 猫 :ネロもロクな人間じゃないな。しかし腹へったなぁ。あんまり美味そ
    うでもないけど、この際ネロを食っちゃおうかー、どうせもう死ぬンだ
    しさー。
ネ ロ :お前はどこまでも薄情だね、パトラッシュ。
小 猫 :行き倒れや道に捨てられた重病人ってさぁ、平安時代には野良犬に、
    まだ生きてるうちからガジガジ食われてたんだよね。
ネ ロ :で?
小 猫 :ほっといたってネロもどうせそうなって、朝、人に見つけられるころ
    には、見るも無残な残酷絵図なんだから、ちょっとくらい俺が食ったっ
    て同じ、同じ。
ネ ロ :パトラッシュ。もう少し僕に元気があったら君のこと、三味線屋に売
    っぱらってやるのに。


ナレーションのしーもすくん
   「そうして、しっかと抱き合うネロとパトラッシュ。苦しいことも楽しい
    こともわかちあってきた二人が今、天に召されようとしているのです。
    ……と、そんな時のことでした。扉の向こうの表通りを、一つの奇妙な
    人影がひょこひょこと通りかかりました。」


ネ ロ :……あれ?あれ、もしかして猿じゃないかい?
小 猫 :なに、猿だって?そんなバカな。


ナレーションのしーもすくん
   「それはネロの言うとおり、腕に籠をさげ、赤い頭巾の女の子の服を着た
    猿でした。猿は哀れみを誘う声でキーキーと鳴きながら、道行く人の袖
    を引いて回っていました。」


小 猫 : うーむ、猿。猿だ。見たところ、何かを売り歩いているようだが、
    なぜに猿が売り子を。それに一体売り物は何なのか。
ネ ロ :それにしても、あんな種類の猿は見たことがないな。なんて種類なん
    だろう。


ナレーションのしーもすくん
   「そんな時。猿が石段にけつまずいて転んでしまったのです。きー、きー
    きー。猿は大泣きしはじめました。そしてばらばらと散らばった売り物
    をかき集めると、どこかへと走り去ってしまいました。と、ぽつんと一
    つ、雪の上に残されたものが。猿が売り物を一つ、拾い忘れて行ったの
    です。」


小 猫 :ん?ちょっと拾って来る………………なんだこれ。
ネ ロ :どうやらマッチ箱みたいだよ。
小 猫 :そうか、あの猿が売り歩いていたのはマッチだったのか。年の暮れだ
    ってのにこの寒空の下、マッチを売り歩いているなんて、よっぽど貧乏
    なんだな。
ネ ロ :マッチ?そうか(ぴかーん!)パトラッシュ、あの猿の種類がわかっ
    たよ。
小 猫 :今時、電球マークも珍しい。
ネ ロ :あれは猩猩(しょうじょう)さ!
小 猫 :猩猩?あの酒飲みな猿の妖怪の?
ネ ロ :そうだよ。
小 猫 :……わからないな、なんでそう言えるンだ?
ネ ロ :だってマッチを売っていたんだもの。
小 猫 :確かにマッチを売ってはいたけど。
ネ ロ :そうだよ。だからあれは猩猩に決まってるさ。猩猩がマッチを売って
    いたんだ。わかるだろパトラッシュ。そうさ、あれはね、マッチ売りの
    猩猩だったんだよ。
小 猫 :そうかネロ、あれはマッチ売りの猩猩だったのか。
ネ ロ :わっはっはっはっ。
小 猫 :わっはっはっはっ。
ネ ロ :わっはっはっはっ。
小 猫 :わっはっはっはっ。このやろう殴ってやろうか。
ネ ロ :それにしても、大きいマッチ箱だな。変なの。
小 猫 :よし開けてみようぜ。ごそごそ。うえーー、なんだこれ。マッチじゃ
    ない、猿の腕のミイラだよ。
ネ ロ :猿の腕の……?
小 猫 :なんてものを売り歩いているんだ、気持ち悪いナァ。捨てちゃえ。
ネ ロ :いや、ちょ、ちょっと待ってよパトラッシュ。
小 猫 :どうしたのネロ。これについて何か知っているのか。
ネ ロ :知ってるも何も……こ、これはもしかして、相応の不幸と引き換えに
    なんでも三つだけ願いを叶えてくれるという、あの「猿の手」!?
小 猫 :猿の手?なに、それ?


ナレーションのしーもすくん
   「なんということでしょう!マッチ売りの猩猩が落として行ったのは、有
    名な呪わしい呪具『猿の手』だったのです!そして二人はこの先、この
    猿の手の魔力のせいで、急転直下の運命に見舞われることになるのです。
    以下、後半へ続く!」


小 猫 :…………じゃ、「マッチ売りの猩猩」じゃないじゃん。



2.更新情報 ―――――――――――――――――――――――――――――

■週刊WEBマガジンSAKANAFISH
http://www.sakanafish.com/

熊田曜子という人がいます。
熊のいる田というのはなんなのでしょうか。
江戸時代には干鰯という鰯を干したものが肥料として利用されていました。
熊の干したものが肥料となっていても不思議ではありません。
そんな田。熊田。
いくら大山倍達がいても足りません。

今週の特集は
「20世紀のまんがまんが21・「七色いんこ」」です。
ファッション評論家の大内順子さんは実写版です。

そのほかにもうらないまんが果糖水的生活162やふたご対談など
ありますますどら。
※うらない付き

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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。


3. 玄界灘男の「お仕事できたかな?」 ―――――――――――――――――――――

  
 
第6回 嫌フレッシュマン編「僕は何屋さん?」

人間というものにとって、社員としてアルバイト先にそのまま入るというのは善し悪し
がある訳です。アルバイトとはいえ、本社の仕事の流れがわかっているので、即戦力と
いうスタンスである上に、2年くらいの実績があるので、部内の人も「玄界くんは新入
社員と一緒の研修なんかはしなくていい、そんな時間があるなら今の仕事をやらんか
い!」というはなはだ乱暴な扱いで私の社会人生活が始まったのです。
それまでも社内書類に判ついたりしているアルバイトだったので、「今までと同じだろ
うなあ。」と高をくくっていたのですが、蓋を開けて見たら「研修担当」「拡材担当」
という肩書きがついていました。つまりは「やる事が増えた」のです。
書籍の流通という仕事は「本の問屋さん」みたいな仕事なのですが、百科事典や文学全
集、美術全集などを書店で買った人はあんまりいないはずです。こういうものを売る方
法は「職域販売」「訪問販売」というスタイルで「ごめんください、全集いりません
か?」というようにセールスマンがお伺いして分割払いなどで売る方法なのです。
でもって、こう言った俗にいう「割賦販売会社」なんてのも書籍取次の傘下に入ってる
んです。ここのセールスマンの人に売り方の研修をしたり、その人たちが使うカタログ
なんかを作るのが、私の仕事になったわけです。つまり「あっちゃこっちゃのその手の
会社」を担当する、というのが私の仕事になったということです。(後にこの部門は独
立して会社になりました。)もともと絵なんか描いてたので「出来んだろう。」という
軽い気持ちだったのでしょうね。
ここで問題がひとつ発生しました。なぜ、こういった「販売の中枢」みたいな仕事にな
ったかというと、私の前任者が「辞めることが決まっていた」からなのです。つまり、
入ってすぐに上司が不在になり、ひとりで仕事をしていくこととなるという構図が見え
てしまったということです。「やった!のびのびと仕事できるもんね。なんせひとりだ
し。」と思ったのもつかの間、「玄界くんにはデザインなんかの勉強してもらうから
ね。」という「自分は辞めて行くのが決まっている先輩社員」の一言で、文科系の私が
「昼は会社で仕事、夜は専門学校の夜間コース」という塾通いの小学生のような生活が
何年か続くことになるのです。
デザインの事を知っている人はお判りでしょうが、例えば「カタログを作る」場合には、
コピーライターやデザイナー、カメラマンなどがチームを組んで仕事をしますので、全
部が自分でできる必要はないのです。ではなぜ全部を勉強させられたのでしょうか?そ
れは、どうやら「辞め先輩」が「全部を社員にやらせれば安上がりだ。」という提案を
したのと、他の上司が「クリエーティブとは。」ということに対しての知識が皆無だっ
たということに原因があるようでしたが、当時の私は「こんなもんかなあ?」と言いつ
つ、せっせと学校に通ったのです。後年ちょっと役立ったのは確かなんですがね。
(次回は「サラリーマンはつらくないよ条例」をお送りする予定。)




執筆担当:玄界灘男
【駄嘘!】
http://www2.ocn.ne.jp/~genkai/index.html


4.  世界名作劇場「フランダースの小猫さん」―――――――――――――――――

(第二部)

ナレーションのしーもすくん
   「二人が拾った落し物、それはなんでも三つだけ願いを叶えてくれる『猿
    の手』でした。さあ、ネロとパトラッシュは一体、どんな願いを叶えて
    もらうのでしょうか?」


ネ ロ :ルーベンスの絵を燃やしてください。
小 猫 :何言ってんだよ、ネロ!
ネ ロ :ぼーぼー燃やしてください。盛大に。
小 猫 :わけがわからないよっ!
ネ ロ :いやさ、だって寒いし。
小 猫 :寒いし、じゃないよ。死の直前にやっと見れた、念願のルーベンスの
    絵じゃなかったのかっての。
ネ ロ :確かにすごく見たかったんだけどねぇ。実際に見てみたら、なーんか
    期待はずれなんだよね。別に思ってたほどじゃなかったなーーっていう
    かぁ、まぁ確かに技術的にはいい線行ってるけど、エモーショナルな面
    で今一つものたりないっていうかぁ。
小 猫 :お前、何さまのつもりだ。
ネ ロ :なんっていうかぁさぁ、この作品を見てあらためて思ったんだけどさ
    ぁ、僕に言わせればルーベンスなんて、もう過去の人間なんだよね。
小 猫 :お前、何さまのつもりだ。
ネ ロ :そんなこんなで燃やして下さい。


ナレーションのしーもすくん
   「ネロの手の中で、『猿の手』がびくんと跳ねあがりました。するとど
    うでしょう。突然、ルーベンスの絵がめらめらと燃え始めたのです。」


ネ ロ :どうだ、温かくなったらう。
小 猫 :百円札どころじゃないと思うし、ネロは貧乏だし、放火だし。
ネ ロ :自然発火ですよ?コゼツさん家の風車同様に。


ナレーションのしーもすくん
   「あんなに美しかったルーベンスの絵が火に包まれてゆきます。呆然と立
    ち尽くすネロ。と、そのネロの足元に、ぼとぼとと落ちてくるものがあ
    りました。いくつも、いくつも落ちてくるそれは、火勢にあぶられた、
    教会の天井をねぐらにしている鳩たちの丸焼きだったのです。」


ネロ・小猫:に、肉だぁっ。


ナレーションのしーもすくん
   「ネロとパトラッシュは夢中になってそのご馳走をむさぼり食らいました。
    肉を裂き、首をもぎ、死人にむらがる餓鬼のように食い散らし、絵が焼
    け落ちた頃には野ざらしの骨が散らばるばかりになっていました。」


小 猫 :げぷー。もう食えン。
ネ ロ :いやー、思わぬ幸運だったねパトラッシュ。
小 猫 :とはいえ、猿の手がもたらす幸運は、悲惨と表裏一体なんだろ。これ
    から一体、何が起こるのか……


ナレーションのしーもすくん
   「けれど、二人がいくら待っても、それらしいことは起きません。そして
    夜は明け、朝がやってきました。」


小 猫 :結局なにも起こらなかったねネロ。いったいどういうことだろう。
ネ ロ :うーん、これはもしかすると……パトラッシュ、「猿の手がもたらす
    幸運は、悲惨と表裏一体」だとするとだよ、その逆も然りなんじゃない
    かな。
小 猫 :と、いうと?
ネ ロ :つまり持ち主が、自分の「不幸」を願った場合には、猿の手はそれを
    叶えるとともに、相応の「幸せ」をももたらすんじゃないかい?
小 猫 :理屈はわからんでもないが、いったいぜんたいネロがいつ、どんな不
    幸を願ったの。
ネ ロ :ルーベンスの絵が燃えてしまったんだよ!これは僕にとっては、比類
    なき不幸さ!
小 猫 :君、ええ根性してまんがな。しかし本当にそうだとすると、猿の手も
    有効に活用できるかもしれないね。願いのリスクがどの程度か計れない
    ところが、これの怖いところなんだから。訪れる幸福を何にするか、指
    定できない欠点はあるけど。
ネ ロ :まあ拾い物だし、「上手くいったら儲けもの」くらいでいいじゃない
    か。で2つ目の願い事だけど……何を犠牲にささげる?
小 猫 :そういう言い方になるのか。むむ……以外に難しいな。
ネ ロ :取り敢えず、最終回にクララが立たないようにしてみようか。
小 猫 :他人んところの話じゃねえか。


ナレーションのしーもすくん
   「その時、ネロの目に、焼け落ちながらもまだ辛うじて修復可能な、ルー
    ベンスの絵が映りました。ネロは思いました。この際だからルーベンス
    の絵は、徹底的に利用させてもらうぜげっへっへっへっ。」


ネ ロ :テクマクマヤコンテクマクマコン、ルーベンスの絵が水浸しになーれ
    ー。


ナレーションのしーもすくん
   「びくびくっ。猿の手が不気味に痙攣します。すると突然、地面がぐらぐ
    らと揺れ始め、割れた地面の下から、地底の泉が出現したのです。


小 猫 :あー!!地震のショックでルーベンスの絵が泉にぃぃーー!
ネ ロ :湖面が七色に光り始めた……何かが浮上してくるよパトラッシュ。
女 神 :(ぶくぶくぶく、ざばぁーー)あなたが落としたのは、この大きなル
    ーベンスの絵ですかチュン。それとも小さなルーベンスの絵ですかチュ
    ンチュン。
ネ ロ :神キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
小 猫 :しかし、チュンチュンってなんだ。
ネ ロ :お、大きい方、大きい方です大きい方!アイ ドロップド ビッグ・
    ザ・武道!!いや、まてまて冷静になれ。こういう場面では正直者が得
    をするのだ………………女神さま、私が落としたのはどちらでもありま
    せん。私が落としたのは、焼けて煤けたルーベンスの絵です。
女 神 :あなたはとても正直ですねチュンチュン。あなたには、大きなルーベ
    ンスの絵と小さなビッグ・ザ・武道、両方を差し上げましょう。
ネ ロ :いや、ビッグ・ザ・武道はいらないです。
女 神 :それではグッバイ、アディオス、さようなら。チュンチュンチュン、
    チュンチュンチュン、女神のお宿はどこかいな。(ぶくぶくぶく。)
小 猫 :あれ、ほんとに女神か?絵といいつつ、これ、つづらだし。
ネ ロ :やっほーい、これで僕は大金持ちだっ。
小 猫 :あれがすずめだったとすると、むむ、むむむ?
ネ ロ :よーし、まずは大きい方から。
小 猫 :ネロぅ、止めといた方がいいとおもうよ。


ナレーションのしーもすくん
   「パトラッシュの制止も聞かず、ネロが喜び勇んでルーベンスの絵を開け
    ると、大きなルーベンスの絵からはごみやら虫やら。」


ネ ロ :(どさどさどさ)ぐももももももぅぅ……ぶはっ、何だよこれ!
小 猫 :だから言ったのに。こういう場合は欲張るとだめなの、わからんかな?
ネ ロ :なるほど、じゃあ小さい方が正解なんだな!


ナレーションのしーもすくん
   「小さなルーベンスの絵からもごみやら虫やら。By後藤寿庵。」


ネ ロ :(どさどさどさ)ぐももももももぅぅ……ぶはっ、同じじゃないか!
小 猫 :ろくなもんじゃないな。
ネ ロ :悲惨なことばっかりじゃないか!悲惨相応の幸せや奇跡はどうしたん
    だよっ!


ナレーションのしーもすくん
   「一方そのころ、アルプスでは……」
ハイジ :「わーいわーい、クララが立った、クララが立ったーーー。」


小 猫 :うわぁぁ、このゴミやら虫やら、無尽蔵に出てくるぞぉ。
ネ ロ :どうなってるんだよ、埋もれて死んでしまう助けてくれぇぇぇ。
小 猫 :このままじゃ、フランダース全土が、いやベルギー全土がゴミやら虫
    やらに覆われてしまう。ネロ、このゴミやら虫やらを消すんだ、早くっ。
ネ ロ :無茶いわないでおくれよ、どうやって。
小 猫 :猿の手を持ってるだろう。それを使うんだ。
ネ ロ :こ、こんなことで最後の願いを!?でも……
小 猫 :何やってるの、早くしろよ。
ネ ロ :くそー仕方ない。マハリクマハリタヤンバラヤンーー!!!


ナレーションのしーもすくん
   「ネロは猿の手を握り締め、こころをこめて最後の願いを口にしました。
    するとどうでしょう。びくびくびくっ!びくびくっ!猿の手はまるで生
    きているかのように暴れ始め、そして……」




(SE:ざばーー……ざばーー……)


小 猫 :う、うーーん……ここはどこだ?ねえネロ、ネロ。起きろよ。
ネ ロ :うむむむ……はっ。パトラッシュ。
小 猫 :ネロ、一体ここはどこの浜辺なんだ。向こうの沖の方には、ごみやら
    虫やらが浮かんでいるみたいだが、いったい何をお願いしたの?
ネ ロ :簡単なことさ、ごみやら虫やらを僕らごと、別の惑星にワープさせる
    よう願ったんだよ。
小 猫 :なるほど。俺たちも一緒にワープさせたのは、それによって一応俺た
    ちに悲惨をもたらすことになるから、これ以上、猿の手による悲惨が起
    こることもないってわけか。以外に機転がきくじゃないか。
ネ ロ :それにしても、ここはどんな星なんだろう。
小 猫 :む、見てみろよ、あの岬の向こうに何か人工物が見えるよ。
ネ ロ :よし、行ってみよう。


ナレーションのしーもすくん
   「二人は歩き出しました。白い浜辺に点々と伸びる足跡。一向に辿りつか
    ない岬。とちゅう二人はお腹が空いたので、海で魚を釣り、貝を採って
    何度か食事をとりました。そして二日後、ようやく岬に辿りついた二人
    が、岬の向こうに見たものは………………」


小 猫 :ああ、まさか!
ネ ロ :こんな、こんなことが……
小 猫 :ああ、ああああ……
ネ ロ :なんてことだ、ここは未来の地球だったんだ。


ナレーションのしーもすくん
   「そんな、正月もとうに過ぎているというのに今年の干支にちなんだ、ち
    ょっと良い話。」

♪らららーん、らららーん、じんぶるべっちゃ らふぃふぃふぃ、
らららーん、らららーん、じんぶるべっちゃらーーら


執筆担当:佐々木バレット

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