―――QuickUSOYA2004.8.10―――――――――――――――――――――

今週の内容........
1.「しーもす君と小猫さん」(担当:梅千代)
2. 更新情報(週刊WEBマガジンSAKANAFISH)
3. 何が悲しうて英国在住日記 by まき・とうこ
4.「しーもす君と小猫さん」


1. しーもす君と小猫さん―――――――――――――――――――――――――――

小  猫:こんばんはー、小猫です。
しーもす:こカんノばジんョはホーシ、イしオーンもンすオでンすナ
小  猫:今回は夜の読者向けに挨拶をしてみました。
しーもす:まあ、昼カ間ノ、受ジ信ョしホてシすイぐオさンまナ読オめンるナのカな
     ノんジてョ、昼ホ過シぎイにオおンきナてオ、蚊ンにナさカさノれジたョ
     腹ホをシぼイりオぼンりナかオいンてナいオるンやナつカだノけジだョ
     かオらンなナ。
小  猫:………しーもすもついに暑さにやられたか。
しーもす:君は失礼こまわりがきく奴だな
小  猫:猛暑が続いたからなあ…。
しーもす:違うよ。サブリミナル効果で、読者様に僕の思いを伝えてるんだ。
小  猫:そんなことしても、ペプシブルーは売れないよ。
しーもす:しまった!青いコカコーラじゃなきゃだめだ!
小  猫:はいはい、じゃ、しきりなおし。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

小  猫:こんばんはー、小猫です。
しーもす:こんばんはー、しーもすです。カノジョホシイオンナオンナ。
小  猫:今回は夜の読者向けに挨拶をしてみました。
しーもす:まあ、受信してすぐさま読めるなんてのは、昼過ぎに起きて、
     蚊にさされた腹をぼりぼりかいている奴だけだからね。
     カノジョホシイオンナオンナ。カノジョホシイオンナオンナ
小  猫:真面目な主婦(夫)や、モバイルや会社のPCで読んでいる人もいるでしょう。
     みんなが君みたいな引きこもりパラサイトとは限らないのだよ。
しーもす:む。小猫は失礼きまわりない奴だな。
小  猫:それも間違ってるよ。
しーもす:それはともかくとしてね…、実は…、小猫に相談があるんだよ。
小  猫:彼女が欲しいんだね。
しーもす:うっ、なぜ分かったっ。
小  猫:だけど、そんな男性を誰も彼氏にしたいとは思わないよ。
しーもす:何を言う。これを見たまえ。
     ananには「意思の強い男性が好き 87%」というデータが。
小  猫:意思表示の方向性が間違ってるの!
    「オンナオンナ」なんてがっついているようじゃダメダメ。
しーもす:でも、ぶっちゃけ、小猫も
    「政権委譲してぇなあ。あぁ〜、事務総長ぉぅおうおうー」とか
     悶々してるんだろ?加盟国の国旗を涙で濡らしているんだろ?
小  猫:「ン」と「ナ」しか合ってないじゃないか。
しーもす:「ア」なんて、どうでもいいんだよっ。


2.更新情報のお知らせ ―――――――――――――――――――――――――


■週刊WEBマガジンSAKANAFISH
http://www.sakanafish.com/
来々週の更新はおやすみです。
その間にTシャツの予約受付を開始する見込みです。
それと小企画も。
今週の特集は
「襟裳川ミステリ文庫・これはシャーロック・ホームズのパロディではありません
シリーズ」
かわることなくとめどなく。


そのほかにもスーパーオルガナイザーリョウコmisson57やふたご対談などあります。


――――――――――――――――――――
嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。


3. 何が悲しうて英国在住日記 そのじゅういち。―――――――――――――――
  
最近サンダーバード実写映画ができたそうですね。
そこで思い出すサンダーバード話をひとつ。

わたしは英国産歌舞音曲のたぐいがわりと好きで、というかかなり好きで、という
かすでに向こう側に突き抜けていて、いわゆる「ヲタ」と呼ばれて悔いはなく、だ
からオークションなんかにも手を染めたりしています。イーベイやヤフオクではあ
りません。前もってカタログが作られ、当日人が集まり、モノが目の前に出てき
て、うっかり鼻の頭を掻いたりすると「中央のレディから1500ポンド!」とか仕切
られてしまう生オークションです。

最初は英国のオークションといえば、ゴッホのひまわりが50億円とか、お医者さん
の肖像が100億円とか、いや今となっては実に夢のような時代でしたが、そういう超
高級美術品が取引される場所だとばかり思っていました。しかし実は、高級だけで
はなく普通のアンティーク、あるいは家具や車や土地や家なんかの分野にもきちん
とオークション会社が存在して、売買を仕切っています。

歌舞音曲物件分野にもオークション会社がいくつかあり、ロンドンなどで定期的に
商いを行なっています。これをたまにのぞきに行くわけですが、たとえ自分は買い
物をせずとも、「いったいこの人は何故このような変哲もないモノにそんなバカの
ような大金を」と思いながらそこに集まる人々を見るのはたいへん面白いもので
す。なお、うまく面白がるには、「自分もそう思われているかもしれない」という
可能性をとりあえず思考から除外するのがコツです。

で、
ある日ある会社主催の映画物件オークションでのこと。
なんだかたいへんなモノが出てくるらしい、という噂は小耳にはさんでいました。
カタログが届いてそれが判明しました。
そのオークションの目玉物件は、サンダーバードのオリジナル映画で使われた、本
物の、ペネローペお嬢様専用 "FAB1" 全長2mピンクロールスロイスなのでした。予
想落札価格4万ポンド前後。つまり7-800万円。本物の車を買ってツリのくる値段
じゃないのかそんなもん。

当日会場に一歩足を踏み入れると、そこには大物が出てくるオークションにつきも
のの、ある種の緊張感がすでにただよっていました。わたしはサンダーバード方面
には特に興味はないので、気楽に高みのヲタ見物を決めこむつもりでしたが、これ
はひと波乱ありそうだとぞくぞくしました。もっともサンダーバードに興味があっ
たところで、そんなもん買えるわけはないので傍観者でいるしかないわけですが。

目玉ロットは最後の方におかれています。すべてのモノが売りさばかれた後、いよ
いよ「ロット196。ピンクのロールスロイスの模型です」という声が聞こえ、ヤジウ
マも含めた人々の目がきらりと光りました。「映画サンダーバードの撮影に使用さ
れたものです。保存状態は良好です」。本物のぴかぴかピンクロールスがうやうや
しくトロリーに乗せられ運ばれてきて、人々は「おお」とざわめきました。「この
物件にはたいへん興味が集まり、事前入札がいくつかされました結果、開始価格は
55000ポンドとさせて頂きます。では55000からどうぞ」。わたしは椅子から落ちま
した。いきなり1000万円を超えている。よせよせなんてはしたない。なんてあられ
もないマルダシ欲望。人間には段階というものがあるだろう段階が。踏むべき手続
きというものが。

しかしサンダーバードマニアの皆様の清純な心は悩ましいピンクロールスの前には
じけとび、価格は55000から「56000。はい58000。60000。前列62000、後方64000、
前列66000」と2000ポンド単位でリズミカルにはね上がっていきます。もはや、2000
ポンドは40万円でわたしの中古フィアットは1400ポンドだったとか、そのようなビ
ンボウくさい事実など霧の彼方に消え去り、「あははは値段が湯水のようにあがっ
ていくよへへへへ」などと弱々しく笑ってみたりするのが精一杯です。

やがて「10万ポンド。10万つきました、レディーズ・アンド・ジェントルメン」と
価格が6桁の大台に乗ると、会場中が「ごくっ」と固唾を飲み、しんと静寂になり
ました。聞こえるのは、「ではここからは1000ポンドずつどうぞ。10万1000。
2000。3000どうですか。3000。4000?はい、では5000」と、会場の特定の人に交互
に顔を向けながら尋ねるオークショニア氏の声ばかりです。よく見ると、現在競っ
ているのは、会場中央および後方の男性がひとりずつと、わきの方の電話線の引か
れた机で、オークション会社の人がうなずきながら話している電話参加者です。

13万ポンドに達するあたりで、後方の男性が脱落し、会場対電話の一騎打ちになり
ました。わたしは会場の男性の横顔をじろじろ見ました。眼鏡をかけてスーツを着
ている、一見普通のおじさまです。しかしそのおじさまはいったいどういう人で、
どういう仕事をしていて、どこにどのように住んでいて、どのような人生を歩んだ
結果、幼いころに大好きだったのであろうサンダーバードのために数千万円をなげ
うとうとしているのか、懸命に想像してみようとしました。しかし、それはわたし
の想像力の守備範囲のはるか500メートル彼方を飛んでいく大ホームランであるよう
で、凡外野手はただ青空を見上げて見送るしかないのでした。

15万ポンドを超えたあたりで、だんだん価格の上がり方が遅くなってきました。
「3000?3000どうですか?(電話の人がなにやら早口で話した後、顔をあげオーク
ショニアに手を振る)はい15万3000です。では4000?4000ありませんか?(会場の
男性腕組みをしてしばらく沈黙しているが、そのうち目を上げてうなずく)はい
4000つきました。5000いかがでしょう?5000?(電話の人さっきよりも長く話して
いる。手振りのさかんなアクションがついている)5000ありませんか?それでは15
万4000ポンドの1回目… (電話の人が急いで手を振る)5000ですね。はい15万5000
です。6000どうでしょうか?(男性腕組みをしたままやや苦しそうな顔になる。苦
しそうにしばらく考えて、やがて、ほんのわずかうなずく)6000、ありがとうござ
います。では7000どうでしょう?(電話の人、早口でささやき、返事をじっと待っ
ている)7000ありませんか?(まだ待っている)」

しかしそれでも、じり、じりっと価格は上がってゆき、それはとうとう17万ポンド
を突破しました。もはや人々は、文字通り息を詰め、手に汗をにぎり、「ううう
う」などとうめいていました。

やがて、17万4000ポンドという価格に電話側が同意し、「では5000いかがでしょう
か?」とこちらを向くオークショニアに、会場の男性はため息をひとつついて、右
手を喉元で水平にきゅっ、と引き、かぶりを振ってみせました。「では17万4000ポ
ンド。よろしいですね。それではロット196は、17万4000ポンドで、電話参加者に落
札されました。」木槌が振りおろされ、かん!という音が響くと同時に、詰めてい
た吐息が会場中から一斉にもれ、そして大拍手がまき起こりました。それは、ヲタ
世界の達人の真剣の斬りあいのような、火花散る歴史的勝負を見た感動でした。勝
負にやぶれた会場の達人は、それでも初めて笑顔を見せ、「なんてことないよこん
なもん」という様子で肩をすくめたりしていました。

教訓:こんなんで自分がヲタだと思っていたわたしが間違っておりました申し訳ご
ざいません。

仮にわたしの目の前に、サンダーバードマニアの人たちにとってのピンクロールス
に等しい、平常心はじけとぶほどすごい物件が出てきたならば、今給料日前だとか
明日納期だとか、がたがたぬかさずに家と家財道具を売り払ってでもとにかく買う
べきでありましょう。そして着の身着のままピンクロールスの中に住む、というほ
どの覚悟が必要とされるのでありましょう。

あの火花オークションを経験した結果、サンダーバードを目にするたびにわたしが
考えるのはこのような、国際平和から程遠いことばかりです。勝負にやぶれたあの
おじさん達人もきっと、ピンクのロールスの夢を見て「あの電話参加者をこらしめ
ておやり」とつぶやいたりしていたことでしょう。


執筆担当:まき・とうこ
【The Total Frontal John Cleese】
http://www.btinternet.com/~akko.o/tfjc/

5. しーもす君と小猫さん―――――――――――――――――――――――――――

小  猫:たとえば、しーもすは、どんな女性が好みなの?
しーもす:そうだなあ、おもいやりがあって、いざというときには
     僕を助けてくれるような人かなあ。
小  猫:なるほど、21世紀を象徴するような強い女性が好きなんだね。
しーもす:例えば、僕が崖から落ちそうになって、崖っぷちにしがみついている時、
    「ああ、この人はもう助からないのね。だったらひと思いに」と
     バールのようなもので僕の頭をかち割ってくれるような。
小  猫:しーもすがいままで彼女が出来なかった理由が、なんとなく分かったよ。
しーもす:そういう素晴らしい女性とは、どうやったら出会えるのかなあ。
小  猫:一生、崖にしがみついてろよ。
しーもす:あ、合コンやろうよ、合コン!小猫、セッティングしてくれない?
小  猫:うーん、まあいいけど。僕の知り合いに、バールで殴る女性はいないよ。
しーもす:「バールのようなもの」だよ。
小  猫:他には、どんな女性が好みなの?
しーもす:髪は長めのような短めのような。風もないのにうねる感じような。
小  猫:どんな髪型だよっ
しーもす:肌は緑色がいいなあ。沼色ってかんじ?
小  猫:妖怪人間ベラでも呼びたいのか?
しーもす:ううん、ゴーゴン。ヘビ女性のゴーゴン
小  猫:ふぅーん(鼻くそをほじくりながら)、ゴーゴンと合コンがやりたいのね。
しーもす:「君の髪の毛、綺麗だね(そっと触れる)」
     「えーーー、そうですかぁ〜〜」
         カプッ       
     「いたた。君の髪も恋も一筋縄じゃいかないようだね、フっ」
     「あ、大丈夫ですかぁ〜。このヘビ、すぐ人を噛んじゃうんですよー」
         カプッ
小  猫:では、しーもすも別世界にいってしまったようなので、
     今週のQUICK嘘屋もこのへんで〜。
しーもす:「いやいや、その妖しく蠢く髪に、僕は堕ちてしまいそうなのサ」
         カプッカプッ
     「いやーん、また噛んでる。お詫びにホテルで手当させてくださいねェ」
小  猫:しーもす、ほら、帰るぞ。ほらってば。
しーもす:「はっはっはっ、それほどでもありませんが、是非にというのなら」
小  猫:それでは皆さん、また来週〜。
しーもす:「まいったなあ。今夜は君に石にされちゃうぞ、なんてネ」
      
      カプッカプッカプカプッカプッカプッカプッカプッ



執筆担当:梅千代
【パイソン・エアウェイズ】
http://python-airways.cside.com/

――【広告】――――――――――――――――――――――――――――

★【旅の指さし会話帳 国内編2 大阪】
★【クリスマスおもしろ事典】
http://myshop.esbooks.co.jp/myshop/cmosbooks?shelf_id=01
買うならしーもす書店
                   ☆

21世紀の服飾をリードする
【IYA De GENKAI】
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/~goliyaku/index.html

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
このメルマガは、Q嘘加盟Webサイトの管理者が順番に執筆しています。
登録と解除 http://www.interq.or.jp/ski/sakana/quso/regist.html
過去の号:http://www.interq.or.jp/ski/sakana/quso/backnumber.html
嘘屋本舗 http://www.kasugai.com/usoya/ 発行:週刊魚魚 q_usoya@yahoo.co.jp
Copyright by USOYA-HONPO 掲載内容の無断転載はお断りいたします。
このメルマガは『まぐまぐ』を利用しています。 http://www.mag2.com/
――――――――――――――――――――――――――――――――――――