──QuickUSOYA 2005.6.28──────────────────


今週の内容........
1.「しーもす君と小猫さん」(担当:気楽院)
2. 更新情報(週刊WEBマガジンSAKANAFISH) 
3. 何が悲しうて英国在住日記 そのじゅうはち。by まき・とうこ
4.「しーもす君と小猫さん」


1. しーもす君と小猫さん ―――――――――――――――――――――――――

小  猫:しーもす総理、今一度お考え直しください!

しーもす:小猫幹事長、これは私の政治的信念の問題だ。

小  猫:ですがこの時期に公式参拝なんて!

しーもす:公式参拝はさきの総裁選の公約の大きな柱だったし。

小  猫:お言葉ですが、総理がそんな公約してたなんて
     実のところはっきし言って誰も知りませんでした。

しーもす:政治家たるもの公約は守らなきゃいけないよ。なあ君。

小  猫:なあ君と言われても。

しーもす:相模原市の山田さんは公約を守らなかったため10日後に。

小  猫:不幸の手紙ですか。

しーもす:それに信教の自由は憲法でも保障されているんだよ。
     憲法は大事にしなければいけないよ(9条以外)。

小  猫:だったら個人で勝手に参拝すればいいじゃないですか。

しーもす:私的参拝じゃ公費使えないじゃないか。
     国民の血税使って参拝してこそ男子の本懐。

小  猫:こいつ郵政民営化とか言いつつなんてことを。

しーもす:ともかく心おもむくままに公式参拝じゃよー! ギャハー!

小  猫:あっ逃げた! 待てこの野郎ー!



2.更新情報のお知らせ ────────────────────────


■週刊WEBマガジンSAKANAFISH
http://www.sakanafish.com/

今週の特集は「ひよすちゃんえにっき」です。
日記というわりには年に3回ぐらいしか更新されていませんがそれが時の流れと
いうものでしょう。

そのほかにはグランドスラムまんが果糖水的生活202やふたご対談などあります。


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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。




3. 何が悲しうて英国在住日記 そのじゅうはち。 ――――――――――――――


英国に夏がやってまいりました。
そこらじゅう一気に緑が萌え出ずる季節です。
いや本当に萌えて萌え出るのです。もうとんでもないところにまで。

わたくしの住まいは築150年(大家談。気分により100年程度のブレあり)のツタの
からまる石造り2階建てアバラ家で、ラットランド地方の小さな村の片隅にあり、見
かけはなかなか趣があって英国的に風流なものです。ですが、いかんせん、古いの
でまず雨がもる。屋根は修理してあるはずなのですが、雨の日はどこからともなく
湿気が壁を伝いしっとり湿ってやってきます。

そして、古い石の家ゆえ、床下がない。1階の床はすなわち地面に密着しているので
あり、冬は床がたいへん冷たくなるので難儀をします。屋内はハダシで歩き床に座
りこむ癖がある日本人は、冬になるたびに「そういえば市川の実家では、猫ですら
30cm四方の猫用ホットカーペットあてがわれてあったまっていたもんだ」と、3重に
はいた靴下の足先を見ながら考えたりします。

もっともそういうことを補ってあまりあるほどここに住むことは大変面白いので、
人間の方をあわせつつ、家様のご機嫌をおうかがいしながら日々を送っています。

さて去年の夏の朝、1階に下りたわたくしの目に、ふと居間の片隅に落ちている葉っ
ぱのようなものが映りました。
まわりに森や草原は事欠かないゆえ、家の中に草葉が吹きこむことは珍しくないの
で、特に何も考えずに近寄って行き、それをつまみ上げようとしました。
がっき、
と抵抗感。
あれ、とさらに引っぱると、持ち上がらない。
持ち上がらないのは、
あ、葉っぱに根が生えている。
よく見るとそれは。
それは、居間の石の壁と床とのわずかな隙間から、敷かれた絨毯を押しのけるよう
にして、その下の地面から生えてきていた、短い夏のための旺盛な生命力を備え
た、数本のぺんぺん草なのでした。

わたくしは、

「うむ。草の庵だ。思わず面八句を柱に掛けおきたくなる風情だ」

とつぶやき、その数本のぺんぺん草さんを、人の目からは隠しつつこっそりとしか
し大切に、風の谷のナウシカの気分ではぐくむことにしました。そうすると、
ちょっと疲れたときに、「なにしろ自分はぺんぺん草の生えてくる家に住んでるん
だから、それに比べたらこんなことはへのカッパなのだ」と、マイ・ライフ・アズ
・ア・ドッグの少年とライカ犬との要領で呪文のようにとなえれば、人間は結構い
ろいろなことを乗りこえられるという効果があることもわかりました。もっともわ
たくしの場合には、かわいそうなライカ犬もまた自分自身であるというところがア
レですがそれはともかく。

(それから同時に、あまり「うちには部屋のなかにぺんぺん草が生えているんだ
よ」と人には言わないほうがいいらしいということをも、「なんでもあの日本人は
掘っ立て小屋にムシロ敷いたような家に住んでるんだそうだ」という噂が定着した
後に、わたくしはいやというほど学びました。それは真実とあまり大差ないのも事
実ですがそれもともかく)

だから夏が去り、力尽きるように日を追うごとにしおれていくぺん太さん(名前が
ついた)を見るのは胸が痛みました。そして秋も深まり冬の予感がしてきたある
朝、ぺん太さんは静かに枯れていました。

荼毘に付されるべくぺん太さんが運ばれていく朝の光の中、わたしは「さようなら
ひと夏のぺん太さん、さようなら夏の記憶、ああこれでまた箸にも棒にも的に
しょーもない冬が来るのね」と、ぺん太さんを積んで去っていくラットランド州の
ゴミ車を見送りながら、ほとんど涙ぐみそうになりました。

そして冬が来て、冬が居座って、ずーっと冬のまんまで、いいかげんにしろ冬オウ
空気読めさっさと去ね、と全国民が空を見上げてツッコミを入れはじめたころ、よ
うやく空気が少しゆるんできました。すると太陽が急に明るくなり、すかさず木々
が「今だ!」という勢いで一斉に緑に芽吹き始めました。

この初夏のイングランドとは新緑が高い陽に照り映えて美しい、というか、あざと
いまでに美しく輝いてみたりしています。この季節の木々ときたら、山下洋輔言う
ところの「ウケようとしている」としか思えない行動をとるのであって、もうすぐ
夏かもしれないと浮かれ始める人々を横目に、わたしはときどき「てめこの木ぃ、
これみよがしに緑色にきらーん!とか輝いたりしてんじゃねーよオウ、冬が終わっ
たからってこちとらが何でもありがたがると思ったら大間違いだよ、んなとこダラ
ダラ生えてんじゃねーよ夏の風にサラサラとかしてないでちったあ仕事しろよ仕
事」と難癖をつけたくなります。

しかし多くの人々は、冬の暗さで脳をやられて、木に葉っぱが生えているというわ
りと当たり前のことを非常にアリガタイという気分に陥り「あああ」とめろめろに
感動し、あたかも性悪女に振り回されながらも「うっふん」と言われるだけでへへ
へへ、とか釣られてしまうオヤジのような態度で、冬のことを忘れて夏にころりと
参ってしまうのが常です。含わたくし。なんだかんだ言ってもかわいい奴よのうイ
ングランドの夏。

さて、
夏になったある朝。
そういえば去年ぺん太さんに出会ったのもこの頃だった、とわたしはふと目を覚ま
して思いました。あれは思いがけない不思議なひと夏の出会いだった。今ごろどう
しているだろうぺん太さん。死んでるか。
とつぶやきつつ、牛乳を取りに下におりて行ったら、

居間の片隅に緑色がきらりと光りました。

あっ、と駆け寄ってみると。
それは壁の外側を伝ってきて、内側には壁とドアの木の柱の隙間から顔を出してい
る、ツルを持った葉っぱの数葉でした。その生え具合といい柱との配置といい、ま
るであつらえた一輪挿しを掛けているかのような調和ぶりでした。

だから今年の夏はツル太郎さんをはぐくんで過ごすことになりそうです。
ただ、もし成長しゆくツル太郎さんにこのドアを取られてしまったら、いちいち窓
から出入りせねばならなくなることだけが気がかりです。


付記:
この話を前振りにして前回の「英国コメディと自虐」の続きを書こうと思っていた
ら、ぺん太さんの思い出がよみがえり、なんだか長くなっちゃいました。ので、さ
らに次回に続きます。いやどうか覚えていて下さい。頼みます。


執筆担当:まき・とうこ
【The Total Frontal John Cleese】
http://www.btinternet.com/~akko.o/tfjc/





4. しーもす君と小猫さん ―――――――――――――――――――――――――

小  猫:あーあ、とうとう公式参拝に来ちゃったよ……。

しーもす:やっぱりいいねえココは。日本人の心の原点だよ!
     ほら、このマリンスタジアムから吹き付ける潮風……。

小  猫:幕張のボビー・バレンタイン神社のどこが日本人の心の原点ですか!

     だいたい一国の宰相がこんなとこ公式参拝するなよ。

しーもす:「こんなとこ」とはなんだ無礼者!
     俺たちの千葉ロッテマリーンズは今、
     31年ぶりの優勝に向けて大きく前進しているんだよ!

小  猫:勝手に「俺たちの」ときたよオイ。

しーもす:充実した投手陣にやっと打線が噛み合った今年を逃したら、
     今度はいつ優勝の可能性が出てくるか分からないんだぞ!
     ここでロッテ優勝を祈願するのは人として当然じゃないか!

小  猫:ロッテファンじゃなければ人じゃないんですか。
     平家ですかあんたら。

しーもす:俺たっちのー!ほっこりー!千葉マリンズー!(絶叫)

小  猫:あーあ、歌いだしちゃったよ一国の宰相。

売店の客:どんな時もー!俺たちーがー!ついてるーぜー!(絶叫)

小  猫:うわ、隣のロッテグッズ店の客まで合唱してる。
     なんかの宗教だねまるで。
    
     そもそもなんですか、この神社から生えてる邪神像みたいなの。

しーもす:きっっ貴様、俺たちのボビー・バレンタインを愚弄するか不敬者ー!
     このボビー像の神々しさが分からないとは、まだ信仰心が足りないね。

小  猫:邪教の信者になった覚えはございません。
     で、どこにサンカラストーンをはめ込めばよろしいのですか。

しーもす:誰がインディ・ジョーンズか。
     そのかわり、ボビー像と握手すると、ボビーが喋ってくれるんだぞ。

     ほら、むぎゅ。

ボビー像:『アリガト〜ウ、ロッテーヲー、オウエン、シーテクダサーイ』

小  猫:うわ、気色悪い。
     やだようこんなの公費で公式参拝するなんてやだよう。

しーもす:まあそう言うな。私も党利党略のことはしっかり考慮している。
     好調ロッテと今のうちにねんごろになっておけば、
     ゆくゆくは政府のイメージアップにもつながるしね。

小  猫:あ、いちおう考えていたんですね。

しーもす:だってホラ、今までオクビにも出してなかったくせに優勝目前になっ
てから
     「私、子供の頃から●●のファンだったんですぅ〜」
     とかマスコミで言い出すタレントって、絞め殺したくなるじゃん。

小  猫:ところで小倉優子って本当にロッテファンなんでしょうか。

しーもす:内閣調査室に背後関係を洗わせているが、油断は禁物だねえ。

小  猫:そもそもこりん星でも千葉テレビは映るのかなあ。

しーもす:だから我々も今のうちに公言しとかないと、
     また野党から人気取りのなんのと追及されるからね。
     そのために、この時期の公式参拝なんだよ。

小  猫:とてつもない詭弁にしか聞こえないんですけど。

しーもす:イ・スンヨプを合祀させれば韓国からの抗議もおさまるだろうしね。

小  猫:火によけいな油を注ぐような気もしますが。

しーもす:というわけで党の衆参全議員の名前でファンクラブも申し込んだし。

小  猫:わーっ、なんてことするんだこの男は!

しーもす:もちろん巨額のファンクラブ年会費は党助成金で。
     税金は有効に使わなくちゃね。

小  猫:えー、こちらにドラム缶一杯のこげ茶色のペンキがございます。

しーもす:ほう、茶色いねえ。

小  猫:まずは巨像の全身にぶっかけまして。どば。

しーもす:うわーっ聖なるボビーの像に何をするーっ!
     何かの抗議行動かねこれは!

小  猫:帽子をがりがりと削りまして。

しーもす:ああっボビーの頭が蛭子能収さんばりのピンヘッドに!
     まったくけしからんね!

小  猫:目ん玉をぐりぐりと丸く書いて。

しーもす:こ、これは……謎のナイジェリア人のほうのボビーだと思います!

ボビー改:『にほんご、まったくしゃぶれないよ』

しーもす:わーん、音声まで!

ボビー改:『マルシアでございますですよ』

しーもす:なぜか別のなつかしい人が混ざってるー! 大鶴義丹ー!

ボビー改:『黒木でございまーす』

しーもす:うわーん、ボビー像(オロゴンのほう)が笛を吹きながらワキ毛をー!

ボビー改:ぷぴーぷぴー、ぽっぽぽぴー。

しーもす:ワキ毛にからめとられた売店の客がどんどん邪神像のいけにえにー!

売店の客:「パパー! 助けてパパー! ぎゃわーん!」
     「黒木はジョニー黒木だけでいいようー」
     「こっちの黒木にくわれてしぬのはいやじゃあー」

ボビー改:もぐもぐもぐ。

小  猫:わっはっはっは、暴れろ暴れろもっと暴れろボビー!

しーもす:かっ幹事長! さては貴様、ソフトバンクの手先!

小  猫:わっはっはっは、ばーれーたーかー(※鷹だけに)。
     優勝するのは俺たちの福岡ソフトバンクホークスだ!
     わーれらーのーわれらのー、ソフトバーンクホークスー!(絶唱)

しーもす:こわいよおおソフトバンクこわいよおお。
     松中も城島もズレータもカブレラもアホほど打ちまくるよおお。
     いくらロッテが勝ってもどんどんゲーム差を詰めてくるよおお。

小  猫:わっはっはっは、おびえろおびえろ虫ケラども!

しーもす:球団歌の「ダイエー」と歌ってたところを
     無理矢理「ソフトバンク」と言い換えてそのまま流用してるから
     語呂的にすごく無理があるよおおこわいよおお。

小  猫:そこは別におびえなくてよろしい。

ボビー改:ぷぴーぽぴー。

しーもす:こっちはもっとこわいよおお。てゆうか有事法制はまだかー!?

ボビー改:もぐもぐもぐ。

小  猫:あっコラ総理まで食べるなこのバカ! また政局が混迷の度を!

しーもす:ひゃあー、もう公式参拝はこりごりだよう。

小  猫:うわ、とってつけたようなオチ。

売店の客:「そういえば横浜の大魔神社ってどうなったんだろう……」

ボビー改:もぐもぐもぐ。





執筆担当:気楽院
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