──QuickUSOYA 2005.11.29──────────────────


今週の内容........
1.「しーもす君と小猫さん」(担当:なんしぃKIM)
2. 更新情報(笛育シネマシアター・笛育妖怪館・笛育市大喜利/週刊WEBマガジンSAKANA
FISH) 
3.「しーもす君と小猫さん」
4. 何が悲しうて英国在住日記 by まき・とうこ
5. 第34回嘘競演開催中のお知らせ
6.「しーもす君と小猫さん」


1. しーもす君と小猫さん ―――――――――――――――――――――――――

しーもす:しーもすでーす
小  猫:小猫でーす
しーもす:しかし世の中ロクなことがありませんね。
小  猫:あんまりロクな事がないんでここはひとつ先を考えて
しーもす:ほおほお
小  猫:質屋に行きました
しーもす:ロクのひとつ先だからしち屋ですか
小  猫:発声しないとわかりづらいダジャレはやっぱりダメですね。
しーもす:わかってるならやめときなさいよ。しかしまあ、ロクなことがないてのは
     ほんとの話でなんですか、あの耐震設計の偽装は。
小  猫:ああ、あれですね。あの設計士さん、構造計算書だけでなく他も偽装してい
     たらしいですよ
しーもす:なんですか?
小  猫:髪の毛を
しーもす:…それは偽装とは言わないのでは
小  猫:週刊文春にはそう書いてありました。
しーもす:感心しないことをした方とはいえ、そこまで言う事もないと思いますが。
小  猫:でも、いわゆる政治的に正しい表現になりそうですよね。髪の毛を偽装。
しーもす:ならないならない。
小  猫:「おお常務、これは結構な髪の毛の偽装でございますな」
しーもす:即座にクビになるというか、その場で首締められると思います。
小  猫:何せ世の中偽装だらけですよ。
しーもす:他にも何かあったんですか
小  猫:先日入ったお店なんか、電話ボックスのちらしには市川由衣が載ってたんで、
     行ってみたら琴欧州でしたよ。まったく。
しーもす:何の話かよくわかりませんが、それは期待したものが間違っていたのでは。
小  猫:チャットとメールじゃ女子高生16歳って言ってたのに
しーもす:あなたは少し生活を改めた方がいいんじゃないですか
小  猫:登録はタダだって言ってたのに
しーもす:そんなんだから質屋に行かなくちゃいけなくなったんですね。
小  猫:私はそんな世の中に飽き飽きして、真実を求める旅に出ましたよ。
しーもす:アパートの隣の人が、毎晩のように大声を上げて戸を蹴飛ばす人が来るから
     何とかしてくれって言ってきましたが。
小  猫:山を越え谷を越え
しーもす:人の話聞けよ
小  猫:川を越え、海を越え、沼を越え、池を越え、水溜りを越え
しーもす:越えるところがだんだん小さくなっていくところがあなたらしいですね
小  猫:ついに見つけたのです。真実を。
しーもす:おお、よかったではないですか。で、どうでした?
小  猫:枕はソバに限りますね
しーもす:それは寝室では



2.更新情報のお知らせ ────────────────────────


■笛育シネマシアター
http://fueiku.cocolog-nifty.com/fueikumovie/
『ベルリン・天使の詩』
『姑獲鳥の夏 カエル石のひみつ』

■笛育妖怪館
http://fueiku.cocolog-nifty.com/monster/
『マグラ返し』
『枕以外返し』
『軍服茶釜』
etc

■笛育市大喜利
http://homepage3.nifty.com/fueiku/ohgiri/index.html
『第88問:長い棒』


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■週刊WEBマガジンSAKANAFISH
http://www.sakanafish.com/

カレンダーやマグカップの予約受付中です。
12月15日までですが年賀状などの発注はお早めに

今週の特集は「日向守殿家中覚帳特別付録史学博士四国帝大教授米原輝実博士の
歴史学講座第四回・迷惑矢文とその実例」です。
漢字だけが万里の長城のように連なっていますが漢文ではないです。

そのほかにはあれまんが果糖水的生活210とふたご対談しかないという純朴さ。

※なつやすみのおもいで絵画展開催中です。描いてみましょう。

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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。




3. 何が悲しうて英国在住日記 そのにじゅういち。 ――――――――――――――


日本で運転免許を取ったのは、保険証以外に身分証明がないのはなさけないから、とい
う理由でした。このようにそもそもやる気のうすいモチベーションだったゆえ、取得ま
でにもどえらく手間がかかり、幕張運転免許センターで免許証を手にした瞬間思わず、
「ああこれでもう車を運転しなくてすむのだ」とほっとしたものです。



以来ほとんどハンドルに触ることはなくこのまま、車とは常に人が運転して乗せてくれ
るものなのよおほほほほ、という高貴な人生を順調に送って死んでいくのだと軟弱に考
えていました。



ところが英国に流れてきて、特に地方都市に住んで働くようになってわかりました。車
がないと、死にます。というのは大げさにしても、とりあえず命がないです。

しかも英国の場合には日本と決定的に異なる点があり、人間の車への異存度はさらに高
いのです。



かつて学生として住まっていたニューカッスルは、北イングランドの活気ある愛すべき
大都会でした。文化はすべて徒歩圏内にありました。夜中までパブやバーやクラブでに
ぎやかな街から市外へは小規模ながら地下鉄が四方に走っており、不便なことはまった
くなく、車の所有という概念はまったく脳裏をよぎりませんでした。



さて卒業前から始めた就職活動がぜんぜんうまくいかず、次第に人格が荒廃しはじめた
ある日。履歴書を送っておいたある地方の会社から不意に電話がかかってきて、「もし
うちで働きたいんなら来てもいいかもよ」とおっしゃる。その地方がブリテン島半分ぶ
ん遠隔の地であることなどはもうかまわずに、行きますいきますこれで皮一枚で首つな
がって生きていけます、と連呼するわたしに、電話口の人事のおばさまは冷静にこうた
ずねました。



「ところであんた、車持ってる?」



いえ車どころか免許すらこっちの国のものは持っていませんが、と答えると



「ふうん、じゃあ、まず車買ったほうがいいよ。ここ生きていけないよ車ないと」



人事の人の口から仕事とか契約とかそういうことの前にまず車、が出てきたという意味
にわたしはまず気づくべきではありました。しかしなにぶんそれまで車に縁のうすい軟
弱な人生を歩んできていたゆえ、特に深く考えることなく、その後すぐに束になってや
ってきた卒論とか引越しとかヴィザとか労働許可などのよしなしごとに、もっぱら気を
とられておりました。



本当にその意味をさとったのは実際にそこに住んで働くようになってからです。



その街は情け容赦なく、「人間は車を持っている」ということを前提としてできている。
 


人間のいとなみが、大いなる自然のなかに飲みこまれそうになりつつ、ほそぼそ点々と
存在している。

あたかも風の谷のナウシカの世界観である。

まず会社が、その地方のさらに郊外の森林の中に建っている。

それはわが社だけではなくビジネス街とは郊外の森の中にある。

買い物に行こうとするとスーパーは3kmの距離のやはり郊外に建っている。

遠出をしようととすると駅は5kmむこうの街のはずれに疎外されている。

映画を見に行こうとすると映画館は10kmのはるか彼方にかすんでいる。

こういう施設のまわりにそれぞれ広大な駐車場があり、人々は住まいとその点との間を
車で移動している。

では車を持っていない人間はどうすればよいのかというと、バスに乗れという。

確かにこういう点をつなぐバスは通ってはいるが、よくて30分に1本である。

しかも終バスが、午後6時30分である。



というよりバスは来ない。

この国の電車の不正確さはかなり有名になりました。いやこんなことで有名になってど
うするのだイギリスという気もしますが、実はその華やかな有名ぶりのかげで、実はこ
の街ではバスも素晴らしく、芸術的に不正確です。



例えばここの時刻表に「午後4時15分」とあったとすると、それは大雑把に言って

「このバスは午後4時から4時45分くらいの間に来れば、お客さんあなたは非常に運
がいい」

という意味です。

そしてときおり何の確たる理由もなく、そのバスは「来ない」。

そして来るか来ないかを知るすべは、バス停に立ち尽くす人間にはまったく与えられて
いないのです。



こういう人に不安を与えるものに依存せざるを得ない状態で生きていると、人間はだん
だん気がへんになってきます。やがてわたしの脳内では、あれはもはやバスなんてもの
ではない、それは待つという苦痛から罪深き人間を救いだすために降臨してくださった
「おバス様」という純粋な存在である、おバス様にこんな下賎な道路までご足労頂いて
乗せて頂くだけでああありがたやありがたや、来たれ拝まんさらば救われん、というマ
ントラがリズミカルかつエンドレスにめぐり始めました。そして思わず「ああ原始のひ
とびとが太陽を信仰した理由が今わかった」とつぶやきました。



しかししばらく苦難に満ちたおバス様信仰生活を続けた後、会社の森のそばで、永遠に
来ない31番のおバス様をリスやウサギのはねまわる中に立ち尽くし待ちほうけていた
わたしは、ある理解に突然達しました。



「わたしの人生の時間は来ないバスを待つことに費やすにはもう残り少ないのだ」



そしてわたしの胃のあたりにある暗いカタマリが生じ、それはのどもとにぐぐいとせり
上がってきて、あたかも泥酔時に指の間から噴出するゲロのように



「のぁにがおバス様でい、ちくそう早く来て客を乗せやがれバス野郎!今乗せろすぐ乗
せろここで乗せろ!えええい、わたしは神様を証人に誓います!わたしはもう、二度と
バスを待ちません!もう絶対に待ってなんかやるもんかあどちくそう!」



ぱーと散っていく小動物たちの背中を見ながら、頭の中の「タラのテーマ」をBGMに、
わたしはバス停を後にし、夕日のむこうのわが家をさして、頭をそらして歩き始めまし
た。



その途端に31番バスが3台続けてわたしを追い抜いていったことや、家につくまで非
常に悲惨な2時間をすごしたことは、今はもうあまり思い出したくないです。



つづく。


執筆担当:まき・とうこ
【The Total Frontal John Cleese】
http://www.btinternet.com/~akko.o/tfjc/


4. しーもす君と小猫さん ―――――――――――――――――――――――――



小  猫:それはともかくとして、耐震性に疑惑があるというのは怖いですよね。
しーもす:確かに。いざという時にガラガラと、というのは避けたいですよねえ。
小  猫:実はウチでも先日の地震で建物の一部が崩れまして。
しーもす:ええ?それは大変。
小  猫:居間の一部が
しーもす:ええええ?いったいどこが
小  猫:積んであったコミックボンボン50年分
しーもす:それは地震が原因なんですか。ほんとに。
小  猫:そういえば以前から、部屋でカブトムシが羽化してたんで不思議だったん
     ですが、謎が解けました。
しーもす:とっとと捨てなさい。そんな腐ったもの。だいたい50年前にコミックボンボ
     ンないでしょう。
小  猫:いやそれが、なあんとあったんですよ、奥さん。知りませんか?鉄腕アトム
     のプラモデルで一世を風靡したストリームベースとか。
しーもす:私は奥さんではありません。あと時空がどっかで捻じ曲がってます。
小  猫:忘れられませんねえ。リアルタイプ鉄腕アトムとか。
しーもす:何がリアルなんですか。
小  猫:全身つや消しの緑色で、ところどころ塗装が剥げてて、いろいろと注意書き
     が入ってるんですよ。
しーもす:ヤなアトムですねそれ。
小  猫:マリンタイプなんかもありましたね
しーもす:なんですかそれは
小  猫:浮き輪と足ヒレ装備です。
しーもす:単なる海水浴じゃないんですかそれ。
小  猫:でも専用武器として、バットとスイカが付いてるんですよ。
しーもす:バットは百歩譲るとして、武器なのか。スイカは。
小  猫:箱に小さく、「このキットにアトムは入っていません」と書いてあったのも
     懐かしいですね。
しーもす:その商品仕様に誰も疑問を抱かなかったんですか。
あとはシャア専用ウランちゃんとかもありました。
しーもす:赤くて3倍早いんですか?
小  猫:いえ、インド人なんです
しーもす:そっちかい




5. 第34回嘘競演開催中のお知らせ ―――――――――――――――――――――


投票結果も発表され、感想戦に入っております。
ココロ残りのないように、ご感想を。

アドレスはこちら
http://homepage3.nifty.com/usokyouen/



6. しーもす君と小猫さん ―――――――――――――――――――――――――


しーもす:しかしくだんの事件も、だんだんおお事になっていきますなあ。
小  猫:警察沙汰は避けられそうにないですねえ
しーもす:業界の本質も問われそうですよねえ。
小  猫:まったく、計算が合わないところで地がでちゃったばっかりに
しーもす:ばっかりに?
小  猫:刑事さんに会うハメになっちゃった、ってことでしょうか
しーもす:発声しないとわかりづらいネタはやめなときなさいってば
小  猫:ではまた来週


執筆担当:なんしぃKIM
【だ☆めーづ】
http://damedesu-orz.org/kimlla/
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