――QuickUSOYA 2007.4.24――――――――――――――――――

今週の内容........
1.「しーもす君と小猫さん」(担当:佐々木バレット)
2. 更新情報(週刊魚魚)
3.「しーもす君と小猫さん」


1. しーもす君と小猫さん――――――――――――――――――――――

小  猫:ローンブロゾーッ。さて、今週末からついに、例のゴールデンウィークと
いうやつがはじまるわけだが、それはそれとしてマゾーなしーもすよ、ま
た失敗したな
しーもす:また失敗したなといわれましても
小  猫: 失敗したと言うのにその態度は何だ。
しーもす:お許しください、ナゾーな小猫さま
小  猫:わが組織に愚か者はいらぬ。死ねぇっ
しーもす:しかし、あんなもん相手にどう戦えと
小  猫:ゴールデン髑髏……ええい、忌々しいやつ。あやつはどうしてあんなに強
いのだ
しーもす:「なぜなら、正義!」
小  猫:……あ?
しーもす:あいつが、自分でそういってました。わはわは笑いながら
小  猫:なんの説明にもなっていないではないかッ
しーもす:はあ。なってませんなあ
小  猫:して、しーもすよ。来週の作戦はどうなっておる?
しーもす:は。来週と申しますと。来週?
小  猫:だから何
しーもす:……今年のゴールデンウィークも仕事ですか
小  猫:「仕事」ではない、「世界征服作戦」だ! なんだその悪の組織の幹部ら
しくないサラリーマンみたいな発言は
しーもす:いやもうおっしゃることはもっともなんですが。世界征服を企む悪に土日
・祝日なんかナンセンス
小  猫:そのとおり
しーもす:まあそれはそれとして置いておいて次の作戦ですか
小  猫:そう、次の作戦だ
しーもす:あんなむちゃなもん相手に作戦もくそも
小  猫:なにっ、貴様、処刑だ
しーもす:しかし小猫さま。今まで幾度となく我らはあいつを追い詰めました。串刺
しにしたり、怪獣に飲み込ませたり、ミサイルをぶつけたり、底なしの穴
に落としたり、氷漬けにしたり、巨大な山の下敷きにしたり、宇宙に放り
出したり、ブラックホールに叩き落したり
小  猫:だが、いつもなぜか復活されて、我らコテンパン。なぜだ、なぜあいつは
死なない
しーもす:「それは、わたしが不死身だからだっ」
小  猫:何の説明にもなっていないではないかッ
しーもす:だいたい「黄金きんぴかの髑髏がわはわは笑う正義の味方」という時点で、
何かの一線を超越してますぞ 。まあ、超越しているといえば、我々もいろ
いろ超越していますが
小  猫:ええい、忌々しい。あんな非常識な存在と我らを同列に語るな
しーもす:いや、してるしてる。かなりのものですよ。だっていつも不思議に思って
いたのですが、我らの組織、資金源いったい何なんです?
小  猫:そんなことはどうでもいい
しーもす:どうでもいいということはないでしょう。組織として
小  猫:お金のことはどうでもいいのだ。なぜなら、我らは悪!
しーもす:……申し訳ございません、私が悪うございました。でももっとおかしなこ
ともあるのですよ。小猫さまは任務に失敗した部下をしょっちゅう処刑し
ますけど、人員の補充はどうやってやるんですか。そもそも人材の募集と
かどういう経路でやってるの?
小  猫:あーなぜなら、我らは悪!
しもーす:何ですか
小  猫:実を言うと、私もよく知らん。金は使っても使っても減らないし、減った
部下もいつの間にか補充されておるのだ
しーもす:な。
小  猫:そんなにおかしなことか?
しーもす:変ですよ。稼がないお金は、使えば減るものです!
小  猫:あれって、アメーバと同じで、ほっといたら勝手に増殖するものではない
の?
しーもす:そんなわけないでしょう!
小  猫:そーかーおかしいのかー。いや実は私も前々からちょっと変だなーとは思
っていたんだが
しーもす:なんだそれ。理不尽の度合いで言えば、我々もゴールデン髑髏とそう変わ
りませんぞ。そっくりそっくり
小  猫:似ているのになぜだ、なぜ勝てない
しーもす:似ている……似ている。なるほど
しーもす:ああ、そうか、わかりました。思いつきました、来週の作戦。
小  猫:なに




2.発売情報と更新情報のお知らせ ──────────────────────

■週刊魚魚
http://www.sakanafish.com/


今年の特集は「厚生労働省外局治安用怪人開発者委員会双葉ナカコ研究分室」です。

そのほかにもはちみつまんが果糖水的生活249やふたご対談などある日々の日の日。


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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。



3. しーもす君と小猫さん―――――――――――――――――――――――――


小  猫:ローンブロゾーッ。してマゾーなしーもすよ。作戦とは何だ
しーもす:我々はこれまであの忌々しいゴールデン髑髏を相手に、正義と悪との死闘
を繰り広げてきたわけですが、ゴールデン髑髏が無敵であることと、我々
が資金源やら人員補充やらを気にしなくていいこととは、まったく同じこ
となのではないでしょうか、ナゾーな小猫さま
小  猫:どういうことだ。私にわかるよう説明しろ
しーもす:ゴールデン髑髏が「正義」で「無敵」なのは、小猫さまが「悪」で尚且つ
組織経営のことを全然気にしない所為だということです!
小  猫:だから、私にわかるように説明しろと言っているだろうが。自慢じゃない
が、私は英語は「ハロー」と「ミートゥー」しかしゃべれない男だぞ
しーもす:物語には、古くから極度に単純化された善―悪という構造のものがありま
すが、この物語構造の中では、悪が正義に勝つことなどありえません。な
ぜなら、この構造の内部では、「悪」の「悪らしさ」と「正義」の「正義」
らしさは比例関係にあるからです。
小  猫:なにっ。よくわからんがそうなのか!
しーもす:この傾向は悪の組織が「世界征服」を標榜することによって、決定的なも
のになってしまいます。「世界征服」というリアリティ0の到達地点のた
め、物語は、リアリティが意味を持たない、抽象的な寓話と化します。極
度に単純な善悪の寓話として構造化された世界では、絶対に悪は正義に敗
北します。理由はないです。「桃から生まれた桃太郎」に誰も文句言わな
いのと同じことです
小  猫:ふぅーん。ふざけた話だな。そのこととゴールデン髑髏と、何の関係が?
しーもす:ところで、小猫さまはなぜ世界征服を企むのです?
小  猫:人はなぜ山に登るのか。そこに山があるからだ。男ってのは、そういうも
のじゃないか
しーもす:そのせいですよ! 我々が負け続けるのは
小  猫:なっ、なっ、なんだ急に大声を出しおってからに
しーもす:小猫様が「世界征服を企むため、世界征服を企む」というような、理由な
き絶対悪の立場をとられるからこそ、ゴールデン髑髏も絶対正義として立
ちふさがるのです。絶対悪は物語構造の中で強大な絶対悪として暗躍する
役を与えられるため、資金源がよくわからないままでも凶悪なメカをばん
ばん製造できますし、戦闘員だって知らないうちに補充されてウハウハで
すが、代わりに絶対に正義には勝利できません。やつが無敵なのは、我々
が世界征服を企んでいるからなのですよ!
小  猫:うぬぬぬ……ええい、貴様、さっきから台詞が長い! 自慢じゃないが私
は月極をずっと「げっきょく」と読んでいた男だぞ
しーもす:申し訳ありません、小猫さま……しかし、このままリアリティというもの
を無視し続けては、最終回で我々の組織は必ず崩壊してしまいます
小  猫:ではどうすればいい?
しーもす:とりあえずその変な四つ目の覆面を脱いでください
小  猫:えーっ
しーもす:えーっ、じゃないです。脱いでください。組織のトップは覆面なんかしな

小  猫:しかし私は謎のナゾーだから。
しーもす:私の話を聞いておられました? 我々は絶対悪ではなく、こう、相対的な
正義とか、「やつらも正義、我らも正義。お互いが正義じゃからな……」
とか、なんかそんな感じの立場に立つ必要があるのです。ガンダムとかや
ってんじゃないですか。小説版ではアムロ死ぬんですよ?
小  猫:そうなのか?
しーもす:そうです。「相対的な正義」というものが出てきた時点で、我々に敵対す
る組織にろくでなしが現れ毎週内ゲバやらかして、我らが手を下すまでも
なく弱体化するのは決定事項ですよ。覆面をぬぐだけでもそこまでの効果
があるのです
小  猫:うぬぬ……
しーもす:あと目的も世界征服から、IT産業における画期的な技術の独占とかにしま
せんか
小  猫:地味だな
しーもす:地味ですがリアルです。暗闇バットではだめなのです。GOGOグレーゾーン。
帳簿もちゃんとつける! 海外にロボット工場をつくるときは、ジャング
ルの奥地にひっそりと、とかではなくちゃんと現地人を雇ってネゴる!
小  猫:つまり何か……お前は私に謎組織の首領ではなく、会社組織のトップにな
れというのか?
しーもす:リアリティ、生々しさのある存在になってくださいってことです
小  猫:いろいろ面倒そうだなあ。お金の心配しなきゃならなくなるのだろう
しーもす:そうしないと、生き残れませんよ
小  猫:はいはい、わかったさ、やればいいのだろうやれば! はい覆面脱ぎまし
た。中身は化け物でも怪物でもなく普通のおじちゃんでした。これでよい
のだろう
しーもす:わかっていただけてうれしいです。ありがとうございます。そういうわけ
で、私、ゴールデンウィークは休暇もらいますね
小  猫:えーっ、休むの
しーもす:私もう悪の組織の幹部ではなく、サラリーマンですから。ああ、もう定時
ですね。ではお疲れ様でした。お先に失礼しまーす
小  猫:おい、おーい、待てー。おぅーーーい
小  猫:ローンブロゾーッ。おのれ、おのれゴールデンウィーク! おぼえておれ

   こうして奇怪なナゾー科学の危機は去った
   強い、絶対に強い! 我らが黄金週間




執筆担当:佐々木バレット


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