予告編  

★ 番組冒頭の予告編です。

白崎義彦アナ 「『くらしの知恵袋』のコーナーは、『空間装飾』についてお伝えします。今回のテーマは“福を呼ぶ”。」

結野亜希アナ 「来月は節分を控えています。升を使った節分飾りなど、古くから“福を呼ぶ”とされている部屋飾りについて華道家の宮内庸洲さんに教えていただきます。」

結野アナ 「『くらしの知恵袋』は40分ころからお伝えします。」

 

 本編 イントロ部分 

★ オープニング・テーマが流れます。

白崎アナ 「続いては『くらしの知恵袋』です。『空間装飾』が今週のテーマです。」

結野アナ 「はい。今回は“福を呼ぶ”家の飾りについてお伝えいたします。来月は節分を控えていますよね。」

白崎アナ 「そうですね。」

結野アナ 「今日は升を使った節分の飾りなど古くから“福を呼ぶ”といわれているお部屋の飾りについて、華道家の宮内庸洲さんに教えていただきます。」

結野アナ 「宮内さん、今週もよろしくお願いします。」

宮内庸洲 「よろしくお願いします。」

宮内庸洲 「去年は地震とか災害がいろいろありましたけれども、今日はいい年に、という願いをこめて“福を呼ぶ飾り”をつくってみました。」

 

 本編 節分飾り 

宮内庸洲 「もうすぐ節分ですので、節分をイメージした飾りをこちらにつくってみました。」

白崎アナ「升を積み重ねてつくっているんですね。」

宮内庸洲「そうなんです。一番下が一升升(いっしょうます)です。で、五合升(ごごうます)一合升(いちごうます)。」

宮内庸洲 「一升升には、白梅(はくばい)ですね。春にまず咲く花なんですけれども、梅。それから菜の花。」

「五合升には、鬼の目を突いて鬼を退散させるというヒイラギと、赤い梅ですね、赤梅(こうばい)を添えております。」

宮内庸洲 「一番上の一合升には福豆、ということなんです。」

白崎アナ 「ほぅほぅ。いろいろな縁起物がありますけれども、三段に重ねているというのには何か意味があるんでしょうか?」

宮内庸洲 「はい。三段ありまして、一番下から、“一生(一升)繁盛(半升)して なお余り(一合)ある”という意味があります(笑)。」

白崎アナ 「はんじょう…?あっ、五合だからですね!なるほどね。」

結野アナ 「はぁ〜、なるほど!」

白崎アナ 「三つ重ねるとなると、準備もなかなか大変かと思うんですが。」

宮内庸洲 「そうですね。それで、狭い玄関などのスペースを利用して、こういった小さいお盆を準備しまして、この上の一合升だけとっていただきまして、そしてヒイラギを一枝だけ添える、っていかがでしょうか?」

結野アナ 「いやぁ〜、紅白の鶴を添えて、豆も置いているだけなんですけれど、グッと玄関がひき立ちそうですよね。」

宮内庸洲 「そうですね。ご覧になったお客様との会話もできるんじゃないかと思います。」

 

結野アナ 「これまで節分というと玄関先にこのヒイラギを付けるということはあっても、飾りをつくるという印象はなかったですね。」

白崎アナ 「そこまではなかなかできませんでしたね。」

宮内庸洲 「そしてこちらの方をごらんになっていただけますかね。」

結野アナ 「はい。」

白崎アナ 「別なものも用意してあります。」

宮内庸洲 「あちらの方はツクシなんですけれども、最近はホームセンターなどで色々なミニ盆栽が売られてます。ご自分でつくられてももちろんいいんですけれども、ツクシのミニ盆栽福豆ですね。そして斑(ふ)入りのヒイラギ、非常に珍しいものですけれども。」

白崎アナ 「緑一色なわけではないんですね。」

宮内庸洲 「そうなんです。鬼さんもビックリするんじゃないかと思いますけれども(笑)、斑入りのヒイラギを添わせて“福づくし”。ということで飾ってみました(笑)。」

結野アナ 「あはははは、福とツクシで、ですね(笑)。」

宮内庸洲 「そしてこちらの方なんですけれども、福寿草なんです。そしてヒメヒイラギです。ヒイラギでも本当に可愛らしい、小さいヒイラギなんですよね。それとお多福の焼印を押している一合升なんです。それを飾ってみまして(“福”の付くものを寄せ集めて)“福よせ”っていいます。いいでしょ(笑)?」

白崎アナ 「なるほどねぇ〜。」

宮内庸洲 「なにか幸せな気持ちになるんじゃないかと思います。」

白崎アナ 「節分までもうすこしありますので、色々アイディアを凝らしていけそうな気がしますよね。」

結野アナ 「また言葉がとてもユニークですよね。」

 

 本編 運盛り 

結野アナ 「それから“節分”というと期間が限定されてしまうと思うんですけれど、いつでも飾ってかまわないものってあるそうですね。」

宮内庸洲 「そうですね。節分というのは一年に一回だけ、2月3日なんですけれども、『一年を通して福を呼びたい』ということであちらの方に飾ってみました。」

白崎アナ 「大きなものがあります。」

宮内庸洲 「これは“運(うん)盛り”といいます。」

白崎アナ 「運盛り?」

宮内庸洲 「“運がつく”という言葉がありますが、言葉遊びの一つで昔から色々とされていることなんですけれども、春・夏・秋・冬“ん(うん)”が付くものを集めております。」

「春は春蘭(しゅんらん)です。すこし花が咲き始めております。」

「そして、夏は夏柑(なつかん)です。」

「秋は銀杏(ぎんなん)。銀杏を添えております。」

「冬は一番大きな冬瓜(とうがん)です。」

「そして”春・夏・秋・冬と連なって福を呼ぶ”ということで蓮根(れんこん)を添えております(笑)。」

白崎アナ 「あっ、連なる運ですね(笑)。」

宮内庸洲 「はい。一年中、福を呼ぶということで贅沢な飾りなんです(笑)。」

白崎アナ 「こうして日本に伝わるものというと、言葉遊びを含むものって多いですからね。なかなかコレ、楽しめそうですね。」

結野アナ 「そうですね。では、この置き方というのは、どういう風にすればお部屋が映えるんでしょうか?」

宮内庸洲 「そうですね。いろどりと形なんです。やっぱりいろんな色添わせるわけなんですけれども、上品ないろどりにまとめるといいと思うんです。」

結野アナ 「はい。」

宮内庸洲 「それと、ポイントになるものを一つ、大きいものを選らんでいただいて、あと小さいもの長いものに対して短いもの、可愛らしいもの添わせていただいたら、と思うんですが。」

結野アナ 「はい。そして今日は色々用意していただきました。」

白崎アナ 「用意していただいたので、試してみましょうか?本当に色々なものがありますね。」

宮内庸洲 「はい。“ん”の付くものです(笑)。」

白崎アナ 「これカボチャでしょ?」

宮内庸洲 「えぇ、カボチャなんですけれど、カボチャの別名は“南瓜(なんきん)”といいます(笑)。」

白崎アナ 「あっ、“ん”が二つも付いていました。」

結野アナ 「はい、そうですね(笑)。」

白崎アナ(実演中) 「では、ちょっと考えてみます…。こういう目立つもの(カボチャ)を中心に置きたくなりますよね…。そして…これ、人参(にんじん)ですか…」

宮内庸洲 「はい、にです。」

白崎アナ(実演中) 「いろどり……では、置いてみましょう…。たぶん大きなもの小さなもの、組み合わせていくといいんですよね…」

宮内庸洲 「はい。」

白崎アナ(実演中) 「レモンとか置いてみましょうか…」

宮内庸洲 「レモンも“ん”が、ピーマンも“ん”がつきます(笑)。」

白崎アナ(実演中) 「“ん”が付きますね…」

宮内庸洲 「金柑(きんかん)も“ん”が付きます。」

白崎アナ(実演中) 「金柑も見えるところに置きたいですよねぇ…インゲン?」

宮内庸洲 「はい。インゲンも“ん”が付きます(笑)。」

白崎アナ 「では、動物の顔をイメージして、立ててみましょうか…。先生どうでしょうか?」

結野アナ 「あぁ〜(笑)。」

宮内庸洲 「あはは。なにか発想が面白いですね。ユニークな発想で(笑)。」

白崎アナ 「えぇ、平面だけでなくって。これ、親子で会話しながら、遊びながら、というのにもいいですね。」

宮内庸洲 「えぇ、そうですね。楽しいですよね。お父さんの飾られるのと、お子さんの飾られるのとまた違ってきて面白さが出るんじゃないかと思います。」

 

宮内庸洲 「やはりお盆の空間も少し出していただくということが大事かと思うんです。」

白崎アナ 「はい?」

宮内庸洲 「ですから少しこう……」

白崎アナ 「ほぉほぉほぉ。少し斜(はす)に構えるんですね。」

宮内庸洲 「はい。少しお盆の部分も出していただいて。」

宮内庸洲 「それで、季節のお花を添えていただくと、また……」

結野アナ 「これも“ん”がポイントですか?」

宮内庸洲 「はい。これは葉牡丹(はぼたん)です。」

白崎アナ 「ほぉほぉほぉほぉ〜。」

宮内庸洲 「葉牡丹をちょっと添えてみます。いまの時期ですと、水仙(すいせん)とか南天(なんてん)とかがございます。そういったもの添えていただきますと風情が出てくるんじゃないかと思います。」

 

 本編 エンディング 

 

白崎アナ 「楽しみながら、コレ、笑いも出ますね(笑)。」

結野アナ 「自由な発想でいいんですよね。」

宮内庸洲 「はい。ご家族で“ん”の付くものを考え出していただいて、子供さんでしたらプリンとかアンパンとか。」

結野アナ 「はい(笑)。」

宮内庸洲 「お父さんでしたら、ビールの缶(かん)とか。」

白崎アナ 「なるほど、なるほど。」

宮内庸洲 「おじいさんたちは羊羹(ようかん)とか、色々とアイディアを出していくと、笑い声がはじけるようになるんじゃないかと思います(笑)。」

白崎アナ 「それがまた福を呼ぶことにもつながりますね。」

結野アナ 「そうですね。」

宮内庸洲 「“笑う門(かど)には福来(きた)る”。そう昔から言われておりますので、是非大きな福を呼んでいただけたら、と思います。いい年になりますように、ね。」

結野アナ 「はい(笑)。宮内さん、どうもありがとうございました。」

白崎アナ 「ありがとうございました。」

宮内庸洲 「ありがとうございました。」

結野アナ 「是非みなさんも楽しみながらお部屋を飾り付けてみてください。」


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