あむ体験記を記す前に、まずは自己紹介をしておきます。私、のもは、かの有名(?)な本家「あむ体験記」に登場する、あの「のも」です。「あむ体験記」の中では、SPを達成した、あの「のも」です。

 「あれ〜?のもはSPを達成して、順調にあむーでの成功の道を突っ走ってるんじゃないの〜?」と疑問をお持ちの方。なぜ、のもが「あむ体験記」を記そうとしているのか? もしや、のもは既に成功してしまってその「成功記」を記そうとしているのか? そして、今、のもはどうなってしまったのか?(笑) その疑問は、これからの「あむ体験記(のも版)」を読めば、全てわかるはずです。

 内容は、本家「あむ体験記」よりもかなりディープなものになっています。これから、あむを本気でトライしようと思っている人は、読まないほうが良いかも知れません。まず、100%やる気を亡くします(笑)

 では、「あむ体験記(のも版)」をお楽しみ下さい。

 → 登場人物紹介


1.1997年6〜8月 − あむとの遭遇
2.1997年9月 − あむの洗礼
3.1997年9月 −あむ星人としての覚醒
4.1997年9月 − ディッシュ登場!!
5.1997年9月 − ふぇりあ洗脳
6.1997年9月 − PV意識とオーナー感覚
7.1997年10月 − 最後の儀式
8.1997年10月 − 快調〜♪快調〜♪
9.1997年11月 − グループ崩壊!?
10.1997年12月 − こうなりゃ、SPコミットだ!!
11.1998年1月 − さらに、SPコミットだ!!うりゃあ!!!
12.1998年2月 − こうなりゃ田舎で
13.1998年3〜5月 − ひとりで、やったるわい!!!
14.1998年6月 − SP達成(パート1)
15.1998年6月 − SP達成(パート2)
16.1998年7月 − 油断〜地獄への入り口
17.1998年9月 − スランプ〜金銭不安
18.1998年10月 − のも復活!?
19.1998年11月 − 恐怖の自己啓発セミナー
20.1998年11月 − 他社くれじっと
21.1998年12月 − 破滅に向かって
22.1999年1月 − オフィス計画失敗
22.1999年2月 − 戸浪DDのエメラルドカウント
23.1999年3月 − 三田SPの部屋
24.1999年4月 − 決断の時
あむ体験記(のも編) − あとがき

あむとの遭遇

 1997年6月、のもはごく普通の会社員だった。その頃の、私の生活は特に特筆するようなことはないので、割愛しておく。(詳しくは、本家「あむ体験記」にて) とにかく、入社して3ヶ月目のごく一般的な新社会人あった。

 ある日のこと、会社の同僚の江口(仮名)から、一本の電話がかかってきた。

江口:「ねぇ、のもー。俺と一緒に副業やらない? うちの会社、給料安いし、一人暮らしだとやっぱお金ないと苦しいじゃん」
のも:「まあ、お金は欲しいからなぁ。いいよ、ところでなんの仕事?」
江口:「あむーって言うんだけど、知らない?
のも:「何それ???」
江口:「電話じゃあ、説明しにくいから、今度会って説明するよ」
のも:「まあ、聞くぐらいならいいけど・・・。普通のバイトじゃないの?」
江口:「うん、かなりすごいよ。」
のも:「へー!、でも変なのだったらやらないよ。」
江口:「大丈夫!ちゃんとした会社がやってるから」
のも:「ふーん」

 今思えば、このときに自分であむーを調べるべきだったのだが、そんなに、重要なこととは思わずに、まったく気にしていなかった。

 ってなわけで、それから約1月半ほどして、(その間、何度かアポが入るが、めんどくさくなって2,3度ドタキャンしていた) やっと、ちゃんと話を聞くということになり、8月1日(だったと思う)運命のあむとの遭遇となるわけである。場所は、新宿。江口は、上代(仮名)さんという女の人を連れてきていた。会う前に、もう1人来ると言うことは聞かされていたので、特に不思議に思うこともなく、喫茶店へ。そこで、あむの説明(マケ)を聞く。「ふんふん、なるほど。なるほど」

・ノーリスク。
・自由・平等・安全。
・100%現金保証。
・友達と一緒に成功できる。

 いちいち納得できる内容に思わず、うなってしまった。これで、製品がホントに良かったら、マジでマサルさんより凄いよ! なんで、これみんな知らないの!? けっこう、衝撃だった。自分では、そんな簡単に騙されるほうではないという自信もあったので、(実際、あむーの内容そのものに関して、嘘はないのだが)これは、もしかしてチャンス?などと思いつつ、次回ミーティングに行くと言う約束をする。

※アポ: − アポイントメント。一般人をあむ星人に引き込むために一番重要な儀式。

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あむの洗礼

 とうとう、初めてのミーティングに参加する。OMと呼ばれる、一般人向けのミーティングだった。しかし、これは後で分かったことだが、来てる人のほとんどは、既にあむー星人。一般人は、5分の1もいない・・・。その時は、「うわぁこんなに人がいるー」「やっぱみんなやってんだー」などと、勘違いを思いっ切りしてしまった!!!

 で、洗剤のデモが始まった。特に分かりやすい説明ではなかったが、なんか、鏡を使ったり、コップを使ったり、遠くてよく見えなかったが、なぜか、異様に盛り上がってる連中が・・・ここら辺はかなりやばいと感じていた・・・。

 そして、真打ち登場!!! 紺ちゃんと呼ばれる、あむー界のでのスター的存在だ! 若干34歳にして、年収1億以上! あむー界での、最高位である「クラウン・アンバサダー」を達成したばかりの彼が今回のミーティングのゲストであった。実際このミーティングに来ようと思ったのは、彼を見てみたいと言う気持ちからだったので、かなり、興味が湧いた。そして、司会の人の紹介の後、彼の登場・・・ビジネスでの成功者とは、ほど遠い、いでたち!

ロンゲ!茶パツ!色黒!

○谷系チーマーのリーダーをそのまま大人にしたような、遊び人風の男が彼だった。
 その後、あむーの講話が始まる・・・。約2時間いう長丁場に関わらず、全く飽きさせなかった。感想は、一言。

「あむーってすげー!!!紺ちゃんすげーよ!!!」(笑)

 彼の、爆発的なトークとオセロで盤面が真っ黒でも、神の力で全てを白に変えてしまう程の(←長い)自信にあふれた語り口。異様なルックスも手伝って彼に尊敬の念さえ抱いた。(この辺の感覚は、本家「あむ体験記」のふぇりあも似たような感覚を受けていたようだ) あむーの内容そのものより、「彼のように生きれたら、めちゃくちゃかっこええやんけー」という、ことだけが深く印象に残った(第1の洗脳) その日は、用事があったので、ミーティングのあと、上代さんと週明けに会う約束をして帰った。

 そして、後日、新宿のあむー御用達のホテル(セン○ュリーハイアット)にて、これからのあむー人生に多大な影響を及ぼすことになる、戸波ルビーDDと会い、サインアップ! とうとう、のもは、あむー星人としての第一歩を踏み出したのだった・・・。

※サインアップ − 「あむ星に踏み込みます」という契約書へサインすること。あむ星人になるかどうかは、今後次第である。

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あむ星人としての覚醒

 サインアップとともに、あむ星人として「成功」の二文字を掴むべく歩みはじめた、のもは早速、友人にあむの話を持ちかけた。特にいつもつるんでいた、額と、よっちゃんには、そっこーで次回のミーティングに一緒に、行くアポを取った。

 そして、第2回目のミーティング、今回は目黒、内容はまたOMだが、今回は紺ちゃんの一番弟子である成ちゃん。彼もビンボーから、あむーで成功という絵に描いたようなサクセスストーリーを地で行く人物である。なんたって、はじまりは「自転車のかごに洗剤を入れて売り歩く」という地味さですからな。一緒に行った、額は大きくうなずきながら、話を聞く始末。見事なまでに、あむの洗礼を受けていた。もちろん即サイン。かくして、のものフロント第一号となったのである!

 よっちゃんはと言うと、どうも嫌な空気を感じたらしく、「俺はやめとくわ」と拒否。その途端、大勢のあむー星人が、よっちゃんを取り囲み・・・・と言うことは無いぴょん(←おちゃらけ) まあ、彼の性格上、大勢でつるむのが嫌いと言うこともあり、のもと額は、「俺らが成功すれば、よっちゃんもわかるよー」などと、過去1000万人のあむ星人が言い放った台詞をはく。

 かくして、のもと額は、かなりのナイス(あむー星人では、洗脳が上手く行っている人のことをこう呼ぶ)として、アップラインからの大きな期待を受けつつ、あむー界へデビューしたのだった。。。

※アップライン − のもにあむを伝えた江口。江口に伝えた上代。上代に伝えた戸浪。戸浪に伝えた・・・と江口以上がすべてアップライン。

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ディッシュ登場!!

 かくして、のもと額は目○でのミーティングの次の日、あむー界の通過儀式である「デモ」(デモンストレーション。商品説明)を見ることになった。場所は、千葉にあるマンションの一室。この部屋は、戸浪DDがあむの神聖な儀式「デモ」のために用意した部屋である。部屋にはあむ製品一色。もちろん3種の神器も備えられている。しかも戸浪DDは、住まいとは別にこの部屋を借りており(家賃7万円は下らないと思われる)新規あむ星人には「あむーのDDになると、こんな別宅まで、借りれちゃうのかー!!すげー!!」と錯覚させる効果も狙ったものである。(現在、戸浪DDは経済的な理由で、この部屋を住居にしている)

 のもと額はこのマンションに赴き、上代さんにデモを見せてもらうことになった。そこで、登場したのがかくも有名なディッシュドロップ! あむ界では「ディッシュに始まりディッシュに終わる」とまで言われている代物である。デモは、鏡に油を垂らして、それを市販の洗剤「○ョイ」と、ディッシュで洗い分けるというもの。そこで、2人が目にした光景は!!! ディッシュを垂らしたほうは、物の見事に油が落ちていた! しかも、ディッシュは飲んでも平気と言う!(これは、後に嘘と判明) のもと額は、

「うおぉぉぉ!!!!
      あむーすげー!!!
           すごすぎ!!!」

(マジなだけに怖い)

 ・・・小学生のガキが落ちているエロ本を発見したとき以上に興奮して叫んでいた。

 その後に続く、様々な製品のデモにも、いちいち興奮し、もう「パブロフの犬」状態。結局、のもは、その場で1万円分ぐらいの製品を発注し、上代さんに注文を頼む(まだ、IDカードが届いていなかった)。一人暮らしの のもにとって、日用品1万円分は安い出費ではなかったが、「デモ」ですっかり麻痺していた。こうして、あむー界の通過儀式「デモ」を無事終えた2人は、ますます、あむ星人としての覚醒を深めていくのであった(第2の洗脳)

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ふぇりあ洗脳

 フロント1号の額の盛り上がりに、気をよくしたのもは、あむー界での成功の道をさらに進もうと次々と知り合いに声をかけていった。しかし、思ったように上手く行かない・・・。反応の良い人は、まずいないし、逆に「友達やめるぞ」と脅される場合もあった・・・。

 なぜ???
 こちらには、全く非はないはずなのに。。。
 あむ星人として、あむのすばらしさを世に広めようとしているだけなのにー。

 アップに質問すると、「それは、相手が既成概念で誤解してるだけだよ。」と優しくフォロー(確かに、その場合もあるが、実際にはあむで酷い目にあったり、嫌な思いを実際にした人も結構いたらしい)。自分でもあむのディープな世界を知らなかっただけに、なぜこれほどまでに、あむが拒絶されるのか、全く分からず、しかし、めげずに活動を続けていった。

 そうこうしているうちに、登場するのが、のものフロント第2号、ふぇりあ。本家「あむ体験記」の作者である。ふぇりあとの関係は、本家「あむ体験記」を参照して頂くとして。ここでは、ふぇりあがあむ星人になるまでを、のもの側から書いてみたい。ふぇりあに話を持ちかけたのは、ある日のメールだった。いつも何気なく交わしていたメールに突然、「すごい話がある!とにかく一度聞いてくれ!」とマジな内容。これには、ふぇりあもかなりビビッたことだろう(笑) その頃ののもはあむ星人パワー全開で、イケイケ(死語)だったために、のもには他人の目に、自分がどう写っているかは全く気にならなかった(かなり危険)

 とにかく、休日にふぇりあを渋谷に呼び出し、江口とともに、あむのすばらしさを熱く語る。フェロモン・・・いや、アドレナリンを出しまくり、「一緒に成功しよう!!」を連発する、のも(ますます危険) いたって冷静に聞いていたふぇりあ。ただし、内容はしっかりと聞いてくれたようだった。一通り説明したところで、OM。おきまりの洗脳コースだ(ここら辺は、本家「あむ体験記」参照) そして、あっさりサイン。フロント第2号、ふぇりあが誕生した。のもは、さらにパワーアップ!(笑)

 のもは順調に、あむーでの成功の階段を登り始めていたかに見えた。早速、ふぇりあも通過儀式である「デモ」を見に、千葉のアジトへ。そこでは、のものスポンサーの江口と3人で、上代さんに「デモ」をやってもらう。同じ会社の3人と言うこともあって、仕事の愚痴で盛り上がる。

「3人で成功して、みんな一緒に会社、辞めようぜ!!!」
「そうだ!俺達はあむーで成功するんじゃあ!!!」

 などと、ボルテージは最高潮!! しかし、その後、すぐに江口は旅に出る(あむの洗脳が解ける) 自分から誘っておいて、友達甲斐の無いヤツである。詳しい理由は告げられなかった・・・(まあ、江口の場合は、ほんとに単にやる気をなくしただけみたいだったが)。のもとふぇりあは、「なさけねーな。気合いが足んねぇよ。」 などと、言いながら、あまり気にしていなかった。

 スポンサー(自分を誘った人物)が旅に出ようと、のもは頑張っていた。

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PV意識とオーナー感覚

 かくして、月末が近づいたある日、それまでは自由気ままにあむーのすばらしさを語っていたのもは、アップの戸浪DDから、ビジネスとしての意識を学ぶことになる。それは、「PV意識とオーナー感覚」であった。戸浪氏によると、あむーは、自由なビジネスなだけに、自分がオーナーという感覚を身につけなければ行けない。それには、毎月の目標(PV)を決めて、それを意識して行動することが大切だ、というもの。

 早い話が、「使える物はどんどん使って、あむー製品の良さを実感すること。自分のお店なんだから、それぐらいは当たり前だよ」と言うこと。これは、新規のあむ星人から、多くのPVを叩き出すには、かなり効果的な方法である。しかし、お金には、もともと余裕など無い、のも。製品を揃えると言っても、限界がある。とても、高額製品には手は出ない。と思っていたところに、あむ星人にはすばらしい道具があることを教えられた。それこそが、あむー恐怖のアイテム、「くれじっと・ぱけっと〜♪」(ドラ○もん風)である。さすがに、ノリノリだった、のもも、一瞬、高額クレジットに戸惑ったが、「どうせ、あむーで成功して、今の月収にプラス30万ぐらい稼げるんだからそれまで頑張って、残りはまとめて払っちゃえばいいじゃない。」という、アップの無責任な甘い言葉に乗せられて、「そうっすよねぇ。どうせ俺は成功するんだしぃ」(バカ)とすっかり勘違い野郎になっていた、のも。

 かくして、「くれじっと・ぱけっと〜♪」の恩恵にあずかり、浄水器を購入したのもは、1ヶ月目にほぼ自力の6%(額のPVを合わせて約10万PV)を達成したのであった。

※PV − 普通のお店でも良くあるシステムで、買った金額に応じて発生するポイントのこと。1PV=約1.65円。
※PVを叩き出す効果的な方法 − 戸浪氏から見たら、のもが新規のあむ星人。また、のもから見たふぇりあも新規のあむ星人ということになる。要するにPVマシーン(ふぇりあ)

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最後の儀式

 「ウィークエンドセミナー」 これがあむ星人として、のもに残された最後の通過儀式であった。のもはふぇりあと2人で参加。これを乗り越えれば、のもはもう立派に一人前のあむ星人として、生きて行けることになるのである。

 「ウィークエンドセミナー」の内容については、本家「あむ体験記」でふぇりあが述べている通り。早い話が、あむ星人が集まって、一晩中、あむのすばらしさを語り、賞賛し、みんなでさらにあむに対する忠誠を誓い合うというもの。合宿所は、山の中、ぼろぼろの宿舎、集団行動、ほとんどどっかの怪しい宗教団体すれすれ(笑) さすがに、この最終試練はかなりきつかった。

 のもは、最初は、「やべーなー、これは・・・ふぇりあ、ごめんな」と心の中で、ふぇりあに謝っていたのだが、セミナーが進むに連れ、徐々にそんな意識も薄れていく・・・。そして、ラリー、レベル別ミーティング、部屋に帰ってからのハロートーク(夜中まで)と、洗脳フルコースが終わり、合宿終了。目覚めたときには、100%あむ星人に生まれ変わっていた!!(第3の洗脳) 恐るべし「ウィークエンドセミナー」・・・(笑)

 ちなみに、このときに初めて、アップのエメラルドDD、藤見さんを紹介される。藤見さんは、大阪出身のおもろい関西人で人柄も良かった。成功者っぽいオーラも出ていた。藤見さん以下の戸浪DDの兄弟グループの人もいろいろ紹介してもらった。このときは、「あむーって、いろんな知り合いができて、楽しいなぁ」と思っていたのだが、このときに会った半分ぐらいの人が今は既に死んで(あむ星人から一般人に戻る)いる(笑)

 とにもかくにも、最終儀式を終えたのもは、あむ星人として、一般人の常識をどんどん捨て始めて行くことになるのだった・・・。

※ラリー − ミーティングの一種。いわゆる成功者が数人、次々と、「あむは素晴らしい」と語る。また、通常のミーティング(OM)より規模が大きく、チケット代も高い。

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快調〜♪快調〜♪

 スタートして二ヶ月目、のものあむーは順調だった。ふぇりあには、弟がフロントとしてつき、さらにその弟に、フロントがついた。額にもフロントが1人ついていた。さらに、のものフロント1人(消費者)。グループは7人になっていた。二ヶ月目にしては、なかなか優秀なあむ星人であった。ミーティングにも、さらにあむ仲間を増やそうと、積極的に友人を拉致 っていた(笑) そして、新たにあむ星人になった彼らを恐怖の「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪」が襲う。次々と、「ナベ」「浄水器」などを買わせていった。。。「成功」という名の下に。。。。

 そして、二ヶ月目の成績は、約43万PVで12%!!!

 なぜ、こんな中途半端なPVだったかと言うと(これは、マケを知らない人には分からないと思うが)アップの上代さんのクオリファイ(150万PV)がかかっていたためで、ちょっと多めに集めてあげたという余裕もある始末。のもは、かなり調子に乗っていた。

 そこに、さらに、2回目の「ウィークエンドセミナー」
 今回は、ふぇりあと、ふぇりあの弟の3人で参加。内容は、前回にも増して、宗教チック!しかも場所がK湖。しかし、完全にあむ星人として目覚めてしまっている、のもにはあむが人類を支配することを信じて疑わない。それどころか、あむに対する信仰をさらに深めていったのであった・・・。そして、他のあむ星人の例に漏れず、ハロートークで 12月にSPやります!!!絶対やります!!!と叫んでいた。

※フロント − 自分がスポンサリング(誘った)人。
※○% − 1ヶ月に集めたPVにより決まる数値。3,9,18,36,60,100,150PVごとに、3,6,9,12,15,18,21%となっている。この数値によりその月のボーナスが決まる。12%ということは、36万PVを1ヶ月で達成したことになるので、
  36万PV X 12% X 1.65(単位を円に変換) = 71,280円
  (ボーナス計算の場合正しくは「PV」ではなく「BV」なのだがほぼ同値であるので説明は割愛)
 71,280円をグループのボーナスが発生してるメンバーに分ける。
※SP − 1ヶ月に150万PV(=約247.5万円)集めるとSPというものになる。SP → GP → DDという進化を遂げるべく、ぱーせんとの奴隷はがんばっている。

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グループ崩壊!?

 しかし、そんなノリノリなのもにも、ちょっとした不安材料があった。それは、最初は、燃え燃えだった額が、どうもアップのやり方が気に入らないらしく、不満を唱えるようになった。。。ミーティングに出てこいと言っても、出てこない。もちろん、額だけは、未だに「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪」は使用していなかった。

 彼は、人一倍、自尊心が強いので、アップのやり方に従うことを断固拒否。いままで、

「あむの話を持ちかける」→「とにかくミーティングに拉致る」→「サインアップ」→「デモ」→「さらにミーティングで洗脳」→「ビジネス意識を植え付ける」→「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪」→「自力%達成」→「来月さらに上の%を目指させる」

という、あむー界の王道を突っ走っていたわけだが、この流れが気に入らないらしい。額の疑問はいろいろあった。

  • なぜビジネスだからといって、普段使わない「ナベ」が必要なのか?
  • 「浄水器」も使っていないと、ほんとうに流通しないのか?(額は自分では、持ってもいないのにフロントに「浄水器」を買わせていた(笑))
  • なぜ、何度も同じような話を聞きに行くのに、毎回ミーティングに行かなきゃいけないのか?
  • プライベートな用事で行けないときに、なぜしつこく「その用事は重要なの?」といちいち聞かれるのか?

     などなど・・・・。額はいわゆる、あむー用語で言うズレてる人になっていたのだ! これはやばい、額の洗脳が解けかかっている!!! のもは、必死で額をミーティングに誘った。「一緒に成功しようぜ!!」「俺の成功には額が必要なんだ!!!」。嘘ではないが、かなり大袈裟な言い方をしたと思う。が、俺の気持ちが通じたのか、額は少しづつミーティングに参加するようになった。これで、一安心(^-^)

     ・・・・と思いきや。今度は、ふぇりあが同じように、アップに対して不満を持ち始めた!! どうも、上代さんと意見が衝突しているらしい。そのやりとりは、本家「あむ体験記」にもあるが、間に挟まれたのもはさながら、中間管理職(笑) こちらを立てれば、あちらが立たず。自分でも確かに、アップは強制とは行かないまでも、なにかと強引にやり方を押しつけているような感じはしていた。しかし、あむー界では、結果を出しているアップの言うことは、絶対。成功したいと思うなら、それに従うしかなかった。まさに今の日本の社会、実力社会の先取りだったのだ。今思えば、このときに自分の気持ちをはっきりさせておくべきだったのだろう。それが一番、悔やまれる。

     アップとダウンの間で、なにが正しいのかわからず、ふらふらした気持ちのまま。その月は終わった。結果は20万PVぐらい。先月の成績よりダウンしてしまったのであった。。。。

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    こうなりゃ、SPコミットだ!!

     スタートして、4ヶ月目。先月からの怪しい雲行きを一掃するためにも、ここは、自分が立ち上がらねば!!俺がやらなきゃ誰がやる!!! 男ならやってやれ!!(c)マサルだ!!!

     のもは妙な責任感にかられ、半ばやけくそでサインしたときの公約?通り「4ヶ月でSP」を達成するべく「SPコミット」をしてしまった!! このときを境に、のももダウンの意見を聞かなくなる。完全にあむー星人としての覚醒を果たしたのだった。のもの中で、あの有名な公式「PV>友情」(ぴーぶい大ナリゆうじょう)の法則が、完全に成立してしまった!!! もはや、のもに一般人の気持ちは理解できない。

     当時はSP達成の条件として、グループ人数30人以上という規定があり、PV集めとともに人集めもしなければいけなかった。その時点でグループ人数は約12〜3人。残りを「義理でもなんでも、いいからサインしてくれ攻撃」で、補っていく。その結果、自分のフロントだけで13人ほどになった。でも、まだ30人まで4〜5人足らない。。。。 残りは、額やふぇりあの身内を巻き込んでいった。さらに、会社の同期にも声をかける。

    「俺、今月SP賭けてんだよ! 頼むからサインだけしてくれ!お金も後で返ってくるから。なっ頼む!!」

     頼まれたほうとしては、良い迷惑である。全く意味が分からない(笑) わけもわからず、そんな怪しいものにサインするわけもなく、なかなか承諾してくれない。かなり、冷ややかな態度をとられる。この頃から、電話をかけると露骨に嫌な態度をとるヤツも出てきた(涙) 結局この月は、あと少しというところで30人集まらず、PVも60万PV足らず。一応、自己最高記録ではあったが、目標はSPだっただけに納得はいかなかった。

     こうして、かなり玉砕ぎみなSPコミットは、様々な問題を残し不発に終わった。。。。 しかし、まだ、のもはあきらめてはいなかったのだ!!(アホ)

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    さらに、SPコミットだ!!うりゃあ!!!

     先月の反省を元に(何を?)今月こそは!の気合いで再びSPコミットした、のも。おりしも、本家「あむ体験記」で話題になった。あの「恐怖の紅茶キャンペーン」の行われた月であった。賢明な「あむ体験記」読者の方なら、もうお分かりであろう。のもは、まんまとそのキャンペーンに乗せられ、紅茶の買い込みに走ったのだ!!!

     ふぇりあや、額からも半ば強制的に紅茶の注文を取り、自らは買えるだけ発注!!! ほとんど有り金全部ダ〜ンクシュート!!! ボーナス月のあとで金があっただけに悔やまれる。いくら使ったかは、自分でも覚えていない・・・今考えるとかなり、恐ろしい。ふぇりあや額の分とも合わせると、ダンボールでエジプトが再現できたであろう(←大袈裟)。

     1人分の発注制限を超えた分は、ふぇりあに分けて発注。そのいきさつは、本家「あむ体験記」にある通り。悲惨としか、言いようがなかった・・・。結局、かなりの量が売れ残り(今も押入に眠っている)最終的にはおまけで配るはめに(ToT)(ただし最近、あむーに問い合わせたところ、まだ紅茶もちゃんと引き取ってくれる(9割掛け)とのことここら辺の会社の体勢だけは、認められるんだけどなぁ・・・。)

     で、問題のSP(150万PV)のほうだが、紅茶の買い込みでなんとかPVを集めたにも関わらず、その他のPVが全くと言っていいほど集まらない。結局また、60万PVほど。これにはさすがの、のももかなりへこんだ。通勤途中に中央線に飛び込む夢を見たとか見なかったとか。ただし、これであきらめないところが、のものタチの悪い(笑)ところだった・・・。

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    こうなりゃ田舎で

     グループが本格的に崩壊しだした。ふぇりあが消え、額も消えた。残るは義理であむ製品を使ってくれてるほんとに仲の良い友人と、田舎でサインしていた島(仮名)だけ。彼は少しやる気だったが、田舎ということもあり(東京からは、電車で約2時間かかる)それまではビジネスとしてフォローはしていなかった。しかし、こうなった以上、残っているグループでなんとかするしかない!!

     そう考えたのもは、お金もないのに田舎と東京を往復する。アップの戸浪DDにも応援を頼み、田舎でミーティングも開催した。かなり強力なバックアップ(地元のあむー星人(他系)の人にもお世話になった) と、相変わらずのラリー&ミーティングのおかげで、テンションだけはなんとか維持できていた。が、やはり田舎では効率が悪い・・・。島のグループも思ったように成長しない・・・。

     そんな中、あむー界で「超」重要な(あむ星人はあむーに関することならなんでも重要というのだが)ラリー「ぐろういんぐ・とぅぎゃざー・らりー」が開催された。このラリーは、あむーを伝えた人と伝えられた人(いわゆるスポンサーとフロント)が、一緒にエグゼクティブ・ダイヤモンドDD以上に成功したと言う、あむー界でも、ごく希な例のペア(何組かいる)をゲストスピーカーにして、さも「あむーは、本当に友達と成功できるビジネスです」と言う(それ自体は、嘘ではないが)印象を深く植え付けるのが、ねらいのラリーである。のもは、島を田舎からわざわざ呼び出し、出席。しかし、「来た甲斐があった」(島談)と言うぐらい、強力なあむーパワーを浴びせられ、2人で、「絶対、一緒に成功しような!!」と、あむー星人1000万人が言い放っては消えていった台詞をまた吐いていた。

     そうして、田舎で1人頑張り始めた島。しかし、そう簡単に上手く行くはずもない。とくに、のもの田舎は、あむ星人は「村八分」状態だった・・・。しかも田舎でアップのあむ星人にも会えず、ミーティングも少ない状況では、すぐ死ぬのは目に見えていた・・・。結局、彼もほどなくして、自己消費者に。のものビジネスレッグは完全に消えた・・・。しかし、それでも、のもにあきらめる気配は全くなかった。おいおい・・・(^^;

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    ひとりで、やったるわい!!!

     のもは1人になった。「一緒に成功しよう!!」のものこの叫びは、虚しく響きわたった・・・。しかし、のもはこれであきらめるどころか、新たなあむ星人を発掘すべく、再び立ち上がったのだ!! のもは、今まで、あむを断ってきた友人、何年振りかに会う知り合い、最近知り合ったばかりの人、そして自分のグループのセカンド以降の人など、罪のない人々に総攻撃をかけだした!! 内心かなりやられていたが、まだ、あむ星人としての誇り(欲望)は捨てていなかったのだ。

     のもは頑張った。ひとりで頑張っていた。「あむーやろうよ!」「一緒に成功しようぜ!!」 のもは来る日も来る日も叫び続けた・・・。しかし、その叫びも虚しく散っていった。そして、離れていく友人達・・・(涙)

     「もうダメか・・・。」 のもが諦めかけたとき、ひとりの男が立ち上がった!! 島とのもの共通の友人で、金田(仮名)と言う男である。金田は、のもと同級だが、一年遅れで社会人となったばかりで、新入社員として会社の仕事に燃えていた。しかし、会社の上司の愚痴、現場の実状を知っていくうちに、今の会社では自分の希望が叶わないことを知る。そこにナイスタイミングで、のもと島があむーを持ちかけたのである。最初は渋っていた彼も、のもの鬼気迫る必死の説得と、アップの井口(女性)さんの甘い誘いにとうとう折れた。

    金田:「俺も、あむーがんばるぜ!!よろしくな、のも!!」

     この金田の洗脳成功により、かつての勢いを取り戻したのも。そんなのもを後押しするように額が復活!! 額は、資格試験のために休憩していたのだが、試験はあむを続けられる方向で無事終了。あらためて、あむーで一緒に成功を目指すことになった。さすがは親友! 待ってたぜ!! のもの気合いが通じたのか、金田と額も頑張ってくれた。それぞれが次なるあむ星人を養成すべく、ミーティングに人を拉致る。マケのアポを入れる。徐々にのもはSPに向かい前進し始めたのである。

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    SP達成!!(パート1)

     1998年6月。のもは3度目のSPコミットを宣言した!! 既に、サインアップから9ヶ月が経とうとしていた。これ以上、SPを遅らせるわけには行かない!! 妙な焦りと、なんとか復活したグループの勢い!!そして、アップの煽り(実はこれが一番つらい) やるなら、今月しかない!!のもは決断した・・・。

     「今月は、ぜぇっったいにSPをやる!!!」「買ってでもやる!!!」
    (かなり危険な状態) 

     過去の反省を元に、とにかく「PV第1優先主義!」を貫く。人の気持ちなんか知ったこっちゃない。とにかく、早くPVを上げなければ・・・。幸い、状況は前2回のSPコミット時と比べるとかなり良い。額も金田も、頑張ってくれている。これは行けるぞ!! のもの脳裏に「希望」の2文字が浮かび上がった。まず、ほとんどボスキャラ(大型製品)を持っていなかった額が、「のものSPのためだ。この際、全部買おう!!」と、自力20万PV以上発注!! さらに、額の親や親戚にも、ボスキャラを出していった。この時のエピソードがなかなかすごい。

     月末も押し迫った時期、どうしても、あとボスキャラ1台分のPVが足りない計算になった。やばい。このままでは、あと少しと言うところで、SPを落としてしまう・・・。最終発注が迫った日曜日、その日は横浜でラリーが開催されることもあり、のもと額は横浜へ。額の親戚は横浜に住んでいるのだが、それを良いことにいきなり電話。おそるおそる、電話をかける額・・・。

    額「あの〜、今、ちょっと横浜に高校時代の友人と遊びに来てるんですけど〜、もし良かったら、おばさんちに、ちょっと遊びに行ってもいいですか〜?」
    おばさん「あら、そうなの。久しぶりだし、ちょっと顔でも見せて行きなさい」

    おばさん、何も知らずにあっさりOK。あとで、「押し売りに来るとは思わなかったわよ〜」(おばさん談)となることも知らずに、家にモースト・デンジャラス・コンビを招待してしまった。

     おばさんの家に行くと、お茶菓子やビールをもてなされ、かなり切り出しにくい状況に・・・。しかし、切り出さないことには、話にならない。SPもお釈迦だ。焦る2人・・・。なんとか、あむーの件は切り出したものの、ボスキャラをいきなり買って下さいと言うのは、かなり勇気がいる。何気なく、カタログを見ている、おばさん・・・。その時、額が台所で浄水器を発見!! ダス○ンのレンタル物だ。すかさず、

    額「おばさんち、浄水器付けてるんですねぇ。僕たち浄水器も扱っているんですよ〜。」

     やったー!!額、えらい!!! この機を逃してはならない!! のもはパンフレットを取り出し、立て板に水なマシンガン(意味不明)のように説明を始めた!! あむとダス○ンの浄水器の違いを徹底的に説明。実際に用意していたあむー浄水器の水と、飲み比べてもらったり、反則技のオリトトリジン(塩素反応薬:使っちゃダメよー)まで、飛び出す始末。そして、のもと額の必死のお願い攻撃!! 息子のいないおばさん夫婦、これだけのことをされれば、「ノー」と言えるはずもない。結局、「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪」の餌食になるのだった・・・。

    おばさん夫婦も気のいい人で、そのあとお寿司までご馳走してくれる始末。ほんと、このときは感謝感激だった。

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    SP達成!!(パート2)

     さて、金田のほうはと言うと、やはりボスキャラ中心に発注をとっていく。3種の神器(浄水器、ナベ、空気清浄機)で持っていない物は、発注。金田のフロントも発注。金田の実家も発注。そして、島も金田の勢い&のもの説得に押され、発注。あむ最終奥義「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪乱舞」!!

     そして、のもは比較的あむーを気に入ってくれていた友人&知人&そして親に、ボスキャラをどんどん出して行く。ほとんど、ゴリ押し。説得トーク(買うまで)。ここでもかなり危険なエピソードをひとつ。

     前にも登場した、よっちゃんにも「あむに入らなくてもいいから何か使ってくれ」と言うことで、よっちゃんの家に押し掛け、よっちゃんの家の台所に、いきなりレンタル浄水器(ガード不可)を設置!!

    のも「とりあえず、これ使ってみてよ」
    よっちゃん「・・・・・・。」(唖然)

     当時、よっちゃんは度重なるあむの誘いに嫌気がさしていたらしく、かなりのアンチになっていた。そこに、無理矢理のレンタル浄水器(ガード不可)&説得トーク。ブチ切れ寸前のよっちゃん。相手がのもでなければ、確実に踵落としが入っていたことだろう・・・。もちろん、浄水器は出なかった。

     そんなこんなで、かなりの無茶をやってのけ、のむはPVを集めていった。ふぇりあに「残り最後の9万PVになったら、なんとかしてやるかなぁ・・・(ニヤリ)」と言われていた(言わしていた)ので、141万PVを最終発注日前日に、なんとかゴリ押しで突っ込む。あとは、ふぇりあの9万PVのみ!! 最後の最後までじらされるも、なんとか登録。いやあ、あの時は焦りましたがな。ふぇりあさん(^^;
    (ふぇりあ注:むろん、限りなくわざとである)

     そして、数多くの犠牲の上に、のもはとうとうSPを達成したのだった・・・(感涙)

     ・・・のも、額、金田、それぞれが自分の身を削った、のもの達成に一体となって感動した。アップや他系のあむ星人達からも多くの祝福を受けた。のもは大きな達成感と感動の中にいた。自分のやってきたことは「正しかったんだ!!」と確信していた。とうとうのもは、あむ星人として後戻りできないところまで、登り詰めてしまったのである。危険レベルはMAXに到達していた・・・。

    特別付録:SP認定証(44kb)

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    油断〜地獄への入り口

     SP達成は、のもに大きな自信(過信)を与えた。「やった!!俺はやったんだ!!もう、あむーでの成功はゆるぎないんだ!!」 のも自身も、そしてアップのあむ星人達ものもの成功を確信していた・・・。「このまま一気にDDまで、突っ走るぜー!!!」 のもの鼻息は荒かった。SP2ヶ月目のクオリファイ(150万PVをクリアすること)は楽勝かと思われた。しかし、それは大きな間違いだった・・・。冷静に考えてみれば、当然のことなのだが、あれだけ「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪」を連発して、やっとのことで達成した150万PVである。額も金田ももう買えるものはない。と言うより、買える状態ではない。売れそうなところは先月売り切ってしまった・・・。

     そう、新しいあむ星人を発掘するしか手はないのである。のもはSPになった勢いで、ガンガン、スポンサリングしていくのだが、あまりにもテンションが高いために逆効果・・・。周りからは、ますます冷ややかな視線を浴びせられていく。結局、SP2ヶ月目は、クオリファイどころの話ではなかった・・・結果は36万PV・・・。一気に3ランクダウンである。額も金田も一気にテンションダウンしてしまった・・・。「やばい!!これはかなりまずいぞ!!」のもは焦った。このままでは、また数ヶ月前の状態に戻ってしまう・・・。しかも、SPになったのに、だ!! それだけは避けなければ!!

     SPともなると、もう一般のあむ星人とは扱いが違う、もちろん「ぱーせんと」よりは、かなり優遇されるのだが、アップのあむ星人達も昔のように、優しくはない。いやゆる「詰め」はきつくなる。「なんとかしないと、なんとか・・・」 SPを達成して、成功を確信したのも束の間、今度はSPと言う称号に悩まされることになるのである。これが、あむ星人のもの地獄への入り口だった・・・。

     SP達成は、のもに大きな自信(過信)を与えた。

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    スランプ〜金銭不安

     SPを達成して3ヶ月目、のもはかなり焦っていた。と言うのも、グループが伸びない・・・。

     額も金田も、勢いを失っていた。アポが入らない、入ってもドタキャン、ミーティングにはいつものメンバー、ひどいときには1人、ということもあった。SPだと言うのに・・。完全なグループの停滞状態である。当然、PVは集まらない。しかし、もはやSPとなってしまったのもには、無様な結果は許されない。なんとか手を考えようとする。しかし、良い手などそう簡単に浮かぶわけではない。いや、「良い手」などあるはずが無い。苦悩の日々が流れていく・・・。そして、さらにそんなのもに追い打ちをかけたのが、あむ星人の恒例行事「達成パーティー」である。

     SPであるのもは、もちろん有無を言わさず参加。この「達成パーティー」というのは普段、たいしてお世話になってもいない、遠いアップラインや、他系列のあむ星人のハイピン(=ハイピンレベル:主にダイヤ以上を指す)の人々の新たなピンレベルの達成をお祝いするという、あむ星人らしい「おめでたい」パーティーである。しかもそこは、派手好き&一流を気取るあむ星人。居酒屋で飲み放題、食い放題コースなんていう、ローピンのグループも行うような」安っちいパーティーではなく、一流ホテルの会場を貸し切ってのチケット制のパーティーである。そのチケット代が約1万5千円! それが、8,9月の(年度末:あむは8月決算)シーズンに連チャンで行われる。しかも、会場の都合によっては東京から大阪まで出向かなければならない・・・。これは、収入の少ないあむ星人にはまさに地獄である。確かに、パーティーに出れば、一流っぽい空気に触れることができ、あむのテンションもかなり高まる。のだが、その度に、自分の生活が脅かされていくと言う、究極の本末転倒的行事なのである。

     既に、SP達成のボーナスは使い切ってしまった、のもにとってこれはかなり痛手だった。しかもあむのPVが上がらないと言うことは、来月の収入もない・・・。半強制的な行事で金が自由に使えない上に、ビジネスも上手く行かない。金はドンドン減っていく・・・。そのことをちょっとでも、アップに漏らそうものなら、「それは、おまえがせっかく参加しているのに、成功者のオーラを吸収をしていないからだ! もっと成功者に近づくことを考えろ!」とおしかりを受ける始末。そう言われると、のもも「そうだよなぁ、俺の努力が足りないんだ! そうだガンガン吸収だ! マホキテだ!! ドレインだ!!!(意味不明)」と更にあむ行事に金を突っ込む! 既に、あむに関しては、金銭感覚がおかしくなって来てしまっていた。「あれだけの成功が将来、待っているんだから、今のこれぐらいのマイナスなんか、屁みたいなもんさ!」と思うことが、唯一、心を安らげる呪文であった・・・。

     そうこうして、SP達成3ヶ月目の月末、なんと18万PVがやっとのところまで、落ちてしまった。もう、あとがない・・・。このままでは、また元の木阿弥である。SPになったのもの不安はさらに大きく膨らんでいった・・・。

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    のも復活!?

     SPになってから全くと言っていいほど、パッとしないのも。かつての大事マンブラザーズバンド並みの悲しい一発屋になっていた。しかし、地味ながらもシコシコ布教活動を続けていたのもに、ひとつの希望の光が見えてきた。それは、のもがあむ星人になった当初から、あむを伝え続けていた沢井(のもの大学の友人)が、とうとうのもの詐欺すれすれの言葉巧みな説得に屈し、ミーティングに参加してきたのである。

     沢井は大学在学中にまんまと「ねずみ講」に騙され、十数万円をだましとられた苦い経験から、のもがあむの話を持ちかけたときも、異常なまでに警戒をしていた人間である。だが、のもがSPを達成し、「俺、あむで月に30万とってるぞー!!」(訳:ホントはSPになった時、1発だけだぴょん) 「おまえも、俺と一緒にやれば、絶対、成功するって!!」(訳:オレのPVマシーンになってくれ!!)などの、あむ星人お得意の「オーバートーク」に心が動いたらしく、「じゃあ、一回だけミーティングに出てみるよ」と、まんざらでもない様子。

     そして、ミーティング。もちろん紺ちゃんである。最初はミーティングの雰囲気に抵抗があったようだが、話を聞き終わると、どこか共感を得たようだった。さすがは紺ちゃん! アフターで戸浪DDに紹介し、そこでも戸浪DDの熱いトーク攻撃。沢井はすっかりその気になっているようだった。サインだけは、のものSPコミット時に無理矢理させていたので、すぐにでもあむ活動が行える状態だった沢井は、早速、例の千葉のアジトへ。そこで「デモ」の儀式を無事終えた沢井は、とうとう、あむの洗礼を受けてしまったのである。久々にやる気のフロントが出たのもはもちろんテンション復活!! さながら、新しい女ができたかのよう。「やっぱ、おまえ(沢井)に言い続けて良かったよ。おまえなら俺と一緒に成功を目指してくれるって思ってたよ。」などと上機嫌(←バカ)

     そこで、のもはやめときゃいいのに、沢井のあむ活動について、戸浪DDに助言をこう。戸浪DDいわく、
    「沢井は、頭もいいし(彼は公認会計士の試験を在学中にパスしていた)、かなりのナイスだから、最初から9%(18万PV)スタートで行けるだろ。」

     のももその意見を鵜呑みにし、「そうっすよねー。沢井なら大丈夫っすよねー。」と沢井9%スタート計画に同意。なによりも、のもはPVに飢えていた。そうなった以上、沢井が「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪」から逃れられるはずがない。しかも、今回は自力9%なので、「くれじっと・ぱけっとぉ〜♪(x2)」である。さすがにこれには抵抗を試みる沢井であったが、戸浪DDの熱い説得(約2時間の携帯電話電磁波攻撃)にとうとう、一ヶ月目9%デビューの栄誉と引き替えに、「ナベ&空気清浄機」のダブルクレジットを組んでしまったのであった・・・。のもは、「ちょっと、やばいかな?」と思いつつも、「やっちまったもんは仕方ねぇ!どうせいずれ買うんだしぃ!」とあむ星人得意の開き直り。「沢井も男だったら、根性みせて来月は12%ぐらい来るだろ」と超楽観視していた。

     ・・・が、やはりと言うか当然のごとく、沢井は「やっぱ、おれ仕事が忙しいから・・・」とあっさり死亡。死因は明らかに、一気の買い込みからくる、あむへの不信感であった。しかも空気清浄機は返品までする始末。必死の説得で沢井の復活を試みるのもであったが、もはや時すでに遅し。沢井のあむ(アップ)に対する不信感は、拭いきれないものになっていた。そりゃあ、30万以上の商品をいきなり買わせられれば、誰だってそうなるわな・・・。

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    恐怖の自己啓発セミナー

     沢井が死んだ後、のものグループにやる気のヤツは一向に出る気配はなかった。サインアップする人すらも月に1人出るか出ないかと言う状態、サインしても消費者あむ星人。PVは、ほとんど集まらない。毎月、一応クオリファイ(150万PV)を目指してスタートするも、もはや、阪神が優勝する以上に可能性は薄かった・・・(当時)。

     しかも、そんな状況で、のものSP達成の貢献者の1人、金田がいかにもあやしげな「自己啓発セミナー」に走ってしまったのだ! 彼曰く、「あむで成功するためには、自分の成長がなによりも大事なんだ。だから俺は、あむ活動に専念するより、まずはセミナーで自分を磨くことにする」

     金田・・・1999年7の月が迫ってるとはいえ、そこまでズレなくてもいいだろう・・・。金田は、30〜40万もする参加費を払って、そのセミナーにガンガン参加していた。あむが間接的な原因だっただけに、のもも罪悪感を感じていた・・。しかも金田は、セミナーから帰ってくるたびに少しづつ洗脳されているようだった。金田は、日常生活でもなにか修行のようなものをやりだしていた・・・。頭に何かついてたとか、イヤホンを常にしてたとか・・・事実は定かではない(←無いって)。そして、当然のごとく、のもにもセミナーの「勧誘」が始まった・・・。金田は「のももあむで成功を目指してるんだったら、絶対、参加すべきだ! のもが伸びてないのは、ほんとうの自分をわかってないからなんだ! セミナーでそれを見つければ、必ず、あむでも成功できるぞ!」しかし、いくらエジプトを再現したのもでも、そんなわけわからん危ないもんに大金を払うほど、バカではない。

     しかし、金田の「勧誘」は一向に衰えを見せない。そのセミナーの仲間とやらに会ってくれと言い出した。俺には、一応あむを伝えて欲しかったらしい。金田にとっては一石二鳥の作戦だ。で、金田は、さっそくアポをとりつけてきた。会ってみると、いかにも解脱した風のヤツが出てきて、若くて特に何もしていない(サラリーマン)のに、偉そうなことを言う。「おまえは京都の坊さんか!!」と言いたかったが、どうでも良いのでほっておいた。こちらからも「あむなどいかが?」(←弱い)と誘ってみたが、向こうも「あむで成功したいなら、セミナーが必要だよ」と何も根拠のない説得を繰り返すのみ。結局、無駄な時間を過ごしただけだった。しかし、金田は納得がいかないのか、「じゃあ、俺があむで結果を出したら、のももセミナーに参加しろよ」と言ってきた。「まあ、そこまで言うなら、SPにでもなったら行くよ。」とのもは言ってあげた。言ってから、ほんとにそうなったらどうしよう・・・。と一瞬、悩んだが、相変わらず金田はセミナーの修行(もしや浮遊したいのか?)が忙しいらしく、ほとんど、あむ活動に時間を割いていなかったので、SPになる気配すらなかった。

     恐怖の「勧誘」からは逃れたものの、あむは相変わらず全く伸びない。しかも、グループのNO.2の金田がセミナーに走ってしまったため、グループも崩壊状態。そして「SP」という重いプレッシャー・・・。PVは、新しいあむ星人が誕生しないので、全く上がらない。SPのメンツを保つためには、もう「自分で買う」しかなかった・・・。もちろん収入などは、ほとんどない。

     のもは、とうとう地獄への入り口の扉を開けようとしていた・・・。

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    他社くれじっと

     のもSP。しかし、その実「SP」とは名ばかりでグループはボロボロ、小売りでのPVも雀の涙・・・。

     そんなのもにもアップからの詰めは容赦なく襲いかかる。「SPとしてのプライドはあるのか!!」「おまえはもう、SPとは呼べない!!」「ほんとうに成功したいのか!!」 ・・・ほとんどかつての戸塚ヨットスクール状態である。アップからはなじられ、ダウンからは無視される・・・。それでも、のもはなんとかして、結果を出すしかなかった・・・。それしか、のもがあむ星人として生き残る手段はなかった。そう、禁じ手を使ってでも・・・。そして、のもはとうとうその禁じ手に、手を出してしまったのだ!!! それこそが、のもを地獄の底に突き落とした「他社くれじっと」である。

     ここで簡単に、この恐ろしいシステムを説明しよう。
     これは、正規の「あむくれじっと」と違い、いわば、あむ非公認のくれじっとである。本来「あむくれじっと」では、大型製品は1人につき1台までしか組めない。クレジットを利用しての過剰な在庫をさせないようにしているのだ。だが、この「他社くれじっと」を使えば、いくらでも大型製品のクレジットが組めるのだ!! その仕組みはと言うと、いわゆる大手ショッピングクレジット会社(GE○ァイナンス、GC○ード)などと提携を結んだ個人事業者(有限会社なんちゃらとか)が、あむ星人のクレジット利用をその大手クレジット会社に、仲介してくれると言うものである。本来「あむくれじっと」ならば、あむ星人があむに対してクレジットを申請し、あむがチェックをいれ、クレジット会社に審査を任せるのだが、この場合、あむは全く関与していない(←ここがポイント) 何か問題が起こっても、あくまで「個人が勝手にやったこと」となるわけである。確かに、あむでもこの「他社くれじっと」の利用はしないように、と呼びかけてはいるが、知ってか知らぬか特にDTに対しての罰則などはない。

     そして、この「他社くれじっと」の最大の強みは「審査が甘い」と言うことなのだ!!!  これは、どういうことか? つまり、既に「あむくれじっと」で大型製品をいくつかローンを組んでいて、しかも収入もあまり高くない若者でも、さらに、クレジットが組めるのである!!! そしてさらに、恐ろしいことに、「あむくれじっと」では大型1台づつしか組めなかったクレジットが、「浄水器3台と空気清浄機3台さらに、ナベセット3台いったれ〜!」とかいう化け物のような超大型クレジットまで組めるのである。限度額はおそらく、一回のクレジットで100万弱と言ったところだろう。  もちろん、DDクラスはみんなこの禁じ手は知っている(と言うか、自分たちも利用している)。しかも、どこの審査が通りやすいかとか言う情報まで飛び交っている。とにかく「組ませりゃ勝ち!」 「あとは、てめぇのケツは、てめぇでふけや」の世界である。

     クレジットと言えば、聞こえは良いが、早い話が「金貸し」である。「む○んくん」や「おじ○うさん」となんら、変わりはない。しかも金利は中間業者が入っている分高い。銀行ローンの数倍の利子である。決して、資金調達の方法としては有益ではないことは、一目瞭然である。しかし、ほとんどの若いあむ星人は地位も信用もない。条件の良いクレジットを組めるはずはないのである。だから、仕方なく利用する。おそらく、一番甘い汁を吸っているは、その中間業者だろう、あむ星人はあっさり食い物にされてるのである。はっきり言ってこっちのほうが、ノーリスクビジネス!! まあ、ある程度の資本がないとできないので、一般人には無理なんだけど・・・。

     とにかく、その恐怖の「他社くれじっと」に、のもはとうとう手を出してしまったのである。とりあえずは当面の軍資金(発注およびミーティング用)と言うことで、20〜30万のクレジットを組んだ。確か、ナベセットと空気清浄機あたりの組み合わせだったと思う。これにより、なんとかあむ星人としての活動と、SPとしてギリギリ許される程度のPV(もちろん在庫)は確保することができた。しかし・・・・・・

     のもは、また大きなものを失おうとしていたのだった・・・。

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    破滅に向かって

     禁断の秘技「他社クレジット」に手を出したのもは、今まで以上に無謀なあむ活動に走った。もう収支もクソもない。意地とプライドと成功(紺ちゃん)への憧れだけで、半ばやけになっていた。頭の中を「も しかして自分は破滅に向かっているんじゃないか?」と言う不安が襲う。それを必死にミーティングやラリ ーで、「自分は成功するんだ!」「誰でもこういう壁を乗り越えているんだ!」と言う自己暗示で、打ち消 していく・・・。既に自分があむ星人として、末期状態に入っているとは気づかずに。

    「俺は成功に近づいているんだ!」
    「大丈夫!全てはうまく行っている!」(←かわいそう)

    と思いこむことで、精神的バランスをかろうじて保っていた。あむ星人には、どんなにつらい状況でも「自分は試されているんだ!これは、チャン スだと思え!」と言うとっても都合の良い教えを受けているだけに、ますます深みにはまっていくのであっ た・・・。

     そんな状態が2〜3ヶ月続いたある時、「藤見グループで東京にオフィスを持とう」と言う提案が持ち上 がった。もともと関西出身の藤見氏は、東京にグループがあるにも関わらず、東京ではオフィスを持ってい なかった。オフィスというのは、普通の2DKぐらいの小綺麗なマンションを、あむ星人達が一般人を洗脳 する際に、少しでも彼らの警戒心をゆるめる目的で、いかにもアットホームな雰囲気の部屋に仕立てたものである。もちろんそこには、あむ製品がずらり。ビデオやホワイトボードを備え、一見なんの変哲もないよ うな住居に見えて実は強力な洗脳が行えるようセッティングしてある。のものグループでは以前、戸浪氏が 千葉のとある場所に所有していたのだが、戸浪氏の経済的な理由により、そこは戸浪氏の住居と化していたし、そこはオフィスと呼ぶには、少し狭かった(ワンルーム)ので、新しく東京に広くて立地のよいオフィ スを持とうと言うことになったのである。

     もちろん、出すとなれば、ドラ○もんがくれじっとぱけっ・・・もとい、ポケットから出してくれるものではない。先立つものが必要であ る。のもは、経済的な問題でかなり悩んだが、「オフィスがあれば、今までミーティングには、嫌がって来 なかった人達も来やすくなるよー。どんどんグループが伸びるよー。」と言うまたまたアップの無責任な発言(超甘い読み)と、予定していたマンションの場所が職場から近かったと言うことが決め手となり、結局はその提案に賛成してしまった。で、敷金やら礼金やら、新しく揃えるあむ製品やらで、結局1人一律、 12〜3万円徴収されることになった。DDもGPもSPもみんな一律である。これには、ちょっとおかし いんじゃないか!?と思ったのもだが、アップもほとんど収入をとっていないことは知っていたので、仕方なくその条件を呑んだ。しかも、普通なら代表の人が予算案をまとめて、「これこれには、いくらかかり ます」とか、「これは必要だと思いますがどうでしょうか?」みたいに承認を得てから、みんなで出費額を決めるのに、ほぼ一方的に、しかもかな〜り適当に(一切書類なし)、「じゃあ1人あたま12〜3万だな 」って感じで決まっていた。今にして思えば、かなりずさん。「こんなのビジネスじゃねぇ。子供が贅沢な 遊び場を持つのとたいして変わらない。」と思えるのだが、その時はすっかり金銭感覚が麻痺していた。

     なんとか生活費を削ってその金を捻出したのもであったが、もう瀕死の状態であった。このオフィス計画が上手く行かなければ(ここであむ星人を大量に生産し、収入を上げなければ)もう他社クレジットどころではすまなくなる状態だった。しかし、この最後の望み「オフィスであむ星人大量増殖計画」も案の定、失敗に終わるのである・・・。

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    オフィス計画失敗

     さて、最後の切り札として、軍資金を投資したオフィスであむ星人量産計画であったが、アップは相変わらず能のない発想で、やれ「なべパーティー」だ「メイクパーティー」だと企画して、「今度、〜〜パーティーやるからみんな誘って〜。」と言ってくるのだが、いくら、「パーティー」と言うオブラートで包んでも、「あむ」と言う単語を発した瞬間に、相手の反応は、すこぶる悪くなる。しかもその時点で のもは自他共に認める立派なあむ星人だったため、既に「のもの誘いはあむだから・・・。」と言う無言のバリケードが形成されてしまっていた。それでも、何人かの仲の良い友人は、のもを慕って、せっかくだからと言うことでやって来てくれるのだが、来てはみたものの、あむ製品のセールストーク&あむビジネストークのオンパレード。悪いとは思いつつもこの作戦に賭けている のもには、そうするしかなかった・・・。

     もちろんそんな仕打ちを受けては、2度とオフィスに顔を出してくれなくなるのは明白だった。他の藤見グループの人達も、オフィスを出したものの案の定上手く行ってない。そのうちほとんど利用されなくなってしまった。あんな大金払わせられて、この始末。他のあむ星人もかなり苦しんでいたことだろう。

     今回の件で流石に「この人達について行くのはまずいんじゃないのか?」と思い始めた(しかし、遅すぎる反応だ)。だがしかし、「あむをやめよう」とまでは思わず、またがんばろうと思った矢先、またもや事件が発生するのである・・・。

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    戸浪DDのエメラルドカウント

     無謀なオフィス作戦のツケは早々に回ってきた。もうほとんどあむ活動費&生活費は残っていない。会社の給料も、時間をほとんどあむ活動に注いでいるため、残業代がないので雀の涙・・・。この状況に置いてとうとう のもを死に至らしめる決定的な事件が起こったのである。

     それは、アップDD戸浪氏のエメラルドカウントin作戦であった。戸浪氏は、今会計年度エメラルドDD(3系列が150万PVを6ヶ月クリア)を狙っていたため、その1系列にあたる上代さんのグループにも「なんでもいいからPV集めて来い命令」が下ったのである。そしてその矛先は当然 のもにも向けられた。

     この会計年度、上代グループは、未だ150万PVを一度もクリアしておらず、このままでは、規定の6回のカウントに間に合わない(年度末の8月から逆算して、遅くとも3月には1回目の150万PVを達成しなくてはならない)。今月は2月だったが、戸浪氏の焦りもあったのであろう。とにかく、出せるところには、徹底的に、容赦なくPVを要求するのであった。ここまで来ると、まさに年貢を納める貧農状態である。

     そして、のものグループでは、比較的裕福な額の実家が狙われた。額の母親は、あむ製品をとっても気にいて使ってくれているヘビーユーザーであり、のもの度重なる「お願い」に何度となく応えてくれていた数少ないのもグループの戦力であった。その額の母親が「そろそろうちにも浄水器をと思ってるんですよー。それに、余裕が出来たら、息子2人(額の弟2人)にもそろえてあげようかと。」 この情報をうっかり戸浪氏に漏らしてしまったのも。これは、チャンス!とばかりに鼻息を荒くする戸浪氏の指令が飛んだ!

    「それなら、3台いっぺんに発注したほうが、ボーナスも増えるからそうしてもらえ。」

     これにはさすがの「のも」も「それは、ちょっと無理なんじゃないですかねー。」と逃げ腰になってみたが、そんな意見に、「エメラルドカウント」がかかっているチップがフル回転中である戸浪氏が、耳を貸すはずがない。のもは渋々、額の母親に3台まとめて発注してもらえないか頼んでみたが、やはり、それは無理との返答。それを戸浪氏に報告すると、

    「なら、一台は自分で発注してもらって、残りは のもが立て替えておけばいいじゃん。そしてあとでお金ができたら買ってもらえばいいじゃん。」

    「うおー!どこまで自分本位な人なんだー!!」

     と思いつつもその時は、「アップの教えは絶対」と言う教義に逆らえず、再び禁断の秘技「他社クレジット」の餌食になるのであった。その後、額の母親にはなんとか、浄水器を2台買ってもらいお金は回収できたのだが・・・。このときは、のもも「戸浪さんもあんなに頑張っているんだから俺も頑張らなくちゃ。」と言う気持ちがあったので、まだ、戸浪氏について行くつもりであった。戸浪氏の2系列目、三田SPの部屋を見るまでは・・・。

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    三田SPの部屋

     それは、99年3月の終わりに近づいたある週末であった。のもは、千葉県のとある場所のある友人宅にあむアポのために出向いていた。その日は土曜日だったと言うこともあり、夜遅くまでATSを売りつけようと、のもの必死の説得が続いていた。結局、健闘虚しくATSは出なかったのだが、終電もなくなったのもは、すぐ近くに住んでいる、三田SPの家に泊めてもらうことになった。三田SPは戸浪DDの2本目(※)で、あむ歴はかなり長い。戸浪DDがSPの頃からのあむ星人である。しかし、長い間ミーティングには通って来ているものの本気になれなかったらしく、SPを達成したのは、のもよりも数ヶ月あとのことであった。三田SPとは、兄弟ラインと言うことで、前々からいろいろとお世話になっており、親しくしていた。

     三田SPに車で迎えに来てもらい、三田SPのアパートへ。つくりはかなり古いが2DKで、広さはそこそこあった。玄関を入るといきなりATSが2台もならんでいた。ちょっとビビッたが、1台はレンタル用とのこと、この頃は大型製品を自己使用とは、別にもう1台持つことはあまりめずらしくなかった(今、考えると十分やばいが)ので、特に気にせず中へ。しかし、次の瞬間そこで、のもが目にした光景は!!!(水曜スペシャル探検隊風) ・・・ かわいい猫が一匹こちらを見つめていた(←フェイント) 三田SPが近所で拾ってきた猫らしく、とってもかわいかった。三田SPは、あむでエグゼクティブダイヤになりかったらしく、その猫に「エグ」と言う名前を付けていた。三田SPがその猫に向かって「エグ!」と呼びかけるのは、古アパートには、かなり哀愁漂う光景だった・・・。

     まあ、それはさておき。のもが部屋に入ってから、一つ気になったことがあった。それは2DKの部屋のもう一つ部屋が、ふすまを閉め切っており、三田SPがその中で着替えをしていたのだが、その時もそそくさとその部屋に入り、さっさとふすまを閉めてしまうのである。「これは何かあるな・・・」 のもは何か異様なオーラをその部屋から感じたが、正面切って「見せてくれ」と言うのは、気が引けたので、チャンスを待つことにした。

    「とても気になる・・・気になる・・・」

     そして、チャンスはあっけなく訪れた。次の日の朝、三田SPが「シャワーを浴びてくる」と不用心にシャワーに向かったのである。もちろんのもは、今がチャンスとばかりに、その「開かずの間」のふすまをそっーと開けてみたのであった・・・そして、次の瞬間そこで、のもが目にした光景は!!!(水曜スペシャル探検隊風Ver.2)

    「なっなんじゃこりゃあ!!!!」

     思わず、叫び声を上げてしまいそうになった。アルプス山脈は悠に越えるあむ段ボールの山々。在庫品の数々。それらが無造作に置かれていた。のもは一瞬ひるんだが勇気を振り絞って中に入り、それらをチェックした。大型製品だけでも、空気清浄機が1台、浄水器が3台! 鍋セットが2台!!それに、化粧品やら、ニュートリションやらの在庫品。まさに「あむ倉庫」である。

     「・・・乳母捨て山か!?」 のもは、背筋が凍った。かなり恐ろしくなった。ざっと見積もっても100万は下らないであろう物言わぬ在庫品の数である。そう言えば、三田SPは、SPを達成した月の、最後の3日間で70万PVぐらいを上げたと言っていたのを思い出した。その時は「すげー、やっぱやればできるんだなぁ。まあ、ちょっとは在庫もしたんだろうな」と想像していたが、まさか、これほどまでだったとは・・・。

     その後、シャワーから出てきた三田SPには、何も言えず、適当に「今月もがんばりましょう。」などと話をして駅まで送ってもらった。しかし、既に、のもの心は決まっていた・・・。

     

    ※○本目
      自分のグループのあむ星人が独立(SP以上)した場合に そのあむ星人を指す言葉。数字はその順番。あむ星人は、人を人とも思っていないので、 このように、にんじん(金のなる木か?)を数えるように呼んでいる。 (ホントはダウンのラインをレッグ(=枝)と言うところから本なのでしょう。not 足。

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    決断の時

     三田SPと別れて電車に乗り、家に帰る途中、のもはいろいろなことを考えていた。「自分はなぜ、あむをはじめたのか?」「自分は何がしたかったのか?」「いったい何がいけなかったのか?」・・・。アップや、ダウンや、友人や両親のことなど、様々なことを考えていた。しかし、もう迷いはなかった。答えははっきりしていた。

    「もう、あむを辞めよう・・・。」

     のもは、とうとう最後の決断を下したのである。

     三田SPの部屋を見る前から、既に何度も考えていたことだった。三田SPの部屋を見たから心が決まったと言うわけではないような気がした。きっと自分でも何かきっかけを探していたのだろう。たまたまそれが、三田SPのあのバ○ダイのたまごっちのような在庫であったにすぎない。黙って旅に出ることも考えたが、形だけでもお世話になったアップと、自分についてきてくれた、額やふぇりあや金田には、一言言っておこうと思った。ふぇりあに「旅に出ることにした」と話すと、ふぇりあは、まだのもが本当に辞めるかどうか疑っているようだった・・・。のもに対してバリケードを形成した人間は、そりゃ簡単には信じられないだろう。

     額や金田も、あむを辞めたいとまでは思っていないまでも、アップの強引なPV狩りに嫌気がさしていたらしく、のもの意見に賛成してくれた。そして、戸浪DDや上代さん、井口さんらにも、今までのお礼と、自分の気持ちを伝えるために、会いに行った。場所は、くしくも、のもがサインアップした「セン○ュリーハイ○ット」であった・・・。のもは、あむを辞めようと思っている旨を、戸浪DDに伝えた。

    のも「今の状態じゃあ、もう続けられません・・・。」

    戸浪「わかった。要するに金が無くなったんだろ?

    ガビーン!!!ガビーン!!ガビーン!ガビーン・・・

     かめはめ波と、北斗百烈拳と、ペガサス流星拳を同時に喰らったぐらいの衝撃が、のもを襲った(仕上げはスカーレッド・ニードル)。あれだけ「一緒に成功しようぜ!!」と熱っぽく語っていた戸浪氏であったのに・・・。

    「結局、俺はおまえらに利用されてただけなのかっっ!!!!!」

     終わった・・・全てが終わった・・・。「要するに金が無くなったんだろ?」 − この一言で、のもも中で何かが切れた。金が出せなくなったのもは、あむ星人としてお払い箱になったのである。

     その言葉を聞くまでは、辞めると決めた今でも、将来、もしアップ達が成功して、今まで自分がやってきたことが正しいと証明される時が来たならば、その時はもう一度、復活してがんばろうと言う気持ちもないわけではなかった。しかし、この一言で、のもの中にあった、あむへの未練は全て消え失せた。アップ達に何か言ってやりたい気もしたが、何も言わなかった。言ったところで負け犬の遠吠えぐらいにしか思われないだろうことは分かっていたし、何か急にアップ達もかわいそうに思えたからだ。のもが戸浪DDに初めて出会った当時、戸浪DDはここまでのPVの亡者では無かった気がする。自分の利益のためだけに他人を踏み台にする人間になってしまったのはなぜなのだろう? 全ては「金」・・・か?

     上代さんや井口さんは、「のも君がそうなっちゃったのは、私たちにも責任があるから・・・。」と今更ながらの台詞を吐いていたが、その言葉は、もはや のもの耳には届いていなかった。さすがに、「今度、生まれ変わったら、必ず一緒にやろうね。」(松田聖子風)とまでは言わなかった。

     こうして、あむ星人のもは、長い(短い?)あむ人生にピリオドを打ったのである。のもに残されたのは、「元SP」と言う称号と、在庫とシルビア1台分程の借金であった。しかし、のもは後悔はしていない。あむには数々の人生訓を身を持って体験させてもらった。そして、いつかきっとこう思う日が来るであろう。

     

    「いやあ、あんとき辞めといて、ほんとうに良かったよ」

     

    あむ体験記(のも版) 完

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    あむ体験記(のも編) あとがき

     「あむ体験記(のも版)」は、いかがでしたか? 最後まで、読んで頂いたみなさま、ありがとうございます。

     私が、あむを離れてから、約半年が経ちました。現在のもは、一般ぴーぽー(サラリーマン(注:ただしローンまみれ))として、都会の片隅でひっそりと暮らしています。

     あむを辞めて、最初にしたこと、それはもちろん返品です。アップラインの迷惑なんて知ったこっちゃありません。なんせ、自分の生活がかかってますから・・・。以下に簡単に、返品したものをまとめてみます。

    ■消耗品関係の在庫(ニュートリ、パーソナルケア、洗剤等々)・・・約10万円分
     これは、種類も多く、書類を書くのがとても大変でした・・・。この辺の手続きのめんどうさが、返品率を下げるための手なのか?ともちょっと思いました。

    ■食いかけのニュートリ(笑)・・・約3万円
     あむを辞める直前まで、摂取していたニュートリです。身体のためには、続けて摂取するべきなのでしょうが、もはや、あむから脱洗脳したのもには、忌まわしい記憶を蘇らせるだけです。見るだけで吐き気を催すので、健康のために返品しました。(笑)

    ■中型の耐久品(未使用)・・・約6万円
     4リットル鍋や、台所用品などです。自家使用として購入したのですが、家の台所が狭すぎて、使用できなかったものです。(つまり単なるPV用)当時は、「あむで成功して広い新居に移ったら、卸すぞー!」などと思っていたものです。それが幸いして、未使用品(在庫品)として、返品することができました。(苦笑)

    ■使いかけの洗剤、デモ用の化粧品・・・約3万円
     洗剤については、柔軟剤や漂白剤など、独身男性の一人暮らしでは、はっきり言ってなくてもよいです。あと、カー洗剤もなぜか自転車に使用してました(涙)。化粧品は、自分で試しに使ってみた物や、アップラインから「お友達に見せて上げられるように、持っておいた方がいいよ(お約束)」と言われ購入していたものです。

    ■空気清浄機・・・7万円
     これは返品ではないのですが、アレルギー持ちの友人が「安くしてくれたら、買うよ。」と言ってくれたので、正直、私には必要なかったので、快く売りました(笑)

    ■フォション(あむ紅茶)・・・未処置
     これは、未だ手つかずの状態です。と言うのもあまりにも数が多い・・・。先日、ふぇりあ氏が訪ねてきたときに、数えたのですが150個以上(時価15万円相当)ありました(涙)これから、徐々に手続きをとって返品していく予定です。

    → スーパー特別付録

     以上が、大まかな返品記録です。総計すると、20万ちょっとぐらい(空気清浄機は除く)、PVにして約15万PVあまりを返品したことになります。SPとしては、ちょっと少ない(笑)ように思いますが、私の借金のほとんどは、ミーティングやパーティー、交通費、そしてオフィスの出資金などのあむ活動費に消えていっていたので、それらのお金はどうすることもできませんでした。。。(涙)

     アップラインには、何の連絡もせずに返品したので、(まあ、向こうも予想はしていたと思いますが)返品が判明した直後、何度かTELがありましたが、全て無視しました。額に連絡を入れてみたところ、額のほうにも井口さんから連絡があったらしく、返品については、向こうも仕方ないと思っているようでしたが、「成績にあまり影響が出ないように、ちょっとづつ返品してくれるよう、額君からのも君に言ってもらえないかな?」と、相変わらず自分たちの都合しか考えていないようでした。あ〜あ。

    私個人のあむ感としては、ふぇりあ氏が体験記の後書きで述べているように、

    「MLM自体を完全批判する気はありませんが、MLMで収支をプラスにすることは大変難しいでしょう。何より、人間関係が一番やっかいな問題となるでしょう。 」

     私も全く同感です。

     全てのMLMがそうだと思いますが、勧誘の際にはやたらと「簡単、何も問題はない!」と言うことを強調します。始めから「成功するのは、難しいよ。でもチャレンジしてみる価値はあると思うよ」と言う言い方なら多少は、問題も未然に防げるような気がします(もちろん全てが解決するわけではありませんが)

     そして、一番やっかいなのは、そこで成功するためには、「何をやっても正しい!」と思い込ませてしまうことです。あむ星人の常識と、一般人の常識とでは、あまりにも違いがあります。それをあむ星人たちは「成功者の常識だから、一般人には理解できなくて当然」と言い放ちますが、マナーや金銭感覚など、今にして思うと、おかしすぎます。 結局それが仇になって、一般人との摩擦が起こり、あむがやりにくくなってしまうのですから、本末転倒もいいところです。。。

     確かに、何かで成功したかったら、ある程度、一般人との考え方に違いを持たなければならないのは、当然です。が、あむの場合は他人にその考え方を押しつけて、それを広めて他人を成功させなければ自分が成功しないと言う、他人にとってはこの上ない、ありがた迷惑を被ることになるわけです。

     私が失敗した理由は、一言では言いきれません。あむ自体にも問題はあったでしょうし、アップラインにもあったでしょうし、私自身にも、もちろん問題はありました。やりきれない気持ちもないわけではないですが、誰を責めるつもりもありませんし、世間を恨んで後ろ向きに生きていけるほど暗くはないので、この体験を、今後の人生の糧にしようと、体験記を執筆した次第です。また、私のあむ活動によって、ご迷惑をお掛けした方々に、この場を借りてお詫びを申し上げたいと思います。のもは、多数のみなさんの予想通り、「あむで成功を夢見ちゃった若者」で、終わりました。

     最後まで、お付き合いして下さったみなさま、ほんとうにありがとうございました。


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