大戦期ソビエトのトラクター 2010.01.23.

ユーチュ-ブで見つけたロシア映画の一部らしき動画。Esho do vojni
果たしてこんなにじっくり描写する必要があるのかと監督に問いつめたくなるようなシーンですが、お陰で2種類のトラクターと2人の素敵なロシア姉さん?を十分に観る事が出来ます(妙に明るいしコルホーズ・ソホーズのイメージとまるで違うなぁ・・・)。
この映像がレアなのは、映っているトラクターがソ連で大戦期に使用された装輪式トラクターだという事。実は意外なことに、装軌式トラクターを数々使用したあの国でも、装輪トラクターに限ると事実上2種類しか生産していませんでした。「その全て」が観られるという意味でも貴重な映像なわけです。
SKhTZ-15/30(兄ちゃんのトラクター)
アメリカ「インターナショナル・マコーミック15/30」のソ連版で、ライセンス生産にあたって国情に合わせた手直しがされているとのこと(メトリック化の事?)。戦場写真に映っている装輪トラクターはもっぱらコレなので軍にも採用されたのでしょう。
戦前の生産は、スターリングラードトラクター工場STZ (1930~37) ハリコフトラクター工場KhTZ(1931年~1937年)で行われ、戦後は、第2自動車修理工場?、2-i
ARZ(1948~50)でも生産されています。生産台数は戦前の2工場合計で約217,000両だそう!計画経済の凄さを感じますね。余談ながら戦前の2工場は37年に生産を終えていますが、同年これを大型化し装軌化にしたようなあのSTZ-NATI、STZ-3の生産を開始しています。きっと部品や生産ラインに共通部分が有るのでしょうね。
Universal2(姉さんのトラクター)
ユニバーサルは、米・インターナショナルのファモールF系を国産化したもの。キーロフ工場(1934~40)とウラジミールトラクター工場VTZ(1944~55)で合計約211,500を生産。このユニバーサルには1型と2型が有りますが、生産した2工場はその生産時期が全く重なっていないのでその点で明確に分けられるかもしれません(まだ私は形状の違い等を把握できておりません・・・)。映画の個体のようにライトが付くのは戦後になってからと推察。
なお、キーロフ工場(旧称:赤いプチロフ工場)では前年までフォードソン・プチロフ(1924~33)を生産していました。トラクター大量生産の学習にフォードソンを選んだのは良かったのですが、第一次五カ年計画のころのトラクター全体の稼働率は散々だった様なので、この頃のソ連製工業製品はまだまだ信頼性は低かったのでしょう。実際、ソ連版フォードソンの評判は良くなかったような記述がネットにありました。う~ん。それでインター系へバトンタッチされたのならフォードソン好きとしては少々屈辱的です(笑)。
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あ、今回はロシア物っぽく工場名や暦を並べて信憑性が有るように見せてますが、いつもの様に基本イイカゲンなので信頼しないでください(笑)。なお、この2台のトラクターは大戦期の戦車のように旧ソ連圏のあちこちにモニュメントとして飾られているらしく、ネットで捜すと結構画像が見つかります。ただやはり、動いたり音がしたりという生きた姿は当時物の映像に敵いませんね。
追記*SKhTZ-15/30にはイロイロ表記がある。キリル文字では「СХТЗ-15/30」。この「Х」はkhだったりchだったりhだったりするからややこしい。私は洋書「チャガーチ」の英語表記に従った。*「ユニバーサル」はヒッチ(牽引具)で1と2が区別できそうな気がしてきた。当然3点リンク式の方が後期なので2型と思われるが、この映像の最後にお姉さんが立っているのはプレート型のヒッチなので1型か?う~む。*そのラストシーン、お兄さんのトラクターは排気管に穴が開いているのかエンジンルーバーから煙がボワボワッと(笑)。
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