サビ車-17

Farmall Cub ファモール・カブ
 国道38号線の十勝某所を走っていると、小さなトラクターが止まっているのを発見!。間にトラック用の駐車場があるため距離はあったけど、一目でファモール・カブだと分かった。ウッヒョー!。

 戦前のフォードソン、戦後のファモール・カブ、この安価な2種は世界的にトラクターを普及させた功労者だと思う。日本の場合、トラクターの普及は戦後の事なので事情が異なるけど、それでも、普通の個人経営の農家が買ったトラクターとして最初に記録されるのは、昭和26年(奈井江)のファモール・カブらしいので、やっぱり特別なマシンではある。当時は、こんな虫みたいにやせ細ったトラクターでも家一軒買える値段だったそう。

 この「初代カブ」はえらいロングセラーで、1947から64年あたりまで作られていたらしい。ま、後半は同クラスの国産トラクターが幾つか有ったので輸入数は少ないと思う。だから、こんな光景は農業機械化が最も早く進んだ北海道十勝地方ならではの物で、他ではそうそう見られない筈だ。ヒョイと買い物に立ち寄った風情なのも良い。

 一見、普通の形だけど、よく見ると車体が左側にオフセットされ、座席とステアリングコラムが右側に有るのが分かると思う。真正面から見ると妙だが、この角度から見ると違和感がなく一種の「だまし絵」の様な趣がある。

 なお、カブは、「土の館」でレストア・動態保存され、いつでも見ることが出来る。平成13年のパレードでは元気で可愛い姿を見せていた。北大農学部も所有(非公開)しているが程度は良くなく、その印象からか、この個体の程度の良さには驚かされた。

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