32期会だより最終号に寄せて

進取の精神 永遠に

  
早稲田大学総長
     

昭和32年に早稲田大学政治経済学部を卒業されました 32期会の先輩諸兄が、お元気に卒業60周年を迎えられ たことを心よりお慶び申し上げます。 また、卒業60周年 を機にその活動に終止符を打たれ、32期だよりも今号で 最終号になるとのこと、大変残念でございますが、長きに亘り、 活発な稲門会活動を通して、早稲田大学および早稲田大学校友会の発展に ご尽力いただきましたことに心より御礼を申し上げます。 32期会の皆様には本学創立100周年、創立125周年や政治経済学部130周年記 念の際には多大なご支援をいただきました。本学が節目を迎える度に温かいご支 援をいただけましたことは、大変ありがたく、また、大いに私どもを勇気づけて いただけました。改めて長きに亘るご支援とご協力に、深甚なる敬意を表させて いただきます。 皆様から寄せられた熱いご期待に沿うべく早稲田大学では不断の大学改革を 行ってまいりましたが、2012年には将来計画「Waseda Vision 150」を策定 し、教育研究環境のいっそうの改善を進めています。現在、世界各国から5,400 人を超える外国人学生が集まり、毎年4,000人を超える学生が海外での学びを経 験する国内で最もグローバル化の進んだ大学となっています。さらに、少人数の 問題発見・解決型授業への転換を進めるとともに、年間延べ2万人以上の学生が インターンシップやボランティアなどの体験型学習に参加するなど、文化的・社 会的背景や価値観が異なる人々と協働する力や人間力に磨きをかける機会を増や しています。 また、皆様のご卒業年と同じ昭和32年に竣工した記念会堂は「早稲田アリーナ」 として生まれ変わるべく、只今建て替え工事中です。皆様に愛された記念会堂の 伝統を継承しながら、最新設備を備えたスポーツアリーナや自主的学習スペー ス、学生や近隣の皆様の憩いの場となる緑地空間などを設ける予定ですので 2019年に竣工した折には是非お越しいただきたく思います。 大学を取り巻く環境やキャンパスの風景は大きく変化していますが、早稲田大 学の自由と多様性に満ち溢れた気風は変わっていません。早稲田大学が進める改 革の根底にあるのは、「進取の精神」「在野精神」といった創立時から変わらぬ理 念であり、多様で個性豊かな学生達が切磋琢磨し、人間力に磨きをかけていくと いう伝統をさらに発展させるべく、大学改革に邁進していく所存ですので、何卒、 引き続きのご指導ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。 最後になりましたが、皆様の今後ますますのご健勝とご多幸を祈念いたしまし て、私よりのご挨拶とさせていただきます。                            2017年5月29日


32期会だより最終号表紙