音速を超えて

空を飛ぶ生き物というとどんな動物を想像するでしょうか。私達の身近でも 多くの鳥達が空を生活の場としています。空を飛ぶ代表的な生物である鳥は飛行能力を得るために体の構造を大胆に再構築しながら進化してきました。頭を軽くするために噛むことをやめ歯が必要なくなり、それを支えていた顎の骨、そして筋肉が小さくなりました。なくても生きられると思うものは片っ端から省略していき直腸もなくし、足も限界まで簡素化されました。そしてエンジンともいうべき心臓と翼を動かす筋肉、指令塔である脳を強化してついに空に飛び立つ力を得たのです。ちなみに始祖鳥は見た目は鳥のようですが鳥のように空を自在に飛びまわる事はできず進化の過程で鳥になりそこねてしまったようで今日の鳥たちの先祖がどんな生物だったかは意外に難問かもしれません。現在は鳥類は恐竜から直接進化したという説が盛り上がっているそうです。鳥の最大の身体的特徴は羽毛ですがもともとは飛ぶためのものではなかったとか。白亜紀には羽毛をもった恐竜達がはしりまわっていたという話もあります。いろいろな手段で自由に空を飛ぼうとした脊椎動物たち、ヒヨケザルやムササビ、トビヘビやトビトカゲ、パラシュートヤモリ、トビガエル、トビウオ・・・そんななかでたまたま羽毛をもっていた彼らが大空へのチケットを手にしたのかもしれません。多くの難関をくぐりぬけ、空を制した鳥たちの飛行能力は素晴らしくその移動速度はハヤブサだと時速300キロ近く、急降下するときには時速400キロにまでなるそうで生物としてもっとも高速に空間を移動する事ができるようになったかのようでした。ところが面白い話があります。昆虫にも飛行能力の優れた種がたくさんいますが蚊もかなりの飛行能力の持ち主だとか。アメリカで有名なある雑誌に載っていた話によるとマッハ2で飛ぶNASAのジェット機に追いついた蚊がいるそうです。

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