第5回その2
【最終回】
(1999/10/21)Up Date

あぁ、セットが出来てゆく!!

作業は劇団員全員で行う。主役もスタッフも上下関係も、そんな区別はプレイヤーズ・ハウスにはない。
それぞれがステージの床面作り、受付作りなどに別れて取りかかった。

私はもちろん『ブース』の組み立てに取りかかった。待ってましたーぁ!!って感じだ。憶えているでしょうか? この稽古記録で、最初にセット作りの事を取り上げた回に出て来たあのブースです。客席の後ろに、まるで最初から劇場の設備のようにはまっていた、あのブースです! いよいよ私の出番だ!!
ブースの組み立て方の手順を知っているのは、私と金ちゃん(金子)だけだったので、他のメンバーに指示を出しながら、はりきって作業を進めた。

完成した時は感動ものだ! あの薄暗くムシ暑い倉庫の中で、ホコリにまみれ、黙々と作ったブースがついに陽の目を見たのだ。作ったのは私だけじゃないけど、「これ私が作ったんだよー!!」って自慢したくなる気分だった。そのくらい素晴らしい出来だった。その出来上がったブースを見て、誰かが「本物みたいだねー!!」と叫んでいるのが聞こえると、それはそれは気分が良かった。

だけど喜んでばかりもいられない。他の作業が山ほど待っている。暗幕の吊り込みから、セットの可動部分の調整、照明の吊り込みから、それぞれの作業など・・・・。どれも簡単には行かないし、しかし時間はない。危険を伴う作業もあるので、早く安全にを心掛け、残りを消化していった。倉庫で時間に追われ、必死で作ったセットが少しずつ形になっていく。

こういう仕込みの作業の時には、あちこちで「圭ちゃーん、これはどうするのー?」とか、「圭ちゃん、つぎは何やればいい?」とか、圭ちゃん(舞台美術の責任者、役では“ブランチ”役)を呼ぶ声が絶えまない。私の今回の公演のテーマは、『圭ちゃんに出来るだけ頼らない』だったので、自分で判断できる事は、極力自分でやるようにした。それと今回の公演においては、倉庫にセット作りに行く事が多かったので、セットに対する思い入れも“自分たちのセットだ!”という気持ちもいつもより強かった。
途中、これではスケールがデカすぎて劇場では使えないのでは?と、問題になった大掛かりな仕掛けのあの壁も、少しずつ下から組み立てていき、「次ここ押さえてー」とか、「持ち上げてー!」とかお互いに掛け声を掛け合いながら、7〜8人掛かりでとうとうシアターモリエールにその姿を表した。
目の前にそびえ立ったそのセットは、ボロボロになったアパートの壁という設定。とても立派な“ボロボロのアパート”(笑)の完成だ。これで、本番ちゃんと崩れてくれればー!!と、祈るような気持ちだった。

・・・・そんなこんなで、あっという間に9:30になり、この日の作業を終えた。大急ぎで着替えて劇場を後にした。
本番まであと2日・・・・・。


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