#0019 『履歴書に書けない趣味、特技金子 昌敏

私は趣味、特技に乏しい人間です。履歴書を書く時に、いつもここで詰まる。
全くない訳ではないのだが、書くと自分の株を落とす趣味や特技になってしまう(と自分は思う)。
例えば、『マンガ』。マンガは日本の文化のはずなのに、面接の時堂々と言えない。自分の中でマンガはやはり下らないと思っているのだろう。自分でマンガを馬鹿にしているのだ。逆に映画や小説は履歴書に書きやすい。(自分の中にある偏見だ。)

ここで今まで封印してきた趣味、特技をいくつか思い出し、自分を振り返ってみようと思う。

小学校の頃の特技に『素手のカエル取り』があった。私が通っていた小学校は田んぼに囲まれていた。夏になるといろいろな昆虫や小動物が見られた。
いつもの帰り道、ザリガニやカエルを捕まえつつの集団下校。当然素手で捕まえるのだが、これにはコツがあった。殺気を消しつつ近づき、手は手刀の形。そして一気に底の泥に手刀を突き刺す勢いで繰り出す。獲物の手ごたえを感じたら素早く握り込む。もがくカエルのビクビク感がたまらない。満足そうな自分(だったと思う)。
そこに突然、「すごーい!!」と女の子の声。あの声は確か坂本さおりさん・・・・。その日からカエルを捕まえる時に楽しさ以外のものを考えるようになりました。

時は過ぎて高校一年の頃。その頃の趣味に『チョコレートの空き箱集め』があった。きっかけは食べ終わった後、空箱をごみ箱に捨てなかった事だった。単にだらしがないだけだった訳だが、それでもいい加減掃除をしなければならない時が来る。机の上や、ベットの下たまった空き箱を一箇所に集めた時、十代のティーンの胸はピンときちゃった訳だ。
そうしてチョコレートの空き箱集めが始まった。
始まりがあれば終わりもある。ある日、祖母が部屋に入ってきて一言、「いらなくなったらそれちょうだいね。」
・・・・・。祖母と同じ価値観を持つ事に、なぜだか怒りが沸き起こり、その日ごみ箱の中にチョコの空き箱を全部ぶち込んだ。

こうして封印してきた理由を考えると、何か嫌なものを感じてしまう。でも全部自分の事だから・・・。
もっといろいろあるんだけど、今回はこれでおしまい。

【2001.10.18掲載】