ナホトカ号 重油漏れ止まる? 運輸省、潜水調査へ feb.29.1997

ロシアタンカー「ナホトカ」の重油流出事故からまもなく1年。島根県隠岐島沖の水深約2500メートルの海底に沈んだ船尾部から漏れ続けてきた重油の量が最近になって急速に減少、流出がほぼ止まった可能性が高いことが、28日までの海上保安庁などの調査で分かった。

流出量の減少について運輸省も注目しており、海面に油が見えなくなった段階で、海洋科学技術センターの無人深海探査機「ドルフィン3K」で潜水調査し、流出が止まったことを確認する方針。

海上保安庁によると、1月の事故時は最大約1万キロリットルの重油が船尾部にあったとされている。25日現在、油は隠岐島の北東約140キロの船尾沈没地点付近で、長さ約4百メートル、幅約2百メートルの範囲に長さ15-20メートルの帯状の油膜が点在、そのまま風や波で拡散され消滅しているという。

運輸省は3月下旬、検討委員会で「船尾部の処理は技術的に困難」として当面放置することを決定。流出箇所がこれまでに確認できた2つのタンクだけとすると、両タンクに残っている計約2千5百キロリットルが漏れ出す期間を半年-2年半と推定していた。

これまでに流出した重油の量も不明で、同省技術安全課は「漏出が止まったとしても、船尾部に油が残存しているのは変わらないため、定期的に潜水調査して船体の状況を確認する」としている。


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