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 「名詞、代名詞と形容詞、派生副詞への転化」

 ヨーロッパ語の名詞、形容詞、派生副詞は、常にそれぞれ共通の語尾を持っているため、その単語の語尾を見ることにより、容易にその単語の品詞の種類を判別することができます。名詞の単数形は「
-o」で、代名詞の単数形は「-i」で、形容詞は「-a」で、派生副詞は「-e」でそれぞれ常に終わり、そしてその語尾を付け替えたり追加することによって、その単語をほかの品詞や形態に替えることができます。ただしヨーロッパ語以外の言語からそのままのスペルを保持して導入した名詞や固有名詞などは、この限りではありません。その場合は、表記の上でヨーロッパ語の単語と混同しないようにアポストロフィー「'」をその単語の最後に追加します。例えば、日本語の「寿司」をそのまま外来語としてヨーロッパ語に導入した場合は「sushi'」とし、複数形は「sushi's」とします。形容詞や派生副詞への転化は、「'」の直後にそれぞれの品詞語尾を追加して「sushi'a」、「sushi'e」となります。



 [名詞]

 名詞とヨーロッパ語化された固有名詞は、単数形において共通の語尾「
-o」を持っています。ただし複数形の場合は、そのうしろに複数を表す「-s」を追加します。よって、複数形の名詞は語尾が「-os」で終わっています。

studento: [ストゥデーント] 学生 → studentos: [ストゥデーントス] 学生たち。
auto: [アウート] 自動車 → autos: [アウートス] (2台以上の)自動車。

 名詞の語尾の「
-o」を形容詞語尾の「-a」に付け替えることによって所有格形(形容詞)に転化することができます。

studento: [ストゥデンート] 学生 → studenta: [ストゥデーンタ] 学生の。
Japano: [ヤパーノ] 日本 → Japana: [ヤパーナ] 日本の、日本風の。

 また、名詞の語尾の「
-o」を派生副詞語尾の「-e」に付け替えることによって、その派生副詞を作ることができます。

studento: [ストゥデンート] 学生 → studente: [ストゥデーンテ] 学生のように。
Japano: [ヤパーノ] 日本 → Japane: [ヤパーネ] 日本風に。



 [人称代名詞]

 人称代名詞は第1人称から第3人称、再帰、不定人称にひとつづつと、それぞれに対応した複数形の計10種類からなっています。人称代名詞は共通の語尾「
-i」を持っています。複数形には名詞で使用した複数語尾の「-s」を語尾に追加することによって表します。よって、複数人称は語尾が「-is」で終わっています。ヨーロッパ語の人称には性の区別はありません。

<第1人称> 
mi: [ミ] 私 → mis: [ミス] 私たち。
<第2人称> 
vi: [ヴィ] あなた → vis: [ヴィス] あなたたち。
<第3人称> 
gi: [ギ] 彼、彼女、それ → gis: [ギス] 彼ら、彼女ら、それら。
<再帰人称> 
si: [スィ] 彼自身、彼女自身、それ自体 → sis: [スィス] 彼ら自身、彼女ら自身、それら自体。
<不定人称> 
oni: [オーニ] ある人 → onis: [オーニス] ある人たち、人々。

 人称語尾の「
-i」、複数の場合は「-is」のうしろに形容詞語尾の「-a」を追加することによって所有格形(形容詞)に転化することができます。

mi: [ミ] 私 → mia: [ミーア] 私の。
mis: [ミス] 私たち → misa: [ミーサ] 私たちの。
vi: [ヴィ] あなた → via: [ヴィーア] あなたの。
vis: [ヴィス] あなたたち → visa: [ヴィーサ] あなたたちの。
gi: [ギ] 彼、彼女、それ → gia: [ギーア] 彼の、彼女の、その。
gis: [ギス] 彼ら、彼女ら、それら → gisa: [ギーサ] 彼らの、彼女らの、それらの。

 人称語尾の「
-i」、複数の場合は「-is」のうしろに派生副詞語尾の「-e」を追加することによって、その派生副詞を作ることができます。

mi: [ミ] 私 → mie: [ミーエ] 私のように。
mis: [ミス] 私たち → mise: [ミーセ] 私たちのように。



 [指示代名詞]

 物を表す指示代名詞は近称、遠称と、それぞれに対応した複数形の計4種類からなっています。指示代名詞は共通の語尾「
-i」を持っています。ここでも、複数形は複数語尾の「-s」を語尾に追加することによって表します。

<近称> 
ci: [ツィ] これ → cis: [ツィス] これら。
<遠称> 
ti: [ティ] それ、あれ → tis: [ティス] それら、あれら。

 指示代名詞の語尾「
-i」、複数の場合は「-is」のうしろに形容詞語尾の「-a」を追加することによって所有格形(形容詞)に転化することができます。

ci: [ツィ] これ → cia: [ツィーア] この。
cis: [ツィス] これら → cisa: [ツィーサ] これらの。
ti: [ティ] それ → tia: [ティーア] その。
tis: [ティス] それら → tisa: [ティーサ] それらの。

 指示代名詞の語尾「
-i」、その複数語尾の「-is」のうしろに派生副詞語尾の「-e」を追加することによって、その派生副詞を作ることができます。

ti: [ティ] それ → tie: [ティーエ] そのように。
tis: [ティス] それら → tise: [ティーセ] それらのように。

 場所を表す指示代名詞も近称、遠称と、それぞれに対応した複数形の計4種類からなっています。場所を表す指示代名詞も共通の語尾「
-i」を持ち、ここでも、複数形は複数語尾の「-s」を語尾に追加することによって表します。よって、複数を表す指示代名詞は語尾が「-is」で終わっています。

<近称> 
hi: [ヒ] ここ → his: [ヒス] このあたり。
<遠称> 
zi: [ズィ] そこ → zis: [ズィス] そのあたり。

 場所を表す指示代名詞の所有格形、派生副詞への転化も人称代名詞と同じです。

hi: [ヒ] ここ → hia: [ヒーア] ここの。
his: [ヒス] このあたり → hisa: [ヒーサ] このあたりの、地元の。
hi: [ヒ] ここ → hie: [ヒーエ] ここのように。
his: [ヒス] このあたり → hise: [ヒーセ] このあたりのように、地元風に。



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