/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

やっぱ、爆撃機と言えばSB−2でショ!

/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


〈私の好きな機種〉

 
私はWWU系のヒコーキが好きです。日、独、伊、英、米、中、ソetc
各国にそれぞれ好きな機体があります。どちらかと言えば渋いアイテム、
非有名機や量産の前の型(P−40ならEよりB、P−51ならBやDよりA
Bf109ならEよりB、FW190ならA−3)が好きです。
また、洗練された機種よりイモっぽいのも好きです。

 まぁ、「非有名だとか洗練されてないから好き」というわけじゃなくて
自分から見て、P−40EとBならどちらが好きか(作りたいか)というと
B型の方が好きだし、選んでしまうのです。
私から見ると量産型より「味」があって好きなんですネ。

 まぁ、そんなわけで、私の好きな機種が多いのはソ連機ですね。
特に好きなのは、アレですよ、アレ。戦闘機ならI−16でしょ。
それも初期型の6とか10ですね。そして、爆撃機ときたらコレしかないでしょ。
ツポレフSB-2ですネ。ソ連にも爆撃機は何種類もあって、高性能で洗練された
PE-2や「空飛ぶ焼きイモ」のDB-3(これも好き)や、子持ちの超重爆撃機
TB-3等ありますが、その中でもやっぱ、CB-2でしょう。丸い魚肉ソーセージ
の様な胴体、幅広のハンペンの様な主翼と、どう見てもアカ抜けないフォルムが
グッっと来ちゃいます。そう、SB-2については、渋いとは思えませんが、
味はあるのです。同時期の他国機、スマートなモスキート、渋いHe111、
地味だけど渋い一式陸攻、Bー25は、味も渋さもないけど頑丈そうだし、
仏のポテーズ210は、ブコツなスタイルに見えながら、おフランスっぽい
優雅があるんですネ。伊のカプロニCA313/14も渋いですネ。

 その点、SB-2ときたら、もうどっから見てもカッコ悪いんですネ。
WWU直前のスペイン内乱から日中戦争、WWUの東部戦線、フィンランド等
各地で使われているのですが(今ひとつ、目覚ましい戦歴は残していないようです)
一般的に見てもメジャーな人気ヒコーキとは、対極に存在する機体でしょう。


私とSB-2の出会い〉

 まぁ、そんなわけで、渋イモ好きの私も、SB-2を意識して好きになったのは
30代中頃、1980年代の中期でした。それ以前の20代から30代前半の
期間は、プラモデルから遠ざかっていたのですが、また始めるにあたって
色々とあたってみると、私のお気に入りのキットや昔興味はあったけど
入手しなかったキットがほとんど絶版になっているのでした。

 イタレリやフロッグ、エアフィックスあたりのキットは、ほとんどカタログ落ち、
フロッグになるとその時点で10年も前にツブれていたのです。
というわけで、元々、マ二ア&コレクターの私は、あっちこっちと捜しまわって、
イギリスの通販絶版屋、日本のとある埼玉県のはずれにあった模型店の奥などから
入手出来ました。でも、けっこう高かったですネ。
その中に、フロッグのSB-2もあったのです。
 正直なところ10代の頃はあまりSB-2に興味はなく、
存在もプラモデガイドの66年版(たぶん)に紹介されていて、完成キットの写真も
1枚そこにのせられていて、イモくさいスタイルという印象でした、
キット・レビューの方も作り辛く形も悪いという様な内容でした。


〈フロッグのSB-2とは〉

 このキットが発売されたのは、1969年頃でした。キット化されているのは、
液冷エンジンなのに何故か、空冷エンジンタイプのカウリングをつけている
SB-2 M-100というタイプです。

 う〜ん、箱絵は多分、東部戦線で雪上のドイツ戦車を攻撃している情景です。
SB-2の通常装備は、100キロ爆弾6発でしたが爆弾を落として戦車を爆破するという攻撃は、
実際にあったのでしょうか。
 大きな建物や船なら当然ですが、う〜ん、誰か教えて下さい。
その上、爆破されている戦車は当然ドイツでなければいけないのですが、
その形状はどう見ても、ソ連のT-34かアメリカのウォーカー・ブルドッグあたりを
連想させます。
 まっ、しょせん、当時は、プラモデルといえば、購入者は、子供中心だったので、
そこまで、考証にこだわる必要もなかったのでしょうネ。

 箱の裏側には、カラー刷りで、4タイプの塗装図が紹介されています。
ソ連、スペイン内乱、チェコスロバキア、捕獲されたドイツ仕様です。
 パーツの方はと言いますと、箱を開けるとツリー型のランナーにビッシりと細かい
パーツがたくさんです、雪上型のスキーやANT-40(後期の試作機)用の3枚プロペラの
パーツも入っていて、4種の塗装バリエーションも合わせて、
どの型を作ろうか迷ってしまいます・・・が、
これがいざ組み立てようと思ったら、それなりにたいへんなのでした。
 何がたいへんと言って、まぁ、近年のモデリングの場合、まずキットを用意し、
資料を用意し、それをつけ合わせながら、実機と違うところは
あれこれ修整しながらのパターンでしょうが、SB-2は資料が少ないのです。
おまけにその少ない資料と照らし合わせても、このキット、
まずエンジン・ナセルの取り付け角度が間違っています。
主翼のスパンも短く、平面形が細すぎる印象です。
当時のキットはパネル・ラインも凸モールドがあたり前でこのキットもそうなので、現在の目で見ると凹モールドに彫り直そうという気にもなります。
その他にもあれやこれやと近代のキットに慣れてしまうと手を入れたいところがいっぱいです。
86年に初めてキットを製作したのですが、その時は、前述のエンジン・ナセルの角度とラダー、水平尾翼の後縁を薄くする程度ですませました。
 まっ、スケールが1/72ですから、最低限度の直しをして、それなりに
塗装すれば、ちゃんとしますから、いいですネ。

 現在、手元にはありませんが、その頃、スペイン内乱の政府軍と捕獲された
フランコ軍の2パターンを作りました。
完成キットをまじまじとながめ、う〜んカッチョイイと思いました。
ただ、キット自体のクオリティは、60年代のそれで、おまけにフロッグ・スタンダードなので、
近年のプラモデル・ファンの方には、そうとうハードな内容だと思います。

<<その後のSB-2のキットについて>>


 SB-2のみならず、ソ連機は、プラモデルのアイテムとしては、
あまり人気がないらしく60〜70年代もあまり発売されず、
また、複数メーカーよりの競作もほとんどありませんでした。
ただし、Yak-9だけは、さすがに数少ないソ連の有名機だけに
1/72でエアフィックス、1/65で日摸のキットがありました。

 I-16はレベル、Pe-2とIl-2がエアフィックス、1/48や1/32スケール
では皆無であります、トホホのホ。
う〜ん、人気なかったんですね、ほんとに。
まっ、当時は、冷戦時代でしたし、ソ連自体も図面等の管理もズサンで、
キット化しようにも資料が乏しかったんでしょうけど。

 70年代末から80年代初頭にかけて、ポ−ランドのマイクロというメーカーから
I1-2やYak-1が発売され、キット自身のクオリティーは別にして、
80年代は、ポツポツとソ連機が発売され始め、簡易インジェクション・メーカーの
MPMでは、80年末のキットに解説書には、近日発売のキット・リストの中に
SB-2を見つけ、やっとやっとまともなSB-2が作れると胸をわくわく
させたものですが、実際にキットが発売されたのは、それから6〜7年後の事でした。
一日千秋の思いで待ち焦がれていた私は、うわ〜いとよろこんでキットを手にしました。
前述の初期型とフィンランド空軍版で人気の後期型とそれぞれパーツの組換えで
2種発売されました。
 初期型の箱絵は、ズバリ私のシュミのスペイン内乱版で、コンドル軍団の
Bf109Cとの空戦シーンです。このキットは、今でもお店で売れ残っているようなので
見たことのある人も多いと思います。フロッグ同様、塗装バリエーションは4種で
チェコスロバキア2種、これまた私のシュミの中国空軍、そして、フロッグは異なる
スペイン内乱政府軍版でウレピー!
 キットの方はといえば、まっ、パネル・ラインは凹モールドだし、エンジン・ナセルも
別パーツとなっているので角度の調整しやすい、各翼の後縁もそれなりに薄いぞ、
バリは多いがMPMだからしょうがない、なによりも凹モールドなのが、
彫り直ししなくて良いからありがたい。
し、しかし、良く見ると主翼のスパンが細い。
フロッグのパーツと合わせて見るとピッタリ同じだ、ゲゲゲのゲッ。
まぁ、この主翼のスパンの長さについては後からあらためてお話しますのでここでは、これまで。
 しかし、SB-2は好きだから作ろうと思っていた95〜96年頃に私、プライベートや
キットを作るのを休んでしまっていたので、
2001年1月現在の今もまだ手をつけていません。もうちょっとしたら作ろおっと。

<<SB-2に1/48のキットがあったのだ>>

 さて、SB-2のインジェクション・プラ・キットは、古今東西、このフロッグとMPMの1/72の
2種(箱換え、ライセンス版は除く)しかありません。日本機でも考えてみれば、
九六陸攻や九七式重爆あたりも長い間、LSやレベルのものだけですから、爆撃機体、
あまり人気はないのかもしれません。近年は、アカデミーのように、
ワン・アイテムでバリエーションや型違いで一気に発売されることもあります。
B-17、B-24、カタリナ、B-29とうらやましい、う〜ん全部アメリカさんだな。

 そんな恵まれていないSB-2ですが、実は1/48のキットが存在していたのです。
まぁ、胴体や翼の主要パーツはバQムなのですが、脚柱や機銃等の小物パーツは、
簡易インジェクションとエッチング・パーツ、キャノピー等の透明パーツはエンビの絞り出し
という複合素材で構成されたキットですが。発売メーカーは、あのMPM,
それも1/72キットに先立つ事、91〜92年頃に発売されていたんですネ。

 SB-2好きの私としては、1/48のSB-2なんて、とてもミリョク的だったんですが、
バQム・パーツがあるので、作るのを迷っていたんです。バQムのパーツは見た目より、
扱いが大変で、それでもいくつか、組み立て途中で放り出してしまった事があるのです。
 でも、SB-2はミリョク的だ。それに1/48キットなんて、21世紀になっても
メジャーなメーカーからは発売されないだろうと思い(今現在、この予想は当たっている)
他のパーツの出来もまずまずで何といっても主翼の平面形がハンペンの様で
私のイメージにかなり近かったのです。
 ということで、95年の春に作り始めました。初めに完成させるためのコンセプトを考えました。
あれやこれやと手を入れているとバQム・キットは完成しないのです。
「コクピット関係は、それなりに手を入れる。他は気にしない。」と決めました。
透明度の高いエンビ製のキャノピーだし、1/48だとそれなりにやりやすいし、
作りがいもあるからです。
 1/48といってもバQム・キットでそれもMPMですから、コクピット内のパーツは
必要最小限度なので、他の1/48キットから、あれやこれやとそれ風のパーツで
それらしくコクピット内を作りあげました。実機のコクピット内の写真なんてないし、
それに使える資料もエアーエンスージアスト誌の図面位(たぶんこれも怪しい)なので
それらしくやればやったもん勝ちさ。だいたい、今生きている日本人の中で、当時本物の
SB-2のコクピットの中を見たなんて人は、3人位しかいないはずだ(日支事変の生き残り)、
と気合を入れて、夏までに胴体と翼はそれぞれ形には出来ましたが、前述の事態で
その後、放置されてしまいました。

 しかし、さすがにSB-2好きで、箱に入れて、そばに置いて、年に何回かはそれを手にして
う〜ん、やっぱ作ろうかなと何年かが過ぎていったのです。
 そして、ついに20世紀最後の年2000年、それも押しつまった12月下旬
再び作り始めたのです。
 胴体と主翼をくっつけました、でもそこがバQムの泣き所
それぞれの取り付け部がうまく合わない、パテ盛り・プラ板などで修整し水ペーパー他で
形を整えましたが、これだけで7日間かかってしまい、そこでまたちょっとお休みに入ってしまいました。
 でも、私のかたわらには、その、胴体と主翼がくっついたヒコーキらしくなったSB-2が
早く完成させてヨーと鎮座しているのです。