VOL.1
「本の雑誌風雲録」 目黒 考二 著 (本の雑誌社)
さて、一冊目の紹介は、このコーナーの名前に使わせて頂いた「本の雑誌」関係の著作を紹介したい。
週刊「Gallop」という雑誌の”馬券の真実”というコラムの筆者藤代三郎なる人物の文章の魅力にひかれ、藤代氏の著書「戒厳令下のチンチロリン」を購入したことがこの本との出会いです。「戒厳令・・」は、古き良き時代のギャンブルにまつわる話を主題に、著者の様々な人間関係などを面白おかしく記してある名著です。その解説(亀和田 武 筆)の中で初めて、この藤代氏が目黒考二であることを知りました。それまでのわたくしは、は本の雑誌という発行物があるという程度で特別な関心は寄せていませんでしたが、以来、本の雑誌の愛読者となり「本の雑誌風雲録」を手にするにいたるのです。
本の雑誌とは目黒・椎名誠両氏が自主出版で始めたものです。今では椎名誠といえば著名な作家なのですが、当時は無名も無名。この雑誌の初版は500部でした。それをバックに詰めて、書店を回り、置かせてもらうという方法で世に出したのです。 だんだんと、世の中に出まわるようになったものの、個人で各書店に配本することの難しさを関係者が痛切に味わいました。その悪戦苦闘を当時の時代背景を織り交ぜて書き下ろしてあるのが、この「本の雑誌風雲録」です。下記が創刊号が完成した時の光景です。
「出来たよ」椎名はそう言って、手に持っていた創刊号を差し出して来た。「インクの匂いがする」彼は創刊号開き、ページに顔を近づけた。促されて僕も鼻を寄せた。この光景をはっきり覚えているのは・・・・・・・・・・(本文より)
そして、その出来あがった雑誌の配本を担当していたのが、目黒考ニ氏とその仲間達(学生がほとんど)別名配本部隊。その内容は。。。。。「雑誌を作る人がいた。そして運ぶ人がいた。出来たての雑誌をカバンに詰め込み、電車に乗って、バスに揺られ・・・・。彼らは配本部隊と呼ばれた。1日の労働に対する謝礼はカツ丼と一本のビール」(本文より) 好きな物のために働く学生達の献身的な協力。世知辛い今の世の中では到底考えられないような情景です。本の雑誌を知らなくても楽しめる本なので、一度読んでみてください。
本の雑誌関係の著作や関係者を簡単に紹介します。
「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」 椎名 誠 著 (本の雑誌社)
表題の他、多くのエッセイが収録されている、椎名氏の初期の傑作集です。「・・・・味噌蔵」は本当に面白いです。
群 ようこ・・・本の雑誌の事務員をしていました(これホント・・・笑) ペンネーム「群ようこ」の名付け親は目黒氏。目黒氏の夢は一人十郎(1から10までのペンネームをジャンルに合わせて使いこなすことです)その中の「群 一郎、北上二郎、藤代三郎・・・・」と続くペンネームの中から作家デビューの時に「群」をもらったとのことです。
沢木ひとし・・・本の雑誌を中心に挿絵その他の絵を多く掲載しています。この人の絵はいいですよ。なんかほのぼのします。
他にも沢山いますが、この辺にしておきます。
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