コメント

 これは、厳密に言うと没プロットではないね。
 1995年の夏の自主制作映画「終章〜Epilogue」のプロット。

 ま、でもこれが公開されることはないだろうし、没プロットに載せちゃってもいいか、ということで載せました。

 あの時がんばってくれた主演の安藤君、棗田さん(旧姓)、元気にしてますか〜!?

 

 

終章〜Epilogue

 安藤佳子(26)は、ひき逃げ事故を起こした。
 夫の安藤 寛(30)は、自首を促すが、佳子は証券ウーマンとしてのキャリア、そして寛との家庭を捨てたくない、と自首を拒む。警察に捕まれば、公務員としての寛のキャリアにも傷がつく。
 だが、寛は佳子に殺人犯にはなってほしくない。
 なんとか佳子を説得しようとする。
 今までの記憶が二人の中を流れる。大学時代の初デート、海での甘いひととき。最初はヒステリック状態だった佳子も自分を取り戻していく。そして抱き合う二人。
 自首するまえに、二人でもう一度海へ行こうと言う寛。
 頷く佳子。だが、そこに玄関の呼び鈴が。
「杉並中央署のものですが」
 二人の間に緊張が走る。佳子は、呆然と寛をみつめ、寛もなす術もなくその場に立ち尽くす。
 佳子は、アパートのベランダに躍り出ると、そこから空へ舞う。
 寛は、ただ呆然とその様子を眺めるしかなかった。

 部屋に電話が鳴り響く。
「佳子、電話でてくれよ」
 いつものように佳子を呼ぶ寛。だが、返事が返ってくることは二度とない。


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