「終章〜An Epilogue」

脚本・監督 ブレード・ムラタ

1995年JHP95作品

 これは、要するに最新作かな。
 といっても、もう7年も前の作品だけど。
 それだけ映画から遠ざかってるってハナシ。
 JHP95ってのは当時のこの映画のためのプロジェクト、Johnan High Pictures 95の略。要するに城南高校映画部の95年版ってわけ。

 でも、内容はまったく違うね。メンバーもオリジナルは俺と本田さんだけだし、かなりキッチリ作ってる。いい意味でのアバウトさは、この製作ではなかったな。
 この作品は7年前、青春時代の終わりの頃に撮った最後の作品だから、非常に印象に残っている。
 まあハナシの方は悪い意味で普通というか、これといって特徴のない話なんだけど、役者がいい演技してる。

 役者は安藤 寛と棗田佳子の二人だけなんだけど、安藤君はやはり演技派なのですごく気合の入った演技をしてくれた。ただ、彼は当時演劇集団にはいっていたせいか、最初の方はちょっと演技がかたかったんだよね。なんでもそうだけど、ひとつのところで染まっちゃうとロクなことにならないんだよね。つぶしがきかないというか。
 でも彼の場合、次第に自分の演技を取り戻していってくれたおかげで非常にいい芝居が撮れたと思っている。
 棗田さんに関しては、安藤君とは正反対で、思いっきり素人演技なんだけど、一生懸命頑張ってくれたかいあって、画面からはいい緊張感があふれてくる。現場も適度にいい緊張感がはしっていたしね。そのぶん彼女には思い入れができたよ。いい意味で色気のある女優だったからね、自分にとっては。

 撮影は1日かけて自分の家で行われた。
 印象としては、非常にスムーズだったように思ったけどね。

 出来としては、わずか四人のスタッフ&キャストで撮ったわりにはいい出来に仕上がったと思っている。

 青春の最後の1ページとしてはいい作品を撮れたんじゃないかな。