第11回 「”いかりや長介”論」

 

今回は、故・いかりや長介について論じてみようと思う。

彼はザ・ドリフターズのリーダーであり、また最近は名俳優としても活躍していた。
追悼番組はザ・ドリフターズ中心のものが多いが、最近の若い人にはやはり「踊る大捜査線」の和久刑事役の印象が強いだろう。
かくいう自分も、ドリフの全員集合をリアルタイムで見ていた世代だが、印象としては「踊る〜」や2時間ドラマ「取調室」シリーズ、「恋人はスナイパー」などでの好演が印象に強く残っている。
ある意味、俳優としてのいかりや氏はドリフのリーダーだった頃とは別人ともいえる。

ドリフについてはメディアでさんざ語られているので、自分は俳優・いかりや長介にスポットをあててみようと思う。

たたきあげであるいかりや氏は、やはりたたき上げの役がよく合っていた。
「踊る〜」「取調室」のようなたたき上げのデカなんか最高だった。
彼の演技には緩急があった。
やさしさ、きびしさ、ゆるやかさ、はげしさ、静動をうまく使い分けた演技は、一流の俳優でも一目を置くほどだった。
自分が映画監督なら、やはりキャスティングしたい俳優のトップクラスに入っていた人物だ。

コメディアンとしてなら、志村けんらが跡をついでいくだろうが、俳優としての彼の存在感を出せる役者は他にいない。
本当に惜しい人を亡くしてしまった。
日本映画界への影響も大きい。

謹んでご冥福をお祈りする。

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