さくらの国からこんにちは・2



赤が好き


     マンガは1990年(?)週刊ジャンプ『赤が好き』井上雄彦氏作より


★天才掲示板から★

   先日HPを紹介した本を作った時に、
掲示板のご紹介のために、膨大な書きこみの記録の中から、
まあ、インターネットのことや、うちならではの話題より、
スラムダンクに関するものがよかろうと、『赤が好き』のことをひっぱりだしました。
 以下、その部分の引用に手を入れてご紹介。



 ★★ 一つくらい話題を何かご紹介するとすれば、
やはりSDファン共通の話題ってことで、
井上先生の『赤が好き』はどうでしょう?
 桜木花道版『楓パープル』と申しましょうか。
 SD連載開始の前に描かれた「桜木花道」と「桜木軍団」と「晴子」が出てきます。
 『楓パープル』のように単行本に収録されていませんから、
ご覧になったことのない方も多いのでは…?

 私は2年位前、ハナルのお祭りのお茶会でもっていらっしゃるという方を見つけて、 コピーを手に入れることができました。
その節はありがとうございました。

 さて、そのあらすじ。

 赤い頭のコワモテの桜木花道君(高校2年)が、電車の中で
「モロ好みだ…!」と、きれいな女の子・大咲晴子にひと目ぼれ。
 見かけによらず純情な花道が2ページくらいで彼女のそばでウロウロしているうち、晴子が女顔の性格の悪い3年生にいいよられ、花道がそれをかっこよく(…?)助けます。

 思いがけなくポッと頬をそめた彼女から
「あの…お名前を教えていただけませんか?」
 胸に七つの失恋の傷を持つ男(かわいそうに、SDでは数が7倍以上に増えましたね)に、新しい恋の予感。
 しかも脈あり。

 しかし、目の悪くてとろい晴子は  「……ちょっぴりシャイで素敵な人ですわ。赤いぼうしの桜木さん…」
 --------そう、うっとりしていました。

 だから、お約束のように、ヒロインは花道たちのクラスに転校してきたのですが、
「や、やんきーですわ!!私の大嫌いな…!!」
という勉強家で堅物の晴子の前に、花道、ズッコーン!
ついでに、とろい晴子はようやく今朝の恩人が
この目の前のヤンキーだと気がついて、ズッコーン!
 二人の淡い恋は30分で消滅しました。

 しかし、晴子がとても美人だし、花道をからかうのが面白くて、
軍団(除く花道)がなんのかんのと趣味は読書、主に心理学系という晴子をかまい、仲良くなります。
「あたってる、あたってる」
「すげーな!!晴子女史の性格鑑定は」
「じゃあ、こいつは?晴子女史」
「花道」
「コドモ」
と晴子が判定をくだし、桜木軍団は大笑い。

「一説によると…人間の最も好む色は青だといわれているの。
…だけど唯一赤をもっとも好む世代があるの」
「その世代っていうのは?」
「6歳以下」
 わははははは。(軍団) ぷるぷるぷる(花道)  更に。
「この本によるとね…赤は、幼稚 野蛮 低俗 下品…」
 と言われて、ふんぬーっっ!とついに花道がキレ、大暴れ。
 軍団が笑ってその場をおさめたのはいいけれど
 周囲では、晴子に冷たい視線。
「いいとこのお嬢さんらしいけれど、いきなりあのコワイ連中と仲良くなっちゃって…」
「マジメそうに見えるけれどわかんないわね」

 そうするうち、晴子のよからぬ噂に気がついた花道が、
人に冷たくされてつらい思いをしている晴子の肩をポン。
(無論、かなり意を決して)
 しかし口下手な花道は、晴子が「なんですか?」と言うのに答えられず、 気持ち悪がる晴子と、そのうち なんだかんだで睨み合いになり、結局大ゲンカ。
「ふぬーっ!」
「なによ!」

 そんな晴子のところへすかさず洋平はフォローに。
 あいかわらず晴子は冷たい視線にさらされています。
 それを睨んで散らせて、洋平が一言。
「なんかモンクいうヤツがいたらさ、オレたちにいいなよ、シメてやっから」
「…ありがとう」
「……て、言いたかったんだよ、さっきの花道もね」
 晴子は、ようやっと花道のやさしさに気がつきます。

 さーらーにー、洋平は活躍します。
 あくる日、洋平は二人が、一緒に帰るように段どりをした。(原文まま)とか…。
 花道の夢は、やっぱりこの話でも「好きなコと一緒に登下校」だったのでした。
 まったく、なんて親友でしょう。

 その日の放課後、高宮が血まみれで金網にくくりつけられ、何者かが晴子をさらっていきます。

 首謀は、晴子をひっかけそこねた3年生、菊川仙吉。
 仙吉ギャルズをとりまきにしている、女顔のワルです。

 高宮を発見した軍団。その横に、晴子の本が。
 晴子がさらわれたことを知り、驚いて手に取った
 花道の目にとまった「赤」の頁。
 晴子のアンダーラインがくっきりとついています。
 赤……愛情、勇気、真心、熱心、情熱、幼稚…
「うそつきめ…」
 そうつぶやいた花道。
 高宮と晴子のために、本気で怒った-------。

 

 いかがでしょう?  巻頭カラーで、59P。テンポもよく、よくまとまっているラブコメです。

 このお話では国分寺の高校2年という設定ですが、
桜木軍団はあのまんま、あの姿とキャラクターで勢ぞろいしていて、とてもウレシイ。

 流川ファンはがっかりでしょうかねえ。
出てこないし、「菊川仙吉」の名前に、その面影がなくもない…。
 菊川仙吉は、いろんなキャラクターが垣間見られます。
女顔のところが流川、ナルシストのところが三井、髪型は岸本、名前からいけば、流川に仙道に福ちゃん。

 それから、大将の花道。
 行動のほとんどは、SDの花道とほぼ同じですが、
 一点だけ、違うところがあります。
 軍団に「無口なくせにこの男は!」って、怒鳴られているんですね、彼は。
 そう、無口なのです。
 普段はほとんど、無口で、発する言葉も単語しゃべり。
 それに花道のすぐふんぬー!となって頭突きを繰り出す激しさと、お笑いな思い込みの強さと人の良さが、合体しています。
後の流川と花道の性格を一人で持っているようなものですね。  

 そして。
 花道ってば、キセルくわえています。(秘密某がそれを噂で聞いた時、ガッツポーズをしていましたっけ)
 本当に、学ラン着てコワモテのワルをやっている桜木花道君の原型君のいでたちは……どう見ても、岩鬼正美(ドカベン)か、青田赤道(嗚呼!花の応援団)…。
 もちろん、ビジュアル的に岩鬼にも青田にも全然程遠い、
 われわれの知るあのまんまのカッコよくて、カワイイ、素敵な花道なのですが。
 井上氏の好きな世界も、かなりレトロなんだと、キセルを見てしみじみ思いました。

 なにはともあれ、花道が男らしくカッコよく、かわいく、ま、「男・桜木」が好きな人向けの話なのですが。
 『赤が好き』のコピーをしばらくイベントに持っていこうと思いますから、ご覧になりたい方はスペースにて、お声をおかけ下さい。


 それでは、また。

IMANO USO



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