修学旅行日記テキスト・プロトタイプ

修学旅行・1日目

「はいこんにちは。私は今、羽田空港です。みんなはすでに飛行機にのり函館に向かいました。
いや、もうついたそうです。なぜ私がここにいるか?お答えしましょう!!」
……
一人芝居はいいや……

実はひょんなことから、とある遅刻生徒を待つことになった。
3箇所に分散した修学旅行なので先生の数が少なく、遅刻者を待つ役を生徒に任せてそれが私。
まあ、その代わりビジネスクラスに乗れるらしいけどね。
それにかわいい女の子と二人っきりだし。

待っているのは「寿美幸」さん。なにぶん不幸な子らしい。
遅れている理由もすごいらしい。学校いこうとしたらバスにはねられて、
トラックの荷台で数キロ運ばれたとか。それでも無キズというのもすごいけどね。

というわけでみんながいってから3時間たった。
まだこない…・

5時間たった。そろそろやばいかんじが……
ポンポン
ん?!だれだ!?肩を叩く……

「ね、ねえ。君ってひびきの高校の生徒だよね」
「あ、寿美幸さんだね!よかったあ。こないのかと思ってたよ」
「まっててくれたんだ……ごめんねー。美幸の為に……」
「いやいいんだよ。間に合ってよかったね。
って次の飛行機まで時間ないからとりあえず行こう!」
「うっうん!」

というわけで無事に函館行きの飛行機にのることができた。

「ははは……それは大変だったね」
「でしょー。美幸ってほーんとに不幸だから。」
「でも、とにかく飛行機にのれてよかったじゃない。」
「そうだねー。美幸、羽田空港にくる途中でもひょっとして飛行機に乗れないかも。
羽田空港についたとたんに最終便がでちゃうかもって思いながらきたもん」
「まあなんにしてもよかったね」
「ほんとほんと」

「きゃー」
「???すごいゆれだなあ」
「もっもしかして飛行機がおちちゃうかもー」
「まっまさかー飛行機って一番安全なんだよ」
「でも、そのまさかにあたるのが美幸なんだよー」
「まあまあ落ち着いてよ。ただの乱気流だって」

乱気流に巻き込まれて都合20分遅れて函館空港に到着した。
もう暗くなったけど。
「はい。なんとかつきました。はい……はい、タクシーでいきます。」
「だっ大丈夫かい美幸ちゃん」
「らんきりゅーであたまがぐるぐるー」
「すこし休んでからタクシーで行こうよ」
「ふにー」

「はいジュース」
「あーりがとー」
「ふー北海道はやっぱり心なしか寒いねえ」
「さーてそろそろいきましょうかねー」
「えっもう飲んだの!?」
「さあれっつごーーー」
「ほらまだふらふらしてる。休んで休んで」

「さてやっとタクシーに乗れた……美幸ちゃんはまだすこしふらふらしてるけどね」
「だいじょうびだいじょうびーーーー」
「まあ大丈夫といっているし……」

「ねえねえ。なんか先生がいっていたのより時間がかかんない?」
「そういえばたしかにきいたのより時間がかかるなあ」
「運転手さんまだですかあ」
「えーとー……ごめん道間違えた。」
「……」
「………やっぱり美幸って……不幸……」

そんなこんなでやっとこホテルについたのは……
「消灯の1時間前かあ…」
「うん、でもごはんがあってよかったね」
「そうだね。ごはん食べて御風呂入ったらもう消灯だけど」
「ほんと今日一日美幸の為にごめんねー」
「いいんだよ。なかなかこんな経験できないよ。2人旅ってのもいいじゃない」
「そうだねー。」

とか歓談していたら消灯になってしまって……
「風呂は……朝風呂にしろって」
「ははは………」