修学旅行日記テキスト・プロトタイプ
修学旅行・3日目
「小樽運河といえば」
「といえば?」
「なんでしょうー」
「なんでしょうはないでしょう」
「美幸おもえらく、昔のけんちくのなか…・」
「あー、美幸ちゃん無理すんなって。むずかしいこといわなくていいって。はいカンペ」
「まあなんといっても、運河なんですわ」
「だからなんだっちゅうねん。」
「だっちゅーのポーズなんてサービスは美幸しませんよー」
「そんなこといってへんがな。そりゃーあの二人のことやろが」
「自由行動いっても、時間短いですなー美幸そう思いますわー」
「そうでんな。こんな時間短いとなんにもできへんがな」
「まあてっとりばやくそこの水族館でもいきましょーかー御両人」
「はいな…って、わてら二人しかおまへんがな」
「こまかいこと気にしてるとー宇宙人さんにさらわれますよー」
「さらわれるのなんて、美幸ちゃんだけでんがな」
「でんがなといえば……」
「はいはいそこまでにしてさっさと水族館はいろーねー。時間ないよー」
「美幸でーす。みなさま…」
「美幸でーすなんていうガイドはいないと思うぞ」
「……ここではー様々な魚のほかにーイルカやイタリア…」
「オタリア」
「うっ…オタリアの愉快な屋内ショーや、トドやアザラシのダイナミックな屋外ショー
などを楽しむことが出来ます」
「はい解説ご苦労さん。次いくよ」
「えっ?ねーみていかないのー??なんでーー」
「不幸な美幸ちゃんがショー見てたら、大変な不幸になることうけあいだからね。」
「うっ……たしかにそうですね……」
「はい、次のとこの解説お願いしますよね美人ガイドさん」
「えへへへへ、てれるなあ美人なんてー」
「基本的なガイドさんお世辞だよ」
「……」
「うそうそ、ゴキブリヘアーがちゃーみんぐだって。はいお願いします」
「北二硝子とは、小樽を代表するガラス製品を扱う店です。」
「美幸ちゃんは入店禁止かもね」
「想像つくから無視する」
「……ごめんなさい」
「運河沿いにある3号館では世界中のランプが集まっているランプホールがあり、
もちろん、様々な美幸みたいに魅力的なガラス製品を購入することも出来ます。」
「……なんかいったかな」
「美幸みたいに魅力的なといったんだよー」
「……ぐーぐー」
「これらのガラス製品はお土産にはもっっっっっってこい。
また隣接したヴェネツィア館には、ヴェネツィア生まれの芸術的なガラスを
じっくりと堪能することが出来ます。」
「……」
「おきなさーーーーい。スパン」
「おう。どこからハリセンを……」
「美幸が説明してるってのにー」
「いよっカリスマガイドさん。説明がうまいね」
「美幸は素人!なんでガイドしてるんだろう……」
「そんな細かい事気にしていると大人にはなれないぞ」
「はいはい。つぎはと…・」
「鰊御殿だね」
「はいはい。水族館の側に立つ木造の建物が、鰊御殿だよー。
明治に行われていた鰊漁の様子や漁で使用されていた道具、寝泊りした部屋などを
見ることが出来ますと。当時の生活を窺い知ることが出来ます。」
「その漢字なんてよむんでかー」
「いやはや当時はこんなことをしていたんですねー」
「……もしもーし」
「美幸になんかようかなー?」
「いいです別に」
「あっもう時間だよ。バスにいこううよー」
「はいはいじゃあ帰るとしますか。」
「はいはい帰るとしましょうか。」