ってなに?

 ボーイスカウトといえば、名前を知っている人は多いでしょうが、その具体的な活動となると、あまり知られていないのではないでしょうか。
 街中での募金活動や、キャンプ場周辺でのユニフォーム姿を見たことがある人は多いでしょう。
 しかし、それはあくまでも活動の一部であり、本来の目的は、元気でたくましく、人の気持ちのわかる、優しい少年を育てることが目的なのです。
 ボーイスカウトとは、ボーイは少年、スカウトは先導者、つまり、自ら道を切り拓いて進んでゆく人のことを意味しています。
 健全な青少年を育成していくことが、ボーイスカウト運動の使命であるといえるでしょう。
の活動内容

 ボーイスカウトの活動は、キャンプなどの野外活動が中心です。その他、ハイキング、登山、スポーツ、屋外ゲーム、野外料理などを通して、テントの張り方、炊事や工作の仕方、ロープの結び方、手旗信号など野外活動の基本的な技術、気象や天文、動植物などの自然に関する知識をグループで学びます。
 また、野外活動以外でも、音楽、絵画、写真、演劇、コンピュータ、アマチュア無線、茶道、スポーツなど、少年たちが興味を持っているものを自主的に行う場合もあります。
 これらの活動は少年たちの年齢や発育、経験などをふまえながら、少年たちのことをよく理解している指導者によって温かく見守られています。
 日頃の活動の成果を発揮したり、多くのボーイスカウト仲間との出会いの場として、いろいろな地域の人々が集まるキャンプ大会なども実施されます。
 4年に一度開催される世界ジャンボリーでは、世界各国のボーイスカウトたちが一堂に集まり、交流を通して、国際感覚を養う絶好の機会といえましょう。
 ところで、ボーイスカウトの制服があるのは、野外活動に便利だからという理由だけではありません。どこに行っても、その制服をみれば、一見してボーイスカウトとわかり、すぐに親しい交流ができるようにするためでもあるのです。
 一般に制服といえば、団体訓練的なイメージがありますが、ボーイスカウトの基本理念はあくまでも一人一人の長所を伸ばすための個性教育が中心になっています。


の歴史

 1907年、ドーバー海峡にあるブラウンシー島で一人の元イギリス軍人と20人の少年がキャンプを行いました。都会育ちの少年たちにとっては、大自然の中での生活は夢と冒険に満ちあふれ、本当にすばらしいものとなりました。
 翌1908年、この元イギリス軍人は、このときのキャンプでの経験を元に一冊の本を書きました。この本が爆発的なベストセラーを記録し、多くのイギリスの少年たちが読みあさった、と聞きます。
 この本こそ、「スカウティング フォア ボーイズ」であり、この元軍人はボーイスカウトの創始者とされるベーデン・パウエル卿だったのです。
 彼の本名はロバート・スティンブンスン・ベーデン・パウエルといい、半生を軍人として主にイギリスの植民地で過ごしました。南アフリカのトランスバール共和国で起きたボーア戦争(1899〜1902)では、アフェキングという町を217日間にわたって守り抜き、英雄として名高い存在でした。
 その後、イギリス本国に帰還した彼は、当時の荒廃した世相をみて、青少年教育の必要性を痛感したのでした。
 当時、イギリスには軍隊式の少年団はあったものの、軍隊式の訓練では少年の興味を満たし、自立心を養うことができないと考え、個々の個性や長所を伸ばし、魅力ある人間に成長させるには軍隊式の集団訓練ではなく他の方法が必要だと説いたのです。
 ブラウンシー島での体験を元にかかれた「スカウティング フォア ボーイズ」は野外での活動でのすばらしさ、自然観察やグループ活動で野遊びの楽しさを教えていました。

 この本は当時の少年たちの圧倒的な支持を受け、読んだ少年たちは本に書かれているとおり、自分たちでグループを作っていきました。これがボーイスカウト運動の始まりです。
 こうして自然発生的に結成されていったボーイスカウトは3年後には隊員数19万人にもなりました。ボーイスカウト結成の波は世界中に広がり、1910年までにアメリカをはじめフランス、オランダ、ドイツ、デンマーク、フィンランド、チリまで及びました。
 日本でも1922年(大正11年)少年団日本連盟が結成され、全国的な組織となりました。戦時中は活動が中断されましたが、終戦後、再建の動きが活発化し、1949年(昭和24年)には、ボーイスカウト日本連盟として活動を再開しています。
 現在では世界のボーイスカウト加盟国は131カ国、1600万人に及び、スカウト経験者は2億5000面人にものぼっています。
 冷戦後、東欧諸国においても、ハンガリー、チェコ、スロバキア、が再加盟を果たし、ボーイスカウト活動の根の深さを物語っています。

ビーバースカウト

 小学校就学直前から、仮入隊できます。
ビーバースカウトは、ビーバー(小学1年生)とビックビーバー(小学2年生)に分かれます。
 ビーバースカウトの活動では、友達との遊びの中で自然に親しむということを学びます。

カブスカウト

 小学2年生4月から仮入隊できます。カブスカウトには次の課程があり、地域や野外での活動に参加します。ちなみにカブとは動物の子供という意味です。
 りすの課程−仮入隊から
 うさぎの課程−小学2年9月から
 しかの課程−小学3年9月から
 くまの課程−小学4年9月から

の部門

ボーイスカウト

 小学5年9月以降仮入隊することができます。
 ボーイスカウトでは見習いスカウト、初級スカウト、2級スカウト、1級スカウト、菊スカウトの順で進級していきます。この進級は年齢や学年とともにあがるのではなく、自発的に学んであがってゆくものです。

ベンチャースカウト

 中学校3年生の9月〜20歳未満の青少年を対象とします。
 18歳の時にローバー隊に上進するか20歳までベンチャー隊にとどまるか選択することができます。
 ベンチャー隊では班という固定された小グループを特に編成せず、スカウトの課題挑戦形態としてそれぞれ活動チームを編成し、課題が達成されるとチームを解散します。

ローバースカウト

 ローバースカウト活動は18歳以上25歳未満までの青年男女を対象にしています。
 ローバースカウトは基本的に成人を含むスカウト活動になります。それまでのビーバーからシニアまでの訓練的要素より成人としてより広範囲により高度に活動を進めていくことになります。