車のことを知らない人でもメルセデス・ベンツという名前を聞いたことがない人はほとんどいないと思います。良い意味でも,悪い意味でもベンツは高級車の代名詞でもあります。以前まではベンツのCクラスも500万を越える値段でした。しがないサラリーマンの私としてはいつかは乗ってみたいあこがれの車でしたが,値段が高いのが玉にキズでした。徳大寺さんのの「間違いだらけの車選び」を見ながらため息をついている毎日でした。しかし約4〜5年前ぐらいにはC200で430万,そして約3〜4年前には400万を切る390万となりました。そして年1回のマイナーチェンジで私が是非ほしいと思っていた,アームレスト,ウッドパネル,メタリックペイントが標準でつくようになりました。1996年の9月の日曜日,子供と一緒に「シュテルン葛飾」に立ち寄ってみました。そこには私の好みの色(ブリリアントシルバー)のC200が展示してありました。私は趣味でスキーをするのでこのときの愛車はレガシーでした。若いセールスマンの方と話をするうち,このセールスマンもスキーが趣味とのことでした。雪道の走行もことも気になったので聞いてみたところ詳しく教えてくれました。10月を過ぎると1997年のイヤーモデルがでるので,今ある在庫なら大きな値引きが期待できました。さらにスキーのため私がほしかった「分割可倒式リアシート&スキーパック」のオプション付きで「ブリリアントシルバー」のC200の在庫が日本に1台だけ(東京の日野市だったように思いますが)残っているとのことでした。そこで,「清水の舞台」から飛び降りる決心がつきました。このようないきさつでベンツC200のオーナーになりました。登録日は1996年10月1日でした。 |
下の記事は1996年「間違いだらけクルマ選び」(徳大寺有恒)からの抜粋です。
概説 メルツェデスのラインナップは、Cクラス、Eクラス、Sクラス、そしてSL、GEから構成されているが、そのなかで最も小さく、安価なのがCクラスである。 Cクラスはもともと、l90Eというシリーズであった。l90は、メルツェデスとしては比較的短時間で開発されたクルマで、メルツェデスにすればいろいろ不満が残ったのだろう。今回のCクラスでは、そこのところを作りなおしてきた。いわゆるアッパーミドルのファミリーカーとして、頂点に立つクルマであろう。日本でもよく売れていて,街でもよく見かけるメルツェデスである。日本に入ってきているCクラスは、下から200,220,280、それから250のディーゼルである。200のクラシックは、最近の価格変更で390万円にまで下がった。 バッケージング・スタイル 全長4495mm、全福1720mm、全高1420mm、ホイールベース2690mm(C200)。ボディは、ごくオーソドックスな4ドアセダンである。このサイズは日本では、なかなか使いやすい。旧190は,2665mmという当時のこのクラスとしては異例に長いホイールベースをもっていたがCクラスでは、そのホイールべースをさらに長く伸ばした。その結果、リアシートがさらに広くなっている。 ドライブフィール エンジンはすぺてDOHC。上から@2.8リッター、6気筒、200ps、28.2kgm。A2.2リッター、4気筒、l50ps、21.4kgm。B2リッター、4気筒、135ps、19.2kgm。C2.5リッター、5気筒,ディーゼル、l15ps,17.3kgm。6気筒の載る280には、サスペンションが少し固められ,スポーティなドライブに適したタイプもある。メルツェデスのエンジンは、トルク中心主義だから、200も220も、なかなかよく走る。最高速度100h/hという日本の高速道路の制限内では、もうこれで充分という動力牲能を持っている。 先進性 メルツェデスは安全で、環境になるべく順応したクルマ作りをおこなっている。Cクラスはその意味で、今世紀末のスタンダードとなるようなクルマである。同時にCクラスは、メルツェデスとして日本の生産技術を採り入れはじめた最初のクルマだ。そのため大幅なコストダウンが可能になった。そのわりには日本での値段はまだ高い。 これまで高級車というと、排気量が大きく値段も高いというイメージが強かったが、いまや世界的にそうした古い高級車観が見直されつつある。この日本でも,以前ほど,高級車がほしいネという空気は薄らいできている。そんな中で、メルツェデスの業績が順調なのは、このクルマが安全・環境についてできるだけのことをやっているからだろう。それがまた、メルツェデスが考える高級の資格なのだ。 結論 日本におけるメルツェデスの価格は、以前に比べ安くなったとはいえ、まだまだ高い。私はCクラスも、もう15%ぐらい安くなったらなと思う。200のクラシックはようやく400万円を切ったが、220も新価格480万円をさらに下げるぐらいまでいかないとダメだと思う。 巷間、メルツェデスとBMWは、彼らの収益の半分近くを日本から上げているといわれている。もし、それが本当だとすると、これはひどい話だ。なぜなら日本マーケットでは、彼らの作るクルマの10%以下しか売れていないからだ。それはいくらなんでも儲けすぎだ。メルツェデスにいわせればそれは日本人が高くても買うからだという。それなら、日本人としても、それに抵抗するためには買わないことだ。この世界では、幾らで売っても自由なら、買わないのも自由である。もし、Cクラスを買わない人が20%以上増えたら、Cクラスはもっと値下げするだろう。いまのところCクラスは、品不足なぐらい売れているから、メルツェデスはいろいろな理由をつけてさほど安くしようとはしないのである。 |