海外移住情報


世界と日本の社会動態
〜経済・企業・労働〜




経済


国家の経済力を指標するGDPの世界合計の75%前後は上位10ケ国で占められている。中でも第1位
アメリカのGDPは10兆ドルを超え、世界の約3分の1を占める。2007年度の日本のGDPは世界第2位。
1位アメリカの3分の1。一方、先進国の成長率は特別な好景気を除いて通常2〜3%前後となる場合が
多い。日本も不景気が取りざたされる前は3%代の好成長を見せていたものの、現在では1%未満の数
値となっている。ヨーロッパで経済混迷期を迎えているのがドイツ。2002年の成長率は0.2%となり、ド
イツのシュレーダー首相は、税制改革や失業保険の給付期間短縮などの社会福祉改革「アジェンダ
2010」と呼ばれる政策を推進している。尚、成長率ではアフリカ諸国のマダカスガル、モロッコが台頭
してきている。

■GDPとGNI
GDP(国内総生産)は国内で1年間に生産された財・サービスの総合計。その国の経済力を知るため
の最もポピュラーな数値となっている。類似したものにGNP(国民総生産)があるが、こちらは国内に
加え海外での生産を加えたもの。国家経済を知る上ではGNPが使われる場合が多い。また国家の生
活レベルを知る上で欠かせないのがGNI(国民総所得)。1年間の国民所得を合計したもので、国民数
で算出される1人当たりのGNIでは、国民の経済生活レベルを推察することができる。i日本の一人当
たりGNIは世界の上位を占め、アメリカよりも高くなっている。
■外貨準備高
外貨準備高とは輸入などの対外的支払に充てるために準備している外貨資産のことをいい、その国
の国際経済力を示す数値のひとつ。通常ドル決済が主流であるために、データではアメリカが除外さ
れている場合が多く、日本は世界第1位の外貨準備高を誇っている。ドル獲得の手段としては輸出の
他に観光収入などがあり、多くの国では外貨獲得のために外国人観光客の誘致に積極的。
また重債務とは海外からの借金のこと。アフリカ諸国の債務率は高く、海外からの資金で国が成り立
っている状況がうかがえ、中でもサントメプリンシペの債務率は突出している。
■億万長者
世界の億万長者歴史を誇る伝統的な富豪層は別として、世界の億万長者の中心は企業経営者。
昨今のインターネットやコンピュータ産業の発展を背景に、IT企業経営者の億万長者が増加している。
また、世界の億万長者総数710万人。日本は一国のみで17%を占め、北米、欧州地域の約半数に
値する120万人の億万長者数を誇っている。一方貯蓄がない人の割合は、2003年、不況によって40
年ぶりの高い数値・約22%になっている。
■銀行の国有化
金融経済危機を迎えると話題になるのが銀行の国有化。日本ではバブル崩壊時に日本長期信用銀
行、日本債券信用銀行、その後2003年には、足利銀行、りそな銀行が一時国有化。2008年に起こっ
た世界金融危機では、アメリカのシティバンク、イギリスのスコットランドバンク、ロイズなどの大手銀
行が実質的に一時国有化。尚、銀行の一時国有化は金融不安を防止するための国家的処置。



日本企業


バブル期の日本企業は売上高世界ランキングの上位を多くを占め、不況が深刻だった当時の米国
不動産を買い集めていたが、バブル崩壊後は立場が逆転。値下がりした日本の不動産を米国企業
が買い集めることとなった。またバブル期の主役を務めた日本の銀行は、強引な地上げや無節操な
不動産融資などの公共性を欠いた活動によって、その信用性を失うことになった。

■日本企業の凋落
日本経済隆盛時は多くの企業が「世界で最も稼いだ100社」の中に入っていたものの、2007年はトヨ
タ自動車、NTT、ホンダ、ニッサン自動車、NTTドコモ、キャノンの6社のみ。2008年の倒産数は戦後
最大の約16000社。内大手企業は33社。また世界金融危機の2009年、3月期に決算を迎えた上場
企業・約2700社の内、約3分の1の900社近くが最終損益が赤字。



日本企業の海外進出


日本企業の海外進出は、現地で合弁企業や独資企業を設立し法人化する場合と、支店や駐在員事
務所を開設する場合の二通り。海外進出している日本企業数は、カウント方法によって数が大きく異
なり、全世界で3万社、または10万社ともいわれている。
日本企業の進出と投資額が最も多いのがアメリカ。州別ではカリフォルニアにが約30%を占め、次い
でニューヨーク約16%。日本人に人気のハワイは3%を占めている。またアメリカに次いで進出企業が
多いのが中国。香港を併せるとアメリカを抜くともいわれている。中国本土への進出は、30%を占める
上海が最も多い。一方、地域別ではアジアへの進出が53%を占め、北米20%、ヨーロッパ18%、中
南米5%の順。投資額ではアメリカが第1位となっているものの、進出企業数と異なり、ヨーロッパ諸
国、カナダ、オーストラリアといった先進国が上位を占めている

■日系企業の従業員
日本企業の進出は現地従業員の雇用を生み出すために、ほとんどの国で歓迎されている。しかし、
日本人従業員は企業規模や業種によって人数が制限され、進出しているからといって自由に日本人
を雇用することはできない。一部の国では日本人従業員の就労許可取得が困難なために進出を控
えたり撤退するケースも出ている。
一方、日本人従業員として就労許可を得るためには、日本から派遣されるケースの駐在員を除き、
現地従業員にはできない仕事であることが条件とされている。海外の日本企業に雇用されている日
本人は約5万人。アジア地域がその半数を占めている。日本企業が雇用している現地従業員は世界
約350万人。アジア地域が最も多く、約6割を占めている。



日本への企業進出


日本に進出している外国企業は2007年時点で約3000社。世界に進出している日本企業数と比べる
と少ない数となっている。外資企業の中で最も多いのが40%を占めるアメリカ企業。ヨーロッパ企業
の進出も多い一方で、中国や台湾企業は各3%以内にとどまり、投資額では、 アメリカ、オランダが
際立っている。また日本は外国企業にとって複雑な市場となっているために、進出したものの撤退す
るケースも多くなっている。

■外資系ファーストフード
マクドナルドの総店舗数は約3万店。アメリカ国内が約45%、日本の店舗数は世界第2位の約15%を
占めている。ケンタッキーフライドチキンの総店舗数は約1万3千店。内、アメリカの店舗は約44%、日
本の店舗数は第2位の約9%。ピザハットはアメリカの店舗が約60%を占め、日本の店舗数は世界4位
の約3%を占めている。



賃金


日本は世界第3位の給与水準レベルで、平均年収は約450万円。日本以上に給与水準の高い国は
スイスとデンマーク。日本の月額平均賃金は38万円、スイスやデンマークでは50万円を超えている。
また、給与の高さは物価の高さとも関係し、おおむね比例している。経済発展が進むシンガポールの
月額賃金は21万円と高く、カナダとの差が4万円に縮まってきている。その一方で、月額賃金が1万
円に満たない国も多い。また高賃金国・日本のイメージ定着によって、不法就労や出稼ぎを希望す
る外国人が後を絶たない。

■男女賃金
日本の女性賃金は男性の約65%。世界で最も男女平等が進んでいるアメリカは日本とあまり変わら
ない68%。女性の管理職や重役が珍しくないアメリカでも、一般労働者の給与では女性が不利にな
っている。また、男女均等賃金の国は世界にまだ存在しないものの、最も男女均等に近いのがフィリ
ピンで、賃金格差は約95%。
■週休2日制と有給休暇
世界的に週休2日制が進み、導入が遅れていた韓国でも実施されることになった。日本の実労働時
間は42時間。ヨーロッパでは40時間以内の場合も多い。また日本の標準的な法定有給休暇は9日
間、バカンス国として知られるフランスは2003年より46日間に延長された。主要国ではドイツが32日、
イギリス24日、アメリカが13日間となり、日本よりも多くなっている。



失業


失業率の高い国は15%前後、低い国では3%前後となっている。日本はかつて失業率2%を誇り、
世界で最も低い失業率の国として知られていたが、不況によって失業率の上昇。しかし、世界的に
みれば5%前後の失業率は低い部類に入る。日本の最大の問題は、雇用機会に年令制限が設け
られている点。不況によって人件費の高い中高年の整理を目的としたリストラも多く、退職した中高
年の再就職は厳しい。尚、失業率は、国際機関OECD発表のものより、日本政府が発表したものの
方が低い。これは、国際機関数値がILO(国際労働機関)定義によるため。



物価


先進国の物価高は人件費や諸経費のコスト高に起因している場合が多く、人件費の安い途上国
で生産された輸入品は安くなっている。また途上国では輸入品は高く、周辺先進国からの輸入に
依存する太平洋地域の島々では、収入は低く物価は高いという生活しにくい環境となっている。
日本は世界一物価の高い国と称され、スーパーに並ぶ安い輸入牛肉や輸入野菜などの輸入食
品なしに生活が成り立たなくなってきている。また輸入品は輸入時の関税の有無や税率によって
小売価格が左右される。

■インフレとデフレ
安定した物価とは<−1%未満〜+3%未満の物価上昇率>のことを指す場合が一般的。
インフレは物価の上昇を意味し、収入が増えないかぎりは生活が苦しくなる。反対に物価が下がる
のがデフレ。不況などによって商品が売れないために価格が下がり、収入が増えない一般消費者
には歓迎されている。しかしメーカーや流通、販売業者にとっては利益が減少。その結果、人員整
理や給与の減少という結果を招き不況の悪循環となる場合も多い。また経済不況とはモノを買わな
い人が増える消費低下現象ではあるものの、日本では倹約や質素な生活が美徳とされてきた背景
もあり、<消費促進=無駄使いの奨励>という矛盾も生み出している。



自動車・船舶産業


世界的に有名な日本の乗用車メーカーの生産台数は、世界シェア約40%の第1位。次いでドイツ、
アメリカの順となっている。トラック・バスではシェア40%のアメリカが第1位。
一方、船舶の生産シェアは約40%の韓国が第1位で、日本は第2位。また国際商船の船籍が最も
多いのがパナマで、世界の約2割を占めている。次いでリベリア、バハマの順となっている。