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世界と日本の社会動態
〜国連・ODA・国家予算・医療〜




国連


国際連合(UN)は1945年に設置された世界平和のための国際機関。国連の理想は地球政府であ
るものの、現実はアメリカや限られた常任理事国の主導によって決議され、近年では国連の意に反
したアメリカのイラク攻撃によって、その存在意義が議論される結果となっている。
国連はニューヨークに本部があり、公用語として英語、スペイン語、フランス語、ロシア語、中国語、
アラビア語が認められている。予算編成は2年ごとに決められ、事務総長が予算案を提出後、専門
機関などで協議される。
主な機構は、国連総会を中心に安全保障理事会、経済社会理事会などの主要6機関から構成。事
務局総長の任期は5年。尚、経済社会分野には30を超える専門機関が設置され独自の活動を実施。

一方、国連加盟国は2010年現在、192ケ国。中国はひとつという原則を採用しているために台湾は
国家として扱われていない。国際司法裁判所はオランダのハーグ。また、安全保障理事会全加盟
国は安保理事会の決定を受け入れて履行する義務があり、理事会はアメリカ、イギリス、フランス、
ロシア、中国の常任理事国5カ国と2年任期の非常任理事国10ケ国で構成。常任理事国は拒否権
を持ち、1国でも反対すると決議ができない全体合意制が採用されている。指定国の軍隊が国連直
轄という立場で派遣される「国連平和維持軍」や「監視団」などは安全保障理事会の管轄。

■日本の安全保障常任理事国入りについて
日本は国連安全保障理事会・常任理事国入りを悲願の目標とし、常任理事国入り活動を水面下で
推進。常任理事国入りは軍事貢献なども懸念されるために賛否両論があるものの、国連改革の機
運が高まる中、議決権を持たないなどの制限付きでの常任理事国入りが現実的に。しかし、日本の
常任理事国入り反対を掲げる中国の働きかけがアフリカ諸国などを動かし、最終的に日本の常任
理事国入りは幻となった。尚、日本同様に常任理事国入りに積極的なのがドイツ、インド、ブラジル。



国連分担金と日本人職員


国連の運営費用を担う国連分担金はアメリカと日本が各20%前後。日本とアメリカで全体の40%
を占め、分担金割合が10%を超えるのは、アメリカと日本のみ。
一方、国連の事務局職員数は2500人。職員数は分担金割合によって決められるものの、日本人
職員数は少なく約110名。全体の約4%にしか過ぎないが、アメリカは日本の約3倍の約300名。
また、国連関連機関の総職員数は18,000人。うち日本人は475人。関連機関の日本人職員割合
はさらに低い2.6%となっている。



ODA・政府開発援助金


国連ではODAの対GNI(国民総所得)比が0.7%に達するように目標設定しているが、目標数値をオ
ーバーしている国はDAC(開発援助委員会)加盟の22ケ国の中で5ケ国(デンマーク、スウェーデン、
ノルウェー、オランダ、ルクセンブルク)のみ。しかし金額では、アメリカが最も多い130億ドルを拠出。
日本は第5位の約30億ドルを拠出(2009年)、一時期に比べると3分の1に減少している。
また、政府がODA援助金を拠出し、日本の大手建設会社が建設開発を請け負うという「ODA資金の
還流システム」は長い間利権となってきたものの、批判が大きいために、ようやく見直されるようにな
ってきている。
一方、中国は経済大国となったにもかかわらず14億ドルの供与を受けているが、もっとも拠出してい
るのが日本。内、4億ドルを拠出している(2007年度)が、軍事大国で反日姿勢、援助金の使用明細
を公表しない中国への援助には批判も大きい。日本政府は、都市部と地方の格差などいろいろと理
由をつけて当面は援助を続ける方針だが、将来的には中止の方向で検討されている。
尚、2007年度、日本の拠出が第1位になっている国は、中国の他、タンザニア、ベトナム、エジプト。
<関連機関>
国際協力銀行
日本の対外経済政策・経済協力の遂行を行う政策金融機関



国家予算


日本の予算は約80兆円。その内訳は税収が約50兆円。残りの30兆円は国債発行などの借金。
このために緊縮財政の必要性が問われているものの、一方では、公共事業費支出と消費税収入
とが同等に近いという「土建国家・日本」の姿が浮き彫りとなっている。
■日本の歳出金額を1000円とした場合の予算内訳・・・(2005年度一般会計当初予算)
・健康や生活を守るための費用 248円
・国や地方の財政を調整するための費用 196円
・国債の返済や利子の支払い費用 224円
・道路、住宅の整備費用 92円
・教育や科学技術のための費用 70円
・防衛のための費用 59円
・その他 111円
■社会保障・福祉予算
世界の社会保障・福祉予算の割合は、南米のウルグアイが先進国を抜いて第1位。手厚い福祉で
有名なスウェーデンは約45%。国家予算の膨大なアメリカでも30%前後なのに比べ、日本は約20%と
低い割合。日本政府の社会保障や福祉に対する消極的な姿勢が表われている。
■税金の国民負担率
個人所得租税と社会保障費を加えた「税金の国民負担率」が最も高いのはデンマークで約71%。
ドイツやイギリスは約50%。日本は40%、アメリカは35%。※2008年度

■教育予算
教育予算の割合が高いのは先進国を除いた国々。最も予算割合の高いマレーシアは23%。全体
の総予算額が高くないために割合が高くなっている。先進国では、欧州各国がおおむね5%前後、
国家予算の膨大なアメリカの教育費は2%。日本の教育予算は、教育科学振興費を含むと約7.7%。
実質予算では公立学校教育費の約3.6%が教育費とされ、西欧諸国の5%と比べて低くなっている。



病床・医師・看護師


主要国の中で最も病院ベッド数が多いのは福祉大国のスウェーデン。日本の病床数は世界第2位。
病少数の多い国では千人当たり10ベッド以上が確保されているが、途上国などでは千人当たり1ベ
ッドに満たない国も多くある。一方、日本の医師数は少なく、第1位イタリアの約3分の1。アメリカの
医師数は過剰気味といわれているものの、ベスト10には入っていない。
また看護師数は、主要先進8ケ国の中で、日本は低い部類に入り、1位ドイツは日本の約1.5倍。
ただし看護師数は免許所持者と就業数で数字は異なるため、正確ではないともいわれている。
■日本の医療訴訟
医療訴訟の多くは損害賠償請求による民事訴訟がほとんど。訴訟相談の内、実際に訴訟まで辿り
着けるのは半数以下の年間900件前後。1審の訴訟期間は約2年。和解を除く勝訴率は約4割。
尚、医療事故については都道府県にある「医療事故市民オンブズマン」などが無料相談を実施。
医療事故に詳しい相談員、看護師、弁護士などが対応している。
■医療事故と医師免許
医療事故が発覚する度に話題となるのが、医師免許資格。日本では裁判で有罪にならない限り剥
奪されないが、医療先進国のアメリカでは更新制度を採用している。



臓器移植


臓器移植はドナーカード制度が実施されてからは国民の意識が高まってきているものの、移植手
術数の何倍もの待機者が順番を待っている。移植手術が始まってから、最も多く行われたのは腎
臓移植だが、腎移植の待機者は実に手術数の400倍の数。ドナーカードを所持し臓器提供の意志
はあっても家族の同意が得られないケースもある。
一方、手術希望者の切実な環境を背景に、不正な臓器売買や海外手術の斡旋なども行われ、闇
勢力の資金源になっている場合も多い。



エイズ


世界のエイズ感染者総数は約4000万人。感染者はサハラ砂漠以南地域が最も多い。
一方、従来1位であった南アフリカの550万人を抜いたのがインドの570万人。インド政府では、国連
発表のこの数値が間違っていると主張し、国連などと対立。あまりにも膨大な数字による影響力の
大きさが背景にあり、死亡者数の公式的な数値発表もひかえている。
また感染率ではボツワナが第1位。実にボツワナでは全国民の約40%がエイズに感染。ロシアでは
99年から2年間の間に感染者は5倍以上に増加。東欧諸国でも感染率が上昇。中国は約65万人、
内44%が麻薬注射による感染。尚、エイズ検査が浸透していない場合も多くあるために、世界の感
染者実数は公表数の数倍以上ともいわれている。

■HIVとAIDS
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」という病原体。AIDS(エイズ)は後天性免疫不全症候群といい、HIVの
感染による免疫力の低下が原因で発生する病気のこと。HIVに感染しているもののエイズ発症してい
ない患者をHIV感染者と呼び、エイズ発症している場合をエイズ患者と呼んでいる。また感染原因は
従来の性的なものに加え、輸血や医療器具からの感染などがある。