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ロシア
モスクワ空港警察官の小遣い稼ぎ






ロシアのモスクワ空港を訪れる日本人が必ず口にする言葉がある。
暗い、地味、職員の態度が悪い…などなど。
実際に空港に行ってみると、他国ではあまり目にしない光景が繰り広げられていた。

空港で目につくのは空港警察官たちだ。仕事は空港内の警備とトランジット客の管理で、女性職員の姿
も多く、見るからに横柄な態度が旧共産圏らしい。
空港内の写真撮影はもちろん禁止となっているものの、パチパチ写真を撮っている観光客も多くいる。
そんな時、空港警察の小遣い稼ぎが始まる。

ある場所を写真に収めようとカメラのシャッターを切り、ストロボが発光した瞬間、どこからともなく女性の
空港警察官がすっ飛んできた。
このまま別室行きで逮捕されるのかと思うほど、ものすごい形相で怒っている。しかし、"カモが見つかっ
た"というような感じで喜んでいるようにも見えた。
「ペナルティ! ペナルティ! ペナルティ!」 
英語をあまり話せないために、口にする言葉は"ペナルティ"の連呼。
「ペナルティってなんだ?」
そう問うと、女性警察官はいろいろと思いをめぐらせたのか、間をおいてから口を開いた。
「あなたはトランジット客でしょ。トランジットホテルには行かせない。この空港で夜を過ごしなさい」

モスクワ空港は24時間空港。売店なども24時間営業している。いまの時刻は夜の8時だが、飛行機に
搭乗できるのは翌朝の10時。トランジットホテルに行かずに空港で夜を過ごす旅行者もいるものの、ちょ
っと長すぎる。それにすでに予約しているので、宿泊料金が無駄になる…。
「それは困る。どうすればホテルに行ける?」
女性警察官は一瞬"ニヤッ"とすると、 「ちょっとこっちに…」と言って、片隅に手招きをする。
「じゃあ罰金を払いなさい。撮影したのは事実だから悪いのはあなたでしょ。罰金を払えば、撮影した写
真はそのままでいいから…」
「罰金って、いくら?」
また間があって、いろいろ考えている。
「罰金は20ドルよ」
「20ドル…? いま、外貨は10ユーロしか持っていない」
「OK! 早く出しなさい」

財布を取り出すと、財布の中身を覗き込んできた。
「20ユーロあるじゃない」と言って、20ユーロを財布の中から取り出そうとする。
「10ユーロは今夜の飯代だから駄目だ」
そう制すると、「しょうがないわね、分かったわよ」と言いながら、財布から10ユーロを抜き取った。
自分のポケットに10ユーロねじ込むと、途端に満面の笑顔になり、「スパシーバ!」(ありがとう)と言い
ながら握手を求めてきた・・・。