海外移住情報 旅コラム


ベトナム路地裏カフェ物語







ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国。最近では日本にベトナムカフェのチェーン店が進出し、ベトナム
コーヒーファンを喜ばせている。
どこの街にもいたるところにカフェはあるものの、近代的なカフェというのはまだまだ少ない。
ほとんどは路地にイスを並べただけの露天カフェのようなもので、通称"路地裏カフェ"と呼ばれている。
旧フランス統治の影響がみられる簡易オープンカフェといったところだ。コーヒーファンにとっては、一杯
3,000ドン(約40円)前後で楽しめる環境は天国状態だ。

安宿が集まるホーチミン市のフォングーラオ地区。メインストリートのデータム通りのはずれには、道の両
側に10軒程度の路地裏カフェが並び、それぞれが競い合っている。観光客エリアと隣接しているのに、何
故か観光客の利用はほとんど皆無。
「ここに集まっているカフェは他のカフェとちょっと違うでしょ。それぞれのお店が看板娘をアピールしてい
るから、お客さんのほとんどは20代の男の子。一杯4,000ドンと少し高いけど、お客さんはいつもいっぱい。
一番嫌われるのは、あちこちのお店に出入りする人。だから皆、この店と決めたら同じ店しか入らないの」
とはいうものの、フォングーラオに長く居ると、一日に何回もカフェに足を運んで暇を潰すことも多いので、
ついあちこちのお店に入ってしまう。「浮気もの」と言われても、違うお店に入ると、それだけ多くの出来事
と遭遇したりする楽しみもあるからしょうがない。

一番の驚きは、時折やってくる警察官の見回りチエック。道にイスを並べるのは違法なために、警察官を
見つけると店とお客が一緒になってイスとテーブルを店内に積み上げる。
そのドタバタ劇はまるで漫画やドラマのよう。めったに資材没収とはならないものの、街の露天カフェが摘
発されて、トラックにすべてを積み込まれる姿を時々目撃した。

また看板娘たちと顔なじみになると、必ず「両親を紹介するから」と家に招かれる。暇なので家へ行ってみ
ると、「結婚しないか」といった両親からのアプローチ。
理由は「日本人だから・・・」といった、これまた決まり文句。
いろいろ聞いてみると、難民として海外生活する親戚からの仕送り収入が家計を支え、海外に住む親戚
が多いほど豊かな生活が保証されるという。外国人の顔がお金に見えるというのがベトナム人の平均的
意識。こういったイージーな結婚をしてしまう日本人男性が多いというのも事実らしい。

一方、ベトナムのカフェ生活にはまってしまい、路地裏カフェを開店したいと考える旅行者も多い。
現地の新聞にはカフェの売買コーナーがあり、全国各地のカフェ売買情報が載っている。ホーチミンの場
合だと10万円前後で権利が売買されていて、権利を入手した後は、営業用の備品を揃え、毎月の家賃を
払えばいいだけ。

「カフェの経営はベトナム人にとってはとってもポピュラーだから、やる気になれば誰でもできるわ。ただ数
が多すぎるから大変だけれど。そこそこお客さんが入って、経費を引くと、毎月の利益は100ドル位あれば
いいほうよ」
こう話すカフェの雇われ看板娘も、自分のカフェを出すのが夢という。
ホーチミンに長期滞在している日本人旅行者も、「利益は1万円でも、10軒持てば10万円の収入」と路地
裏カフェ開設を真剣に計画していた。