海外移住情報 旅コラム


マレーシア
避暑地キャメロンハイランド






マレーシアはとにかく暑い国である。隣国のタイやシンガポールも暑いけれど、首都クアラルンプール
の陽射しは特に強いような気がした。そんなこともあって、安宿の集まるチャイナタウンのはずれにあ
るバスターミナルから、避暑地で有名なキャメロンハイランドへ向かうことにした。

マレーシアの避暑地は、他にもクアラルンプール周辺に3ヶ所ほどある。しかし、観光客向けに計画的
に開発された避暑地のために、大規模ホテルやカジノ、高級別荘、アミューズメント施設が建ち並ぶ人
工的なもので、周辺に住んでいる人たちはあまりいない。
キャメロンハイランドの歴史は古く、統治していたイギリス人がその暑さに音を上げ、自分たちのため
の避暑地を高原地帯に作ったのがそのはじまり。紅茶の栽培を促進し、しゃれた英国風の家などを建
設整備したために、街並みの一部は英国の田舎といった感じがしないでもない。

キャメロンハイランドの楽しみ方にトレッキングがある。
いくつものトレッキングコースによって自然豊かな光景を楽しむことができ、山歩きの好きな人には堪
えられない。

もう一つの楽しみは、山に暮らす原住民との出会い。ほとんど裸でこの地域に暮らす山岳民族たちは、
人なつっこい。
「遠くから来たんだね。そんなにこの土地が珍しいのか? せっかくだからお茶でも飲んでいきなさい」
山奥で出会った山岳民族たちは、素朴な笑顔で迎えてくれた。小屋のような家に暮らし、文明とは無
縁の伝統的な暮らしを守り続けている。ただ"タバコ"には興味津々で、彼らの手造りタバコと交換して
みた。差し出したタバコを美味しそうにふかす姿が印象的だった。
「いろんな国の人がやって来て、いろんな話をしていくけど、私たちは街の文化には興味ないんだよ。
今の暮らしが一番。部族の若者の中には街へ降りる者もいるけど、結局この土地に帰ってくるのさ」

また、キャメロンハイランドには、外国人向けの安いゲストハウスが多く物価も安い。
1泊300円前後のために、欧米人バックパッカーたちが長期滞在している。
日本人はというと、パッカーたちもやってくるものの中高年のトレッキング愛好者たちの姿が一般的だ。
お洒落なホテルに泊り、名物のローストビーフを食し、一通りトレッキングや紅茶栽培などの観光コー
スを楽しむと帰ってしまう。

「俺はタイから来たんだ。タイには避暑地はないから、ここはまるで別天地だね。暑さには弱いし、山を
降りるのが嫌になっちゃうよ。ところで、日本人はなんで長期滞在しないんだ? 日本人を見ていると、
旅の楽しみ方が自分たちとは違うように思えるよ」
こう話すのはイギリス人の若者。
「生活感覚で日常的な暮らしを楽しみたいんだ。日本人はそれとは正反対。非日常的なものを求めて
いるみたいだね。日本人が忙しいというのはとても有名だけれど、せっかくだからもっと長くゆっくり滞
在すればいいのに・・・」
彼は、 気温20度前後の環境と物価の安さが気に入り、この地に数ヶ月滞在する予定だという。