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コスタリカ
二人の17歳の女の子






コスタリカというと軍隊のない国として、また自然保護先進国としても有名な国。沖合いに浮かぶ無
人島"ココ島"は映画「ジェラシックパーク」のモデルにもなった。
また、中米の中では最も治安がよく、首都サンホセなど標高の高い街は一年を通して春の気温。
なにかと過ごしやすい環境のためか、年々訪れる人が増えている。

そんなコスタリカで出会った17歳の女の子、ニ人。一人はサンホセで出会った。
「どこに行くの? この辺りは危ないわよ。でも私と一緒だったら安心よ。何故ってこの地区の住人だ
から・・・」
そういって流暢な英語で話しかけられた。
食料品や生活用品が集まるメルカド(市場)を巡っているうちに、この地区に紛れ込んでしまった。
危険地区といっても、そんなに危ない臭いはしないものの、時折麻薬患者とおぼしき人の姿が目に入
ってくる。

「英語うまいね、学校で習ったの?」
「違うわ、独学よ。学校にはいま行ってないの。親は麻薬中毒だし、家にいると何があるか分からな
いから、親戚が経営している近所の安宿に住んでいるの。観光客用の宿は高いでしょ、見にくる?」
そういって連れて行かれた安宿。ロビーには危なそうな感じの人たちがたむろし、テレビでサッカー
観戦している。フロントには頑丈な鉄格子がはめられ、部屋には頑丈な鍵がいくつもついていた。

それから数日の間、この女の子にはいろいろ案内してもらったものの、いつのまにか姿が見えなくな
った。心配していると、たまたま街で出会った彼女の友達に、彼女が麻薬所持の疑いで警察に捕ま
ったと聞いた。当分の間、釈放されないらしい・・・。

その後サンホセを離れ、リゾート地のマニュエル・アントニオ地区を訪れた。
コスタリカで最も有名な国立公園があるために、多くのアメリカ人観光客や長期滞在者で賑わってい
た。ビーチは波が高くて泳げないものの、日本人サーファーにも出会えるほどの有名なサーフ・ポイ
ントになっている。

隣接する小さな街"ケポス"では、もう一人の17歳の女の子と出会った。
場所はバスターミナルの中にある小さな古びた時計屋だった。ショーウィンドーには、最高級品として
セイコーの時計が飾られている。

「日本人? 私の時計は日本のセイコー製で、おじいちゃんの形見。でも故障したみたいで、修理に
きたのよ。私が結婚したら、子供にプレゼントして…、そうして永遠に大切にしたい宝物なの」
とても瞳がきれいな素朴な女の子。修理が可能と分かると、乗ってきたポロボロの自転車を押しなが
ら、うれしそうに帰っていった。

ケポスの人は、まなざしが優しい。首都サンホセの人々はどこか冷たくて暗い感じがして、あまり好
感が持てなかった。街を歩いていても、気軽に言葉を交わし合う場面が限られ、ラテン系の国とは思
えない感じがしていた。
しかし、ケポスは違った。みんな気軽に話しかけてきて、とてもフレンドリー。
都会と地方の違いは、小さな国コスタリカでも例外ではなかった・・・。