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トルコ・黒海沿岸トラブゾンにて






トルコというと、西洋と東洋の分岐点として不思議な魅力を持った国。イスタンブールやカッパドキアには
多くの日本女性で溢れ、長期滞在している人も多い。
しかし黒海沿岸となると、夏はフェリーで船旅を楽しむ観光客で賑わうものの、日本人にとってはあまり
ポピュラーではないエリアとなっている。
黒海沿岸にはサムソン、リゼといった街が点在している。
中でも東端に近いトラブゾンは、国際貿易港を中心にしたロシア交易がとても盛んな街。ウクライナへの
フェリーも就航し、ロシアンマーケットなども開かれている。高台に広がる坂道の多い街並みは、とても情
緒豊かで落ち着いた雰囲気。

しかし一方では、ロシア、ウクライナ、加えてグルジア、アルメニアといったコーカサス諸国、バルト海諸
国のエストニア、リトアニアからの出稼ぎ女性たちで溢れ返っていた。
「部屋はないよ。ロシアの女の子たちでいっぱいさ。空き部屋を探したいなら、この辺りの安宿を全部廻
ってみるしかないよ。多分何処もいっぱいだよ」
市役所にも近い、街の一角に固まっている安宿。どこも一泊5ドル前後で泊れるものの、部屋のグレー
ドはさまざま。
ほとんどの宿を訪ねた挙句、空いていたのは"汚い、狭い、態度が悪い"と三拍子そろった宿だった。

あきらめて、とりあえず一泊分だけ支払って荷物を降ろし、身軽になった。引き続き部屋探しのために街
を歩いていると、思わぬ幸運。
「日本人? 珍しいわね。ここはあまり日本人は来ないのよ」と言って声をかけてきたのはグルジア女性。
明日友達が帰国、泊っている部屋が空くと言うので、ホテルまで案内してもらった。

「日本人の旅行者は大歓迎さ。出稼ぎ女性の長期滞在者ばかりだから、いい加減うんざりしていたんだ。
ずっとここにいろよ、割引きしてもいいよ。いくらで泊りたいんだ・・・」。
”きれい、広い、フレンドリー”のこの宿に明日移ることにして、紹介してくれたグルジア人にお茶をご馳走
することにした。
粉っぽいターキッシュコーヒーではなく、飲みなれたアイリッシュコーヒーが飲める店を知っているという。

連れて行かれたのは裏通りのカフェ。店内は出稼ぎ女性で満員状態だった。突然入ってきた日本人に
びっくりしながらも、店のオーナーは満面の笑みで迎えてくれた。
「同じようなカフェがこの周辺にいくつかあるけど、どこも満員だよ。ここは彼女たちの家のようなものさ。
出稼ぎにやってきても、商売気があまりないから、朝から夜までここでおしゃべりしたり、トランプしたり。
みんな3ヶ月くらいはこの街にいるし、一日に何杯もここでコーヒーを飲むから一日中満員さ。ところで
日本人? 一杯おごるよ」
ここに集まる女性の多くは英語を喋れないものの、次から次へと質問ラッシュ。おかげで退屈することな
く、いつの間にか何時間も時が過ぎていった。

一方、親日国トルコは、ここトラブゾンでも例外ではない。
歩いていると、恥ずかしそうに声をかけてくるのが空手少年たち。街の市役所広場でなにかの記念式典
が開催されていた時も、空手着姿の子供たちが大勢参加していた。
目と目が合うと、誰もが日本式の"一礼"で挨拶。子供たちにとって日本人は誰でも空手の先生。
多少の知識があるだけでも尊敬されてしまう。