ゴルゴムの陰謀
えっと、「ゴルゴム」というのは「仮面ライダーBlack」の悪の組織の名前。奇っ怪な事件が起きるとすぐに「ゴルゴムの仕業だな!」となるので、こういう風に引き合いに出される・・・などということが言いたかったんじゃないはずなのに、つい、全部書いてしまった。
ここからが本題。(ま、この注釈自体が余談なんだけれど)
今回見合いという奴をやるにあたって、響谷は親に対して「はっきり言って責任は持たないからね」と釘を差しておいた。具体的に言うと、響谷のほうから乗り気になることなど、可能性としては限りなくゼロに近いのだから、むこうから断ってこない限りこちらから断る羽目になるので覚悟しておくように、といっておいたのである。(それでも見合いすること自体は了承したのは、小説のネタにでもなればと思ったからなのである。今のところ、ストレスがたまるだけでネタになりそうにはないのだが)
ところが、一度会ってみて「これはダメだ。絶対に自分には合わない」と思ったのでそう報告したにもかかわらず、「一度会っただけではっきり断るのは失礼だ。むこうから断ってきたら話は別だが、そうでない限りもう一度会ってからでも断るのは遅くない」と、強硬に主張されたのだ。実は響谷は「失礼」という言葉に弱い。なにが失礼にあたり、なにがあたらないのかが、感覚的に理解できないのである。失礼だと思っていたらそうでなかったり、失礼のないよう配慮したらその配慮が失礼にあたっていたりということがよくあるので、「失礼か否か」というレベルでの一般的な判断になると、まったく自身がない。
響谷理論によると、「その気もないのにもう一度会うなど、それこそ失礼なだけでなく、時間の無駄でもある」となるのだが・・・
そこで「好きに返事をしといて」(自分でする気は皆無)と言っておいたら、なんと「むこうがもう一度会いたいと言っていて、日付を指定してきた」というのである。そんなバカな(自分がそう言うレベルで好かれることなど皆無であるという確信が響谷にはある)と思ったのであるが、そこではたと思ったのである。ゴルゴムの、もとい、仲人の陰謀ではないかと。正確には仲人二人(こちら側とあちら側双方に一人づついる)プラス双方の親の、謀議なき陰謀ではないかと。(つまり両方ともが本人に「一度で断るのは失礼」と説得した結果なのでは、というわけだ)
正月にひいたお御籤によると、今年は縁談がたくさんくるらしい。「ということは1番目の縁談はつぶれる運命にあるわけだね」と、言ってはおいたのだが・・・