場面は監獄城の公開処刑場(コロセウムの画像)。
少女が処刑されようとしている。
コロッセウムの観客席は観衆によって埋め尽くされていて、人々は美しき受刑者が無惨な刑に処せられるのを心待ちにしている。観客席の真ん中で、遺影を掲げた被害者が、磔刑台の少女に「殺せ!殺せ!殺しても飽き足らない!」を連呼している。
少女は怯え、何故、自分がこのような場所に立っているのか信じられない様子である。その瞳は生気を失い、自らに起こった運命を理解しきれずにいるようだ。薄く白い受刑者服を手繰り寄せ、恐ろしげな断頭台を放心状態で見上げている。そんな受刑者の様子を、群衆は落ち着いて不貞不貞しい様子であると受け取ったようで、更に激しいブーイングを浴びせ掛ける。
「見ろ!奴らは反省なんかしない!もっともっともっともっともっと厳罰で望まない限り、同じ悲劇は繰り返される!」
そうだ、その通りだッ、と応する声が会場から上がり、観衆がざわつき始めた。騒ぎは次第にヒステリックな様相を帯びてゆき、警備の兵士たちは必死で観客を制止する。
殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!
激しい投石が少女に向かって浴びせ掛けられる。さながら、熱狂に包まれた神聖な祭りの儀式のようだ。石を投げつけられた少女は怯み、おびえ、痛みにただただ耐えている。少女は側に立つ、斬首刀を握った処刑執行人に、すがるような視線を投げかける。しかし、処刑執行人は何も表情を見せない。
斬首刀が振り上げられる。
少女、怯えて目を見張る表情が垣間見える。
画面暗転。真っ赤な血痕が大写しになる。
タイトルロゴ表示「断頭台の少女」。
かつてこの城は、野心的な地方貴族が、王国中央に対して謀反を企てるための要塞として建築された。しかし反乱は未然に発覚し(王国の放った内通者がいたとも、土壇場で裏切り者が出たとも噂される)、この要塞のような城だけが残った。
この城は戦略上、隣国との戦争では重要な拠点とはなり得ない地点に位置しているため、城を略取した王国もこの城を持て余していた。しかもその当時、王都にある監獄が収容人数の限界に達していて、この事件で謀反側についた多くの騎士たちを服役させるための施設も不足していた。
結局、ある武官の発案で、そのまま城の地下牢を監獄として利用することとなり、それが監獄城の発祥となった。王国中から多くの囚人が集められ、城も本格的な監獄として改築が重ねられた。結果、多くの凶悪犯や、政界を追放された要人などを収容する監獄施設として生まれ変わったのである。
城下町は比較的小規模なもので、規則正しく区画整理された建築群が、狭い城壁の内部にびっしりと密集している。
看守や警護兵たちの住む地区が監獄城周辺にあり、その周囲を取り囲むように、兵士達に食事や娯楽を提供する商店街や、歓楽街、兵士たちが腕を競い合ったりする闘技場などの施設がある。
監獄都市の最たる目玉施設は、王国中央からも多くの貴族たちが見物に訪れる公開処刑場である。鞭打ちから火炙りまで、ありとあらゆる残忍な刑が見世物として公開され、刺激的な娯楽として認知されている。処刑の見物料や、出店などの観光収入によって、大きな収益を上げている。
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