音霊使いミュージ・予備知識

ミュージのことについて、あれが知りたい、これが知りたい、なんて人のための
お気楽講座。

とりあえず、これを読んでおくと、ミュージの世界観が
少しは分かるかもね。


〜地名編〜

ヴァルスタル大陸

ミュージたちが生活している、この世界の舞台。
一つの不可侵領域(聖域)と、8つの国が存在している。
大陸の中央には大マシリス海と言われる大きな内海があり、陸地はその入り江の様に
包み込むように形成されている。
かつて、初めてこの陸地の全土を征服した”創世王”ヴァルスタルの名を取り、
名付けられた大陸。

大マシリス海

太古の昔、ここには巨大な山、マシリス山が聳え立っていたが、
龍を信仰するスレブ一族と、龍魔王ガルファード率いる邪龍一族の大戦争のときに
大噴火を起こし、マシリス山は消失、その影響で周囲の地形が隆起して、
ヴァルスタル大陸と、不可侵領域(聖域)である島々が誕生、
消失したこの山の一帯には海水が流入、大きな入り江状の
内海、大マシリス海が生まれる。

不可侵領域(聖域)”エルフアイランズ”

太古の大戦争終結後、スレブ一族が移り住んだ島々。大マシリス海に浮かんでいる。
主な島は、輝きの島、創りの島、壊しの島、浮遊島ヴォルトークの4島。
輝きの島は、マシリス山の山頂部分である。
彼らの中で、とりわけ霊力が高かった者が、大陸の各地に派遣され、
大陸の各地で守り神のようにあがめられることに。
死後、”精霊”として信仰の対象になり、彼らの墓所が”遺跡”として扱われる。

大陸の8つの国々

オーギョク王国

大陸の東に位置する最大の面積を誇る王国。国土の7割が山林に覆われている。王都はコーダー。地形上、天然の要害となっている。創世王、ヴァルスタルの故郷であり、剣王ヴィッツの故郷でもある。
物語の中心的舞台となる。別名、”剣の国”。

ファーランド皇国
オーギョク王国の西に隣接する国。王都はファルト。本編の主人公、ミュージの故郷。物語の第2の中心的舞台になり、別名”精霊の国”。

シャンバール王国
ファーランド皇国の西に隣接する王国。王都はララト。国土の8割を砂漠と山地に覆われた別名”熱砂の国”。戦いを徹底的に嫌っている。

ハッシース皇国
シャンバール王国の西に隣接する森林に覆われた王国。王都はシエイル。人間と獣人が共存している。国王はミュージの叔父である。別名”獣人の国”。

ルーン王国
オーギョク王国の北に隣接する山と平地の国。王都はミスリル。方術に必要な金属、”ミスリル鋼”の原産国。別名を”方術の国”。ヒロインミュリエルの故郷である。

ヴェナス神国
ルーン王国の西、大アームス山脈の南側に位置する王国。王都はシズル。あらゆるものを神格化し、特に大陸で有名なのは、戦の神マースと、地母神ラムス、安穏の神ヒールである。別名”神殿の国”。クリシュナの故郷である。

ザメド王国
ヴェナス神国と大アームス山脈を挟んで北に隣接する王国。王都はガレル。ヴェナス神国の国王と、ここの国王は兄弟関係にある。別名”安穏の国”。

フリズント帝国
ヴェナス、ザメド両国の西に位置する帝国。帝都はマルト。鉄鉱石の原産国で、製鉄、精錬技術が発達している。そのため、機械科学を振興する異教、バハムール新教を信奉する。ミュージ最大のライバル”盤上の貴公子”がいる国。

〜精霊術について〜

ファーランド皇国に最も濃く太古の大戦の記録が残されており、”大賢者”ラーマ=カーミラ=ヴォーダーが最初に体系化したといわれている。

基本的な考え方
全ては”時”を頂点に、
3つの柱”混沌””創造””破壊”を有し、
”光”と”闇”が人々の全ての恵みを
森羅万象の元素である
”音”、”風”、”水”、”火”、”氷”、”樹”、”雷”、”地”を以って体現する。
いわゆる、三竦み、対極、相克と強調を以って、世界は保たれていると説く。

精霊術はその力を人為的に引き出す術であり、使い方を誤ると、世界の破綻を引き起こすとも言われる諸刃の剣ともいえる技術である。

発動の仕方
念じるだけで発動できる術は、下位精霊の力に依存した術で、
高位精霊の力を発動させるには、その精霊にマッチした波動を発生させる必要があり、
楽器や歌などの演奏が最も適している。
例外として、タリスマン(ファーランドの王族に伝わる赤と緑の石)に念じる場合もある。

発動に使うアイテム
材料・・・オーギョク王国北東に位置する”エルフの森”に自生する”マジュアの木”の幹が最適。
製作技術・・・ファーランド皇国の王族に伝えられる。
製作許可者の称号・・・”マイスター”。その称号を持つ者が製作した楽器のみが、”聖楽器”として、精霊術発動の鍵になる。現在は数体しか存在が確認されていないレアアイテムである。
一つは、大賢者、ラーマ=カーミラ=ヴォーダーが所有している”タームリード”と言う縦笛
一つは”精霊王”バレル=フォレスト=ヴォーダー所有の”ブレクホーン”と言うラッパ。
一つは”聖犬王”カシム=カムジン=ファウスト所有の”アニムトロン”と言うギター。
一つは”若き自由人”フリースト=ミュージ=ヴォーダー所有の”サンルート”と言う横笛。
一つは”聖皇女”アリシア=ツァイベル=ヴォーダー所有の”ハープーナ”と言う竪琴。

確認されている高位精霊達
時精霊タイマリス(始祖霊)
混沌霊カオスシード(根本精霊)
創造霊クリスト(根本精霊)
破壊霊ブレクター(根本精霊)
光精霊ファロストス(最高精霊、または対極霊)
闇精霊クロスター(最高精霊、または対極霊)
音精霊サウン(元素精霊)
風精霊シルフィード(元素精霊)
水精霊ナーガ(元素精霊)
火精霊イーフリー(元素精霊)
樹精霊リーフェス(元素精霊)
地精霊モンモ(元素精霊)
雷精霊ヴォルタ(元素精霊)
氷精霊アイシンク(元素精霊)
以下、これらの精霊から派生して存在する数多の下位精霊。
注:これら全ての高位精霊を仲間にして使役できた精霊使いはヴァルスタル大陸史上、本編の主人公、
フリースト=ミュージ=ヴォーダー以外には存在せず。

最も効率の良い意思伝達方法
精霊術は精霊に術者の意思を伝達する事でその効果を発現する。
精霊使いはその方法によって、区分けがされる。
念霊使い
読んで字の如し、自らの念を高めて精霊に意思を伝達する種別の精霊使い。
精霊使いの中では初級者や、下級のものがこれに相当する。
歌霊使い
歌に自らの念を乗せて精霊に意思伝達種別の精霊使い。
ミュージの母、メリル=ツァイベル=ヴォーダーがこれに当たる。
中級者の精霊使いがこれに相当する。
音霊使い
楽器を使って、精霊に意思を伝達する種別の精霊使い。
楽器の和音や奏法によって、より複雑な精霊術を発現させられる事から、
上級者の精霊使いと言える。
本編の主人公、フリースト=ミュージ=ヴォーダーをはじめ、
ラーマ=カーミラ=ヴォーダー、
バレル=フォレスト=ヴォーダー、
カシム=カムジン=ファウスト、
ミュージの妹、アリシア=ツァイベル=ヴォーダー
他十数名が確認されている。
特に、最大限に発揮された精霊力を使うとき、「精霊憑依(ポゼッション)」と言う状態になり、
精霊が術者の体に融合する。
すると、考えた事全てが精霊に伝達される、最も効率の良い精霊との意思伝達方法と言える。

〜方術編〜

ルーン王国に数多くの古代文献が残されている方位や、建物、土地の造り、周囲の環境などに潜む
霊的エネルギーを引き出す術である。
いわば、私達で言うところの”風水術”とか、”家相術”、”易学”などを
発展、統合したものである。
体系化には、隊商のクレードル家が参画、大陸全土の方術関連の書物を集め、
ユリウス=ミスリル=クレードル、カレン=アニエス=クレードル夫妻によって確立された。
一人娘のミュリエル=ミスティ=クレードルが現方術協会のトップである。

方術の具現化

方術は、目に見えない効果を発揮し、長期的に影響をもたらす”潜在法”と、
体に感じたり、目に見えて効果を発揮、短期的な効果をもたらす”具現法”の
ふたつの術がある。
”潜在法”は都市計画や個人の家の建築、治水、土木事業などに多く利用される。
それに対して”具現法”については、自然現象を人為的にピンスポットで発生させたり、
怪我人の自己治癒能力を爆発的に増進させたりと言った、
ミクロ的な利用法である。
高位の方術士たちは、あらゆる気象データや、地図読解能力を必要とされ、
方術装具を駆使して具現法を施す。
方術装具は言わば、方術を施す媒体となる品物で、方術士の能力を引き出す品物だ。
身につけた術者は、念を込めながら、両手で発動したい術のための印を結ぶ。高等方術になると、
それと同時に、誓文の詠唱を必要とされる。

作中では”派風衝”や、”回復方術”、”爆裂方術”、”瞬間移動”が登場しているが、これらは具現法の
高等方術である。

これらの方術は隊商を続けていく上で、各地に潜むイレギュラーモンスターや、野獣の類から
護身をするために身に付けていったものと考えられる。

〜神聖魔法について〜

ヴェナス神国、ザメド王国に伝わる”神の術”といわれているもの。
ヴァルスタル大陸に伝承されている宗教、信仰の中では最も古い神道の力を発動する術である。
主に、医術や、防御術に長じ、攻撃的な術は少ない。
攻撃的な魔法を会得している者は”神聖戦士”とか、”神殿騎士”などと呼ばれる。
体系化や出自については諸説紛々、賛否両論あるため、これと言った定説は無い。
ただ、この術を極めた者があまりの強い力であると感じた事から、自らを律するために”魔”法とした。

一説には、太古の大戦争にてスレブ一族が使用した術ではないかとも言われている。

神聖魔法の発動

誓文詠唱と、印を結ぶところまでは方術と変わりが無いが、自らの精神力や、思いの強さが大きく
影響するのが神聖魔法の特徴である。

かつては強力な術を発動したために、死を迎えた神官もいたといわれている。
発動媒体は自らの肉体なのだ。
全身の気を集め、対象物に対して放出する。
しかし、瞬間移動については、魔法のアイテム(主に精神力を増幅させるもの)の組み合わせによってのみ可能で、1回の瞬間移動から、次の回までに数十分から半日ほどの休息が必要である。