さくら荘すとーりー

第3話  甘い生活

作:サイバスター


風呂から上がったさくらたち。先ほどの興奮がまだ冷めていない。
「凄い歓迎会だな。」
「あの子達も男性と触れ合う機会なんてないから。」
「そうなのか。」
寮生の大半は女子校通いで異性との接触は殆どないと言ってよい。そんな境遇が今日、一気にこのような形で噴出したのだろうと和也は思った。

そして、自分達の部屋に戻ってきた二人は、冷蔵庫から冷たいウーロン茶を出して、のどの渇きを潤す。
「そろそろねるわよ。」
一足先にグラスを空けたさくらは、奥の寝室に行き、クイーンサイズのベッドに滑り込む。そして、掛け布団のすそをそっと空け、和也を手招きする。薄手のキャミソールから艶めかしく伸びるさくらの脚線に和也の視線は釘付けになり、思わず和也は生唾をごくりと飲む。魔女に媚薬を飲まされたがごとく、和也はさくらに引き寄せられ、ベッドに滑り込む。湯上りの仄かなボディーシャンプーと、リンスの香りが蒲団の中に充填される。
「ねえ、あの時みたいに、してみようか?」
さくらは和也の童貞を奪ったときのようにしようと提案してきた。和也は快く応じると、さくらは和也の上に覆い被さり、積極的に和也の唇を求める。舌と舌が絡み合い、お互いの唾液が交換される。さくらの肩にあるストラップは既にずり落ち、さくらが上体を上にずらすと、それまでさくらを包んでいた薄紫のキャミソールから形の整ったバストがポロリと露出する。和也は目の前に差し出された双丘に手を当て、ゆっくりと愛撫する。そしてその頂点にあるピンク色に色づき、隆起した突起に舌を這わせる。
「はぅ〜〜ん。」
その瞬間、さくらは刹那に声を出し、背筋が反り返る。同時にさくらの足がきゅっと閉じられ、和也の股間に根を張るものが腿に挟まれ、刺激を受ける。既に和也は戦闘状態になっている事がわかる。和也が胸を弄ぶ動きに合わせて、さくらは歓びに震え、体が動く。自然とさくらの閉じていた足は広がり、和也にまたがる姿勢へと変化していく。さくらは更に左手で体を支えると、右手で和也の下着の中へと手を滑らせ、十分に充血したそれを握り締め、上下にしごき出す。和也も負けじと、さくらのヒップを包む下着の後ろから手を差し入れ、さくらの一番敏感なところを撫で付ける。そこは既に潤い、和也の指にあふれる蜜が絡みつくほどだ。和也の指の動きにあわせ、さくらの切ない吐息のピッチが上がる。更に下着を汚してはいけないと、和也は腰の部分の結び目を解く。一気にゴムの緊張が解けたさくらの下半身を包むそれは、信じられないほどの小ささにくるりと固まる。それと同時に受け入れ態勢を整えたさくらの蜜壺が外気に触れる。一瞬のヒヤリとした感覚がさくらの快感を煽り、背筋がびくりと反り返る。我慢が出来なくなってきたさくらは自ら和也の下着を剥ぎ取ると、和也のいきり立つそれを自分の濡れそぼった口にあてがい、腰をぐっと沈め、自分の中に和也を受け入れた。
「う、うう・・・・ん」
体の芯から沸き上がる悦びをくぐもった声で押し殺し、さくらは腰を動かし始める。さくらの肉壁が和也のそれと摩擦を起こす度、二人の快感へのテンションが上がる。さくらが上になったまま、その作業は続けられた。時には唇を求め合い、時にはさくらの乳房を揉みしだき、互いの体温と存在を確かめ合うように。やがてひとしきりさくらの腰の動きが激しくなると、
「和也!さくら、イク、イッチャう・・・」
頂点を迎える哀願の声が和也に投げられる。和也はそれに応えるように、
「ああ、いいよ。」
とやさしく言葉を投げ返す。
すると、さくらの肉壁が強く和也を締め付けると同時にさくらは頂点を迎えた。だが、和也はまだ果ててはいなかった。
「さ、今度はさくらが下だよ。」
繋がったままの二人は体位を変え、今度は和也のほうが積極的に腰を動かす。さくらは和也の熱意を必死になって受け止める。その想いだけでさくらの歓びは幾倍にも膨らみ、更なる快感のステップを駆け上がっていく。背中に回した手には和也の汗がまとわりつく。どうやらさくらは部屋の外に声が洩れないように、声を押し殺しているようだ。返ってそれがさくらにとって、恥辱的で快感を呼び込むらしい。
「恥ずかしがらなくって良いんだ。思い切り声を出しな。」
和也はさくらに声を掛けたが、まだ押し殺している。やおら和也はさくらから離れると、今まで結合していた部分に吸い付く。
「ひっ・・」
さくらは突然の下半身へのキスに声をあげた。これがきっかけで、さくらの理性は完全に瓦解した。
「いやん、和也、おちんちんがいい。」
さくらの哀願に和也は再びさくらの中に進入した。
「はぐっ・・・い・・・いい・・・」
「さくら、一気に行くよ。」
和也は腰の動きを一気に激しく加速した。それは和也にもフィニッシュのときが訪れる頃を意味していた。
「さくら・・・さくら・・・イキそうだ。」
「いいわ。中にいっぱい頂戴!」
「くっ・・んくっ・・・」
和也は大量の樹液をさくらの中に流し込み、果てたが、半年分の溜まっていたものはそれだけではなく、その夜、都合4回はさくらと結合し、お互い満足して眠りに就いた。

翌日、けだるい感じでさくらは目覚めた。しかし、今日からはいつもと違う朝だ。最愛の人が隣にいて、すやすやと寝息を立てているのだから。昨晩は何回頂点に登りつめたかわからないが、決して嫌なけだるさではない。

ふと気がつくと、昨晩身に着けていた下着たちがあちらこちらに散乱している。さくらは和也を起こさないように注意を払いながらそれらを片付ける。更には自分の腰の辺りがじっとりと湿っている。如何に昨晩の二人の行為が激しいものであったかを物語っているようで、さくらは全身が熱くなるのを感じていた。<今日はシーツを洗濯しなきゃ。>そう思うさくらだった。改めて最愛の人の寝顔を見ようと寝返りを打ったとき、さくらは和也のそれに触れてみた。いわゆる朝立ちの状態であったのだ。一瞬欲情しかけたさくらだったが、朝の仕事がある。後でもまた和也におねだりしようと心に決め、さくらはいそいそと仕度をはじめる。部屋に備え付けのシャワールームで入念に下半身の汚れを洗い、着替える。今日はタンクトップとスパッツで臍だしルックを決め込む。勿論下着はつけない。さくらはその格好で玄関と門を開錠し、玄関先に水うちをすると、配達された新聞を食堂とロビーに並べる。更に各部屋別にも仕分けをしておく。玄関ロビーにポストがあるのでそこでオッケー。続いてボイラーの確認をすると、今日からの新しい仕事、和也との朝ごはんの支度と、着替えをそろえ、最愛の夫を起こすのだ。
「和也、起きて。」
「う、うーん。あ、おはよう。」
「ご飯出来てるわよ。おきて。」
言われるままに上体を起こす和也。焼き魚と味噌汁の香りが鼻腔を刺激し、腹がグウと鳴る。枕もとに用意してある着替えのシャツとジーンズを着用して、卓袱台の脇の座布団に着席する。
「あ〜、顔洗ってよ。」
「わりいわりい。」
差し出されたタオルを手にし、シャワールーム脇の洗面台で顔を洗う。冷たい水の感触が和也の脳を覚醒させる。
追い討ちを掛けるようにパンパンと顔を叩くと、
「ふう。」
と深呼吸。改めて卓袱台に着くと、朝食の始まりだ。廊下では寮生たちが食堂に行くための騒ぎ声と、スリッパの音がパタパタと響いている。中には新聞を取りにロビーまで来る寮生もいる。決まって彼女達は管理人室に元気に「おはようございます。」と声をかけて行く。さくらも和也もニコニコして彼女達の挨拶に自然と応える。和也は昨日来たばかりだと言うのに、長年いるようなかなりの順応性を持っているようだ。

和也はその並外れた順応性の高さで、学生と管理人の両立を器用にこなし、一ヶ月が過ぎていた。

「そろそろあいつにもここの仕切りをしてもらわなければな。」
「そうですね、父上。」
「大学のコーチだけじゃ、だめですわ。是非とも支部長にはなって頂かなくては。」
「うむ。」

都内のとある道場で、ある家族が会合をしていた。どうやらこの家族と和也君は関係がありそうです。
ラブラブハッピーなさくらとの生活に暗雲が立ち込めてきそうです。

次回、さくら荘物語、急転直下の展開、ご期待くださいませ。