YS−11は当時世界でも最も厳しかったというアメリカ航空当局の規準に決死の努力で到達したばかりでなく、当時の世界中のライバル機に比しても驚くべき性能を発揮してきた。ただし、オランダの名機フレンドシップのトレンドが過ぎ去り、時代が変わってからの登場となったあたりは当時のマーケティング担当者の敗北である。実際アメリカへも相当数のYS−11は売れたというのだが、現在はツーソンにある「飛行機の墓場」に少なくないYS−11が眠っている。しかしYS−11の銀色の翼はパリモードを美しく纏ったフランスのジェット旅客機・カラベルと並んで、世界で最もキュートなリゾート定期便向けフリートのように思われなくもない。 |