YS−11はDC−8あたりの時代には十分に大型の機材であった。が、ジャンボによる、国内線フライトよりもずっと安い海外ツアーでジャンボ機があてがわれる時代にあって、ナローボディ機の持つモードテイストや贅沢感、至福というものはあまり認識されることがない。所沢在住のCLUB(クラビー)な老若男女あたりにそこまでの美意識を求めるほうが無謀というものには違いがないというものだろうが、それは日本が大船に乗れば皆助かる(裏を返せば沈む時には皆沈む)という伝来仏教的な風土が大衆の間に根強いからだろうが、欧米ではずんぐりしたボーイング767よりもスリムでスマートなナローボディ機757の方が人々の間での評価が高いムードが強い。一方、中古車ばかりが走っている実用車至上主義的な風土のはずの所沢界隈でも、76万の中古パジェロがイエローヤンキーじみたやば系の女を乗せながら、我が物顔で118万円の新車軽ターボに威圧を加えるという悪しき因習が残っているようだ。因習には全然関係が無いのにこんなところまで猫を乗せてミニカーで出かけていく僕も物好きというものだが、クリスマスイブにカップルで日帰りフライトするにはおよばなかった、寂しい20世紀最後の年であった。バイト明けのイヴの待ち合わせは飛行機の前で、みたいな話はあまりきかないが、無関心なようで実はむっつりすけべなよこしま系飛行欲の持主が、所沢界隈には老若男女問わずとても多いのが特徴だ。 |