読書履歴2001年4月


新刊9冊+古本9冊 = 合計18冊

9[4/29]M.オドム/バーティカル・リミット(ソニーマガジンズ文庫)
なんか後味があまりよくない….
7,8[4/19]ダン・シモンズ/ハイペリオン(上下)(ハヤカワ文庫SF)
一つ一つの物語はいろいろなアイディアで面白いのだが, これがお互いどう関係していくのかがなかなか見えてこないのが少々もどかしい. 更にそれぞれの謎に至っては全く解決しないまま終わってしまうため拍子抜け. 没落まで続けて読むべきものなのだろう.
6[4/16]久保田弥代/アーバン・ヘラクレス 2.ポセイドン・ランナウェイ(ソノラマ文庫)
今回も時間的リミット付のネタだったが, お子様2名と恋人付で雰囲気がだいぶ変わった感じ. 別にハードボイルドでなきゃいかんとはいわんが主犯が詰めの甘いお子様となるとこうなってしまうのかなぁ. 希望としてはもうちょっと手に汗握ってみたかった感じも.
5[4/14]岩本隆雄/イーシャの舟(ソノラマ文庫)
導入の雰囲気がだいぶ変わったが本編に入れば話の筋は新潮版とほぼ同じ. 鵺姫真話の後に読むと純ちゃんの先を思いながら読めてちょっと違う味わいになった.
4[4/13]小林光恵/ナースマン新米看護士物語(角川文庫)
入院していた時にいた看護士さんは力仕事にはだいぶ使われていたけど, あとは同じような感じかなぁ. 若い男としてはやっぱすてきなおねえさんの方がよいのである. 話の方も実は男だから云々というのは話題になる割にはあまり答えにはなっていないような気もするが, 実際はそんなものなのかも. 必要とされる割にはいないという広報みたいなものと考えて読むのはちょっとひねくれすぎか.
3[4/4]中井紀夫/遺響の門―サイレントゲート―(デュアル文庫)
歌が心を動かすというのはよく分かるが, 主人公の言葉嫌いは説明意欲の放棄みたいで, どちらかというと面倒くさがりの方に根が近いような描写のされ方をしているような気がする. ところでこの作品に限らずデュアル文庫ってイラストがあまり効果的でないような気が.
2[4/3]嬉野秋彦/フェアリーランド・クロニクル 彼の知らない森(スーパーダッシュ文庫)
戦い時にかなり飛び回っているんだけどこれ, かなり無駄な動きしてそうだよなぁ. 人間で慣性を無視した動きが出来ない以上絵としてはいいかもしれないが想像してみるとなんか無茶な気がしてくるのだけど. まあ話としてはこの感じだと魔王がどうのよりやはり妖精や魔人のやたらと屈曲した(?)親子関係の方が見物になりそうだ. ただ今後軽い文体でどこまでどろどろした人間(?)関係に踏み込むか, どうなんだろ? でもしないと話が薄っぺらくなりそうだしなぁ.
1[4/1]嬉野秋彦/フェアリーランド・クロニクル 泣かない女(スーパーダッシュ文庫)
やはり文体が軽いんだね. 口語調交じりの文章が読みやすさを誘っているか, 小説としての楽しみを壊しているかはちょっと微妙かも. ただ太字はともかく, 擬音語の使い方はもうちょっと厳選した方が良いかもなんて思ったりした. あとがきで作者自身が触れていたが妖精, 魔人の親子関係に少し興味をひかれる所があるので, 話の展開と同時にその辺に注目して読んでみたい.