読書履歴2001年1月
新刊36冊+古本7冊 = 合計43冊
- 36[1/31]秋津透/ハルピュイア奮戦記 1.翼の誕生(ハルキ文庫)
- 状況が分かっただけで, まだほとんど話がはじまっていないような気がするが?
- 35[1/31]林譲治/侵略者の平和 第3部 融合(ハルキ文庫)
- 最後になんかえぐい展開. いろいろな立場の人間がそれぞれの立場で考え,
動いている状況が非常によく書けているように読める一方で,
時々ふっと各グループ内での思考が妙に一方向に偏っている雰囲気があるところがあってちょっと気にったが,
こういう状況ではつい細かいところは全体の雰囲気に流されてしまうことも多いから,
これはこれで問題ないのかな….
- 34[1/30]林譲治/侵略者の平和 第2部 観察(ハルキ文庫)
- 33[1/29]林譲治/侵略者の平和 第1部 接触(ハルキ文庫)
- 32[1/28]笹本祐一/天使の非常手段RIO 1(ハルキ文庫)
- 背景描写がだいぶ今現在を基準にした未来予測的に書き直されていて,
それがかなり丁寧に触れられている. ある意味書き過ぎという気もしなくはないが,
先に続くらしいからそちらで生かされるものと期待しよう.,
- 31[1/28]古橋秀之/タツモリ家の食卓 3.対エイリアン部隊(電撃文庫)
- イマイチ話が膨らまないというか.
- 30[1/27]古橋秀之/タツモリ家の食卓 2.星間協定調印(電撃文庫)
- 29[1/27]鈴木光司/ループ(角川ホラー文庫)
- 結末も悪くないし(ホラーじゃないけど),
伏線の張り方やキャラ造形, 書き込み度なんかはなかなか見事だと思うが,
前2作を受けてという書き方になんか微妙に違和感が.
- 28[1/26]安井健太郎/ラグナロク 8.翡翠の罠(角川スニーカー)
- 相変わらず熱いですな. なにやら超人ぶりを発揮しているキャラがぞろぞろいるし.
だいぶキャラが入り組んできた上にレナが裏を書きまくってくれたので,
そういう意味では楽しくなってきた.
- 27[1/25]鷹野良仁/フィールドオブスターライト 砂漠の花嫁(角川スニーカー)
- キャラ数の割に書き込み不足でダイジェストでも読んでる印象.
- 26[1/25]上遠野浩平/ぼくらは虚空に夜を視る(徳間デュアル文庫)
- ネタ一つずつはそれほど際立っている感じはしないが,
組み合わせた時のキャラの動きは間違いなく上遠野節.
ブギーポップの雰囲気が好きな人ならいいのじゃないかと思いますが.
- 25[1/24]北方謙三/彼が狼だった日(集英社文庫)
- ハードボイルドでしかも読後感にどこかさわやかさがあるところがいいのかな.
なにやら人は殺しまくってますけどね.
- 24[1/23]萱野茂/アイヌ歳時記 二風谷のくらしと心(平凡社新書)
- もうほとんど昭和の話であり日本人がだいぶ入り込んでからなので,
ちらちら日本の文化も見える暮らしぶりとなっている.
しかし神様を気軽に解雇とか月や太陽には祈っても変らないから祭らないとか,
こういう点でも生活に密着しているというのが面白い.
- 23[1/23]米山公啓/医者の健診初体験(集英社文庫)
- タイトルはエッセイのワントピックだけで, 別にその健診の体験を元に,
何かを主張しようとかそういうものではなかった.
まあ医者といえども大学のだから, 裏に入るとあまり通常の学者連中と変らんなと.
- 22[1/22]荻野目悠樹/双星記 3.遠すぎた星(角川スニーカー文庫)
- うーん. 凶悪なところで終わってる. 次が待ち遠しい.
破片の慣性運動はきちんとリアルに書いてあるのに艦隊運動の描写がイマイチなのは,
やはり石のおかげで高機動出来てしまうせいか.
ジェシカの活躍(?)のところの描写は結構いいイメージでよく出来ていたと思うけど,
全体としては物足りない感もある.
- 21[1/21]荻野目悠樹/双星記 2.世界の彼方の敵(角川スニーカー文庫)
- 前巻設定話は大体終わっていたから, その分今回はなかなか読み応えアリ.
"石"の設定がどんなもんかなぁ.
エネルギーを引き出す手段としてはちょっと引っかかるけど.
- 20[1/21]荻野目悠樹/双星記 1.千年に一度の夏(角川スニーカー文庫)
- こちらの方が後半の展開は楽しいが, やはり前半が動かなすぎ.
いくらはじめから長編を意識した構成とはいえ, ちょっとなぁ.
- 19[1/20]荻野目悠樹+田中芳樹/野望円舞曲 1(徳間デュアル文庫)
- なかなか一筋縄ではいかなそうなキャラが揃っていてそういう意味では先が楽しみなのだが,
ストーリー的には最後の一発芸的な色彩が強い感じがして,
それにしてはそこにたどり着くまでが長すぎる. できればもうちょっと前半からつかみを入れてもらいたいところ.
- 18[1/19]水野良/魔法戦士リウイ6(富士見ファンタジア)
- 薄かったのはともかく. この中途半端な辺り, つまり最初のどこが勇者だみたいなギャップと仲間の見る目みたいなのはそれ自体楽しめるし, 成長してヒロイックになると冒険譚がうまければこれもいいのだが,
まだ未熟だけど成長していてヒロインがあーだこーだいいながら惹かれていく段階というのはなんか手垢付きって感じがして.
まあ王道とも言えなくもないからこういうのが好きな人はそれでOKなのかも.
- 17[1/19]茅田砂胡/王女グリンダ(Cノベルズファンタジア)
- デルフィニア戦記の過去の書きかけバージョン(?)らしい.
デルフィニア戦記は非常に笑えるらしく, 話自体もなかなかいいらしいのだが,
こちらを読むと, 確かに時々クスッと笑えるのだけど電車の中でも全くOKなレベル.
ちょっと期待し過ぎて肩透かしくらった感じ.
だが話自体は筋も通っているしキャラ立てもうまいし,
やはりリィ=グリンダの設定がうまく効いているようだ.
後は文章の練り方と効果的な味付け方, なのかな? なにせ十ン年前の作で,
現在はちゃんと他に楽しい話を書いているのだから, 今更どうこう言っても意味ないが.
- 15,16[1/15,1/17]C.アサロ/スコーリア戦史 制覇せよ, 光輝の海を!(上下)(ハヤカワ文庫SF)
- 1作目がコシマキ(アメリカ版星界)に煽られた挙げ句肩透かしを食らい,
前作に至っては話自体イマイチ楽しめなかったので,
正直今回買うかも迷ったのだが1作目の続きということもあって結局読んでしまった.
まあ結局話の本筋は宇宙規模のロマンスということだけど,
前に比べると恋自体は成就してその分の行動がはっきりしている分,
流れ的にその他の部分の書き込みも十分読めてそれなりによく感じられた.
でもできれば1冊に入る分量にして欲しいなぁ.
- 14[1/12]岩本隆雄/鵺姫真話(ソノラマ文庫)
- たとえ10年ぶりだろうとちょっぴり甘いストーリーテリングは健在であった.
ところどころでころっとSFになる描写スケールがいい感じ.
逆に言うとちょっとストーリーに対してそういう味付けが強く感じすぎるきらいもなきにしもあらずかもしれないだが,
私的にはまったく問題なし.
- 13[1/11]一条理希/H.O.P.E.(スーパーダッシュ文庫)
- 医療ものだが, 第二外科の設定がさすがにちょっときついのではないかと思った.
いいところで続きになってしまっているけど流れとしては悪くないと思うので,
その辺がもう少し書き込めるとずっと楽しめると思うのだが.
- 12[1/10]清水文化/ヘッポコあんてぃ〜く 至極のカオスでぇ〜と(富士見ファンタジア)
- 特に話に工夫がある訳でもなし,
単純至極だがそれなりに楽しいしお気楽には読める.
まじめに読むようなものではないと思うけど, まあ気分転換には.
- 11[1/10]榊一郎/ストレイト・ジャケット 1.ニンゲンのカタチ〜THE MOLD〜(富士見ファンタジア)
- 読んでいて「なぜ魔法&魔族という名前なのか」というのが非常に気になった.
根幹原理が分からないまま世界中に広がるというところにも,
ものによってはもちろん有得ないことではないけどちょっと違和感を感じる.
なんとなくだけどね. それでなんとなく設定が先に立ちすぎている印象を受けるのかな.
キャラ自体に魅力がないとかで影が薄くなるとかそういうことはないので,
読めるレベルににはなっているのだと思うけど.
- 10[1/10]R.アスプリン/魔法探偵,総員出動!(ハヤカワ文庫FT)
- グィドによる語りで今までの話のおさらいみたいのもあったから,
忘れている身には助かるけど続けて読むとどうかな….
話は裏目に出具合がナイスで楽しめた.
- 9[1/9]山田正紀/ナース(ハルキホラー文庫)
- いやはや, よく飯食いながら読めたもんだ.
話の順番が時間軸とは入れ替わっているが, おかげで最初のインパクトは大きかった.
最後の描写が, びっちり書かれた臭いそうな読後感を少しさわやかにさせていていいかも.
ただナースはなんちゃら〜という記述が繰り返されすぎてちょっとしつこい.
- 8[1/8]朝松健/魔障(ハルキホラー文庫)
- 3作目「追ってくる」が恐いっす. 怖がりさんとしてはこんなのでもキツイ.
2作目「忌の一族」はどちらかというとやりきれない感じ.
S.キングの読後感をもうちょっとグロくしたのかな. こちらの方が古いのだけど.
1作目「魔障」は背中をぞくぞくさせながら読みつつも,
オカルトでぇすという雰囲気が強いので, 人事しかもフィクション,
みたいな読み方をするとそれほどでもないか.
- 7[1/8]秋津透/放課後宇宙戦争 6.放課後宇宙戦士の災難(ファミ通文庫)
- なんか最後駆け足. 黄銅鉱人の年齢がひとつ話のキーになっているけど,
あまり黄銅鉱人自体のキャラ造形に関してはそれらしい感じがなく中途半端だったかも.
- 6[1/7]浅田次郎/月のしずく(文春文庫)
- 少し屈曲した恋愛短編7編だが, 話の持って行き方はさすが.
- 5[1/6]的川泰宣/宇宙に取り憑かれた男たち(講談社+α新書)
- もとが神奈川新聞のコラムということはいくらかは読んでいるはずだが,
あまり記憶に残っていない.
ガガーリンからアポロ辺りの話は有名だから皆知っていると思うが,
19世紀以前の話とかV-2の話とかは興味深く読めた.
内容は宇宙に取り憑かれた男が他の宇宙に取り憑かれた男たちについてまとめた話だから,
興味ない人が読まされて楽しめる話とまではなりきらなかったような気がするが.
- 4[1/6]前田哲男/在日米軍基地の収支決算(ちくま新書)
- 現在の日本側負担の使われ方に主眼を置いた話だが,収支決算というにはちょっと?
それはともかく, やはり金の問題は重要である.
安保のあり方と密接な関係であるだけに, 逆にアメリカと中国や韓国に挟まれて,
安全保障に関して十分に論議が出来なかったツケではあるよな.
政府の変節無節操弱腰ぶりを追求するのも大事ではあるが,
その辺までちゃんと踏み込まないとあまり議論にはならないかと.
- 3[1/5]谷岡一郎/「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ(文春新書)
- うーん. 過激だと書いてあるけどなんかあたりまえに見えるが….
ということは俺は一応統計操作法に関してはそれなりに認識しているということなのだろう.
そりゃ自分でも裏では何かとゴミ生産してるし.
もちろん嘘は書けないけど欲しい結論のためにいろいろひねくり回しているからなぁ.
ともかくこういうことをまとめて警告することはやはり必要であろう.
年末に教育なんちゃらのところで情報選択能力が重要って書いたと思うが,
能動的なデータ収集よりこういう新聞等メディアからの受け身の情報の方が普通は多いのだから,
やはりその際の統計手段みたいなものはしっかり認識しておくべきであろう.
一般の勉強キライの人と話していて, 数学のどこが役に立つんだ, という話には俺は,
統計が分かるところまでやっておかないと騙されるよって答えているんだが,
大事なことだと思いません?
- 2[1/4]円山夢久/リングテイル グードゥー狩り(電撃文庫)
- 話がちっとも終わらないだけになんとも評価しずらいが,
腰を据えて大河ファンタジーをやるのなら,
もうしばらく「現在」をきちっと書いてからの方がよかったのではないか.
なんとなく話がまだ落ち着かない感じがする分,
話の完成度, 成熟度としてやや見劣りする印象がしてしまうのではないかと.
- 1[1/4]円山夢久/リングテイル 凶運のチャズ(電撃文庫)
- 最初の何気ない女の子らしい場面がなにげに後半との対比で生きていたかなと思うが,
それはそれで, もう少し後半はいじめてみてもいいんじゃないかなと思った.