読書履歴2002年4月


新刊17+古本1冊 = 合計18冊

17[4/30] 市川丈夫/ダークフロンティアブルース 3(富士見ファンタジア文庫)
傭兵に急襲された二人だったが, 彼らとの出会いから新たな展開が.
どこまでも健気な12歳の少年主人公だけに, いじめられて這い上がってこその盛り上がりかなぁと勝手に思っているが, その点2巻は悪くないが3巻はイマイチ物足りなさが残った. 敵魔族のパターンが決まっていて段々強くなっていくだけで解決に工夫が見られるとかそういう感じの話ではないので, やはり売りの主人公のキャラクターは十分生かして欲しいなと.
16[4/28] 市川丈夫/ダークフロンティアブルース 2(富士見ファンタジア文庫)
ルシフェルの邪宗紋を持つ少年聖戦官ジャスティスは相棒の戦鎧鬼ライオットとともに, 魔物に取り囲まれ篭城戦を行っているワイマールの救出に向かう.
15[4/27] 定金伸治/Kishin 姫神 II(スーパーダッシュ文庫)
卑弥呼亡き後大倭を巫女王として治めるために動く少女, 台与がいた. 卑弥呼の皇子忍穂の力を得るため, まず彼女が猪と対峙したのだが…. 日本古代ファンタジー.
ジハードを読んでいないのでこれが初めてとなる定金さんの作品. 史実と伝説と神話とフィクションをごちゃと取り混ぜて, どこからがフィクションというのをあまり感じさせないということは良く話が練られているということだろう. こういう国を治めるような話では多くの脇役のキャラクターも重要. 今後うまく問題ない範囲でいいキャラを「創って」欲しいかなと.
14[4/27] 定金伸治/Kishin 姫神 I(スーパーダッシュ文庫)
13[4/26] 嬉野秋彦/フェアリーランド・クロニクル 5.母の力(スーパーダッシュ文庫)
事実を知ったシャリオの母子から命を狙われるがまったく動じずに相対するサイフリート. この関係の中で, プリムローズとベルルールの心境に変化が. そんな中で300年に一度の異界との間の門が開こうとしていた. 歪んだ親子愛の結末は. 最終巻.
最初から最後まで「愛情」の示し方が普通でないのだが, 心理的にはある意味深く掘り下げられそうなねたにもかかわらずそれが話の中ではあまり深くならないあたりがライトノヴェルズ故なのかどうかはともかく軽い小説のもとかと. また, 負けたら異界へ逃げてそちらで活躍というのもよくあるお気軽結末パターンなのだが, 親から離れるというところでもうちょっと掘り下げると少し話が深まったのではないかという印象が残り, もったいないかなと. これで完結だがこれらからちょっと物足りない印象が残った.
12[4/25] 嬉野秋彦/フェアリーランド・クロニクル 4.魔人眼(スーパーダッシュ文庫)
魔王を倒したサイフリートだったが, 瞳の色が銀色に変わってしまう. その事実を知ったシャリオの母親は突如サイフリートの母親を訪ねる. 徐々に隠された真実が明らかになっていくファンタジー第4弾.
強制マザコンファンタジー(?)ということで, なかなか話に入りにくいのは相変わらずかな. まあ真実を明らかにといっても伏線段階でほぼ明らかだったのでそれ自体よりは, 明らかにした上でこれからどう決着をつけるのかの方が大事ということだと思う. 特にベルルールなんか今回は完全に脇役になってるし.
11[4/23] 上遠野浩平/私は虚夢を月で聴く(デュアル文庫)
友人が「消えて」しまいそれを覚えていないという悩みに悩まされる女子高生弥生は, 作家幾乃を通して探偵に調査を依頼するが, これをきっかけに夢と現実の間に落とされる. ナイトウォッチの2作目, vs. IMAGINATOR part IV.
夢側のしかも「学生時代」という若い悩みで満ちている年頃のキャラが話の主体になるという, 独特の足元の危うさの中での視線が魅力的な作品だと思うが, 今回はかなり地味目な感じ. また節目節目で「少女」が誘導していくため, 話の展開にあまり意外性がないと思うし, アクロバティックな内容が好みの若い人にはちょっと厳しい内容かもと思った.
10[4/21] 五條瑛/プラチナ・ビーズ(集英社文庫)
脱走した在日米兵の惨殺死体が発見されたのと前後して, 米軍の情報アナリスト葉山は北朝鮮政権内部での動きに関する情報を入手する. 諜報活動の中で徐々に真実に近づく彼がたどり着く結果とは. 日本を舞台に米朝関係の裏でうごめくスパイ戦を描く.
なにせ765ページもあり, それに見合った読み応えもある. 現実の事件と虚構をうまく組み合わせていてそのあわせ方を読むのも楽しい. 米朝という現在の世界で両極端な体制のせめぎあいの中で, 米軍情報機関の元で働く日本で育った日系アメリカ人という微妙な立場の主人公が思想的にもうまいバランスをとっていて, 現実を突きつけつつあまり嫌味も残らない辺りがよく出来ていると思う.
9[4/20] 川又千秋/反在士の指環(デュアル文庫)
全銀河を舞台に果てしなく戦い続ける二大勢力により故郷を滅ぼされた「虚の世界」を操る美貌の少年で反在士の「ライオン」は復讐を誓って火星にやってきたのだが, 既にその時宇宙はこの「虚の世界」とつながる超跳躍航法の乱用により綻び始めていた.
ぽろぽろぶっ壊れていく宇宙というスケールの大きいさを感じられるという意味では面白かった. が, 最後のは何?
8[4/18] T.グッドカインド/真実の剣 第1部 魔道士の掟 5.白く輝く剣(ハヤカワ文庫FT)
森の案内人をしていたリチャードはある機会に美女を助ける. しかし彼女は隔てられた魔法の国から来たのであり, 魔王による世界制覇を防ぐために, 伝説の魔道士を探しに来たのだという. 彼女を助けながら動き出した彼だったが, その彼もまた重要な力を帯びていたのであった.
設定はバリバリの剣と魔法のファンタジーであるが, どちらかというと頭と愛で話が進んでいくので事態の打開が力技でない分が楽しめる. 主人公が何かといじめられまくり, 勇午とマゾ競争させたいくらい(?)だが, 虐げられる中でこらえる際の信念という点で人間の本質を突くという部分ではあまり深くないかなと. まあ愛情一本でもいいんですけど.
7[4/17] T.グッドカインド/真実の剣 第1部 魔道士の掟 4.結ばれぬ宿命(ハヤカワ文庫FT)
6[4/15] T.グッドカインド/真実の剣 第1部 魔道士の掟 3.裏切りの予言(ハヤカワ文庫FT)
5[4/15] T.グッドカインド/真実の剣 第1部 魔道士の掟 2.魔法の地へ(ハヤカワ文庫FT)
4[4/14] T.グッドカインド/真実の剣 第1部 魔道士の掟 1.探求者の誓い(ハヤカワ文庫FT)
3[4/12] 前田耕一郎/新コロナシリーズ 47.電波の宇宙(コロナ社)
より身近になりつつある電波に関し, 宇宙のさまざまな所からやってきて観測される電波とその観測の歴史などについて平易に解説する.
これはちょっと事情で借りて読んだ本. 後半3-7章はオーロラ領域からパルサーまで各種宇宙電波観測の話が分かりやすく書かれていると思う. 放送や携帯などだけでなく, 自然界にもいろいろあるということで, 興味を持った人なら楽しめると思う. 最初の2章で電波の概要や発生メカニズム, 観測方法などについて書かれているが, これだけ読むとやや教科書チックな感じ. どんなもんですかね.
2[4/5] 水樹和佳子/共鳴者(EXノベルズ)
人に共鳴する能力を持つ斎木はアイドル瑠那の歌を聞いた時, 彼女が同等の力を持つことに気付く. そして彼女もコンサート中の事件から助けてもらった彼に気付く. しかしこの事件をきっかけに, 世界が事件で揺れ始める. そして彼のこの力は「ち霊」を封じるため, 彼の一族に伝わる力であった.
1[4/3] 深沢美潮/フォーチュン・クエストL 2.静かな湖畔のモンゲーナ(電撃文庫)