読書履歴2002年7月


新刊21+古本0冊 = 合計21冊

21[7/31] 小川一水/ここほれONE-ONE! 2(スーパーダッシュ文庫)
この作者の技術職業者SFの今回は土木編. 大法螺吹きもやっぱりこれくらい規模がでかいと気持ち良いのだが, 不満はやっぱり埋めてそのまま終わっちゃうことでしょう. あんなもの1万年もほっとくわけ無いじゃん. その前に仕組みを解明してやるぜって絶対思うはずだよ, うん. 後はしいて言えば, 長老と一般人の間に入って山水GTの面々と自然との力関係があまりうまく浮き出なかったような気がしなくも無いのだが, まあそれは欲張り過ぎかも. 話がたるむことも無く, キレのよい密度の高い話にはなっていたと思う.
20[7/30] 田中芳樹/田中芳樹初期短篇集 緑の草原に……(中公文庫)
例によって再読. 読んだと思って読むと結構覚えているもんで.
19[7/28] 小川一水/ここほれONE-ONE!(スーパーダッシュ文庫)
18[7/28] 小川一水/追伸・こちら特別配達課(ソノラマ)
なんかよくわからない前巻の続きで完結編. 今回は変なものを運ぶ訳ではなくて, どちらかというと普通郵便で郵政族本流と競争していただけ. カーチェイスにしても京都回りにしても山登りにしてもなんかとってつけた感じで, それぞれだけ読むときちんと盛り上がりをテンポよく書いて悪くないのだが, 「郵便の本質」を求めるあまり, 逆に行き当たりで暴走しているだけみたいなイメージが残ってしまった. まあ実際にまじめに暴走しているのだから暴走させておいてもいいのだけど, 私にはあまりぴたっと話の枠内に嵌まった感じはしない.
17[7/27] 竹河聖/風の大陸 第22部 告発(富士見ファンタジア)
相変わらずのろのろとそれでも話が動き出している太陽帝国編だが, ぼちぼち終わるらしい. このペースだと最後だけ一気に急展開かも? または尻すぼみという可能性も….(ぉぃ) でもまだ完結はしないのか. グイン・サーガの5倍くらいかけて100冊書いたりして(笑). はいはい付き合いますよ.
16[7/26] 竹河聖/風の大陸 第21部 地の書(富士見ファンタジア)
15[7/24] 秋田禎信/エンジェル・ハウリング 3.獣の時間-from the aspect of MIZU-(富士見ファンタジア)
14[7/24] 秋山瑞人/イリヤの空, UFOの夏 その2(電撃文庫)
電撃hp連載の秋山瑞人初の連載作品. ヒロインが普通でないだけで, 今回はあまりSF臭を漂わせつつあまりSFっぽくない感じの学園青春ボーイミーツガールストーリー. この作家らしい雰囲気とお約束の展開を織り交ぜつつ丁寧に胸キュン系(?)に仕上げていく辺りは好感持てるが, 文庫1〜2冊内程度には話のメリハリをつけて盛り上がるところをつけないと, ちょっとものたりないし, そのうちだらけるんじゃないかという心配もある. SFっぽい部分で楽しめる要素はありそうなので, その辺も今後の期待.
13[7/23] 秋山瑞人/イリヤの空, UFOの夏 その1(電撃文庫)
12[7/21] 千葉暁/聖刻群龍伝 昇龍の刻 4(C novels fantasia)
いったいどう終わらせるのかと思ったが, 超人的な人徳(?)と龍の王に躍らされてか. 確かに上に立つ人のツボをだいぶ押さえてきているとは思うのだが, 先代龍の王に対し自分は, というのがまだなかなか出てこないかなと. まあそんな余裕(?)のある状況ではないけれど. オチはついているがやや迫力(ちょっといい言葉が思い付かないが)不足かなという印象.
11[7/21] 中原英臣/よくわかる「バイオテクノロジー」最前線(PHP文庫)
ポジティブに興味を持っている人にはいいけど, ネガティブに不安を持っている人にはかゆいところに手が届く内容にはなっていないなと. まあそういう対象のために書かれた訳ではないだろうけど.
10[7/21] 太田忠司/建売秘密基地中島家(幻冬舎文庫)
山崎家以上にコテコテ. 目新しいアイディアより使い古しのネタで安定した展開で読ませる. 安心して読めるっちゃあ読めるがなにが不満かというと, 主人公が自分の力で働いていない事だな.
9[7/19] 笹本祐一/ほしからきたもの。(ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ)
笹本さんの新シリーズ. 天才と変人は紙一重なお転婆というかもはや暴走な主人公が, 自信万々な肉体派(?)ということでいちいち鼻につくのが難点. 基本的に体力バカな主人公がキライな俺にはややとっつきにくい. ストーリー自体もハチャメチャなようで実は, 次は, ほらきたという感じの一本線的なもので, どちらかというと筋の取り方はスターダストシティ的かも. 今回ではなんで彼らが敵なのかすら分からなかったので話は実に中途. ストーリーとしての評価は保留.
8[7/18] 夏緑/イマジナル・ディスク(ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ)
バイオハザードものだが, まさか宇治キャンパスが舞台とは(苦笑). 助手さん, 京都の理学系にしてはやけにえげつないなぁと思わなくもないけど, 実情は…? ハルキのせいか専門用語ビシバシではあるが, 特に難しくはないかな. しかしぃ, 論文書かねばぁ〜(爆).
7[7/16] 乙一/死にぞこないの青(幻冬舎文庫)
いつものホラー系とせつない系からややはずれてどちらかというとイタイ系かな. まあいつもほどぐっと来る事はないが佳作か.
6[7/15] 松岡圭祐/後催眠(小学館文庫)
催眠シリーズという事であまりアクロバティックな活劇ではなくて心理面の悩みに主に描写を当てた催眠ネタ. といっても例によって大掛かり(?)な仕掛けで最後にどかんとひっくり返していくが, あまり爽快というノリでないのは何故だろう. それなりだとは思うが, やっぱりちょっと帯が煽りすぎかな.
5[7/13] 都築義浩/レディ・スクウォッター 2.灼熱のロングショット(電撃文庫)
作者すらまさか続くと思わなかったらしい第2作だが, 前作同様次元潜航艇じゃないけどネタはふんだんに振りまかれていて面白いのにこれを使って十分に話が盛り上がってこない感じ. もったいないというか欲求不満というか.
4[7/12] 深沢美潮/新フォーチュン・クエスト 外伝3.パステル、初めてのクエスト?(電撃文庫)
思えばこのころからゴキラク(本人はそうでないつもりみたいだけど)強運人生をずっと歩み続けてきたんだなと. オレには絶対まねできん(当たり前).
2,3[7/9] 霜島ケイ/カーマイン・レッド セトの神民 前後編(ビーンズ文庫)
昨年のビーンズ文庫創刊時ラインナップ. ファンタジーをSFに繋げるというのは, うまく話を練らないと単なる興ざめになりやすいと思うのだが, この作品もSFに繋げた利点というものを生かしきっていないような気がした. 「世界観」をぐっと広げたのだから, やはりその分それにまつわるキャラや展開も深く広げたいような. 深く広くは必ずしも長くという意味ではないから延々と説明する必要はないけど, なにか一発ワンダーを感じられるようなところがほしかった気がした.
1[7/3] 田中芳樹/炎の記憶 田中芳樹初期短篇集(中公文庫)
なんかデジャヴ感じながら読んだのだが, 後ろにしっかり「徳間文庫の作品の再編版」と書いてあった. なんだ.