ライトノヴェルズに該当する(と思われる)レーベル
少々独断と偏見の入っている各文庫の分類つきです.
大雑把に分けると, 青は男性読者が,
紫は女性読者が多いようです.
正直女の子向けといわれる作品はろくに読んだことがないので,
事実誤認があるかもしれません. より詳しい情報などございましたら,
是非御提供下さい.
- 富士見書房-富士見ファンタジア文庫
- 88年創刊後15年以上にわたり角川書店の一部門だったが, 2005年10月にようやく独立した.
異世界ファンタジーが中心ではあるが, 少しずつ学園ファンタジーが増えてきた感じ.
ゲーム, コミック, OVAなどのノベライズ等も含まれる, というか,
各種メディア展開を前提に, その一環として小説化されるものもそれなりにある.
しばらく男性向けYAの中心的存在として君臨してきたが, 近年は電撃文庫に押され気味.
関連雑誌 : 月刊ドラゴンマガジン(月末発売)
新人賞 : 富士見ファンタジア小説大賞
- 富士見書房-富士見ミステリー文庫
- 富士見書房が2000年11月に立ちあげた新レーベル.
ミステリーと銘打っており, 新人賞にはミステリー作品も混ざるが,
必ずしも中身はミステリーではなく, 未成年の主人公を用いたミステリアスな雰囲気の作品,
という事らしい.
2003年12月にリニューアルし, "LOVE"をキーワードにより非(狭義)ミステリー色を鮮明にした.
掘り起こしが期待される若い層の新規開拓を狙ったと思われる.
新人賞 : 富士見ヤングミステリー大賞
- 角川書店-角川スニーカー文庫
- 角川文庫の青少年向け作品をまず『青帯』として区別し,
更に'89年8月に独立文庫化したもの.
ロードス島などでライト系異世界ファンタジーのジャンルを確立したが,
その後富士見ファンタジアが主流になってジリ貧,
一時期学園小説大賞なども行なっているように学園ものファンタジーを前面に出したように感じられるが, 大勢には大きな影響を与えず,
2001年11月よりレーベル内でミステリ倶楽部を立ち上げたがこれも消滅.
結局のところ富士見ファンタジア文庫と同じような展開のような感じになっている.
関連雑誌 : The Sneaker(偶数月刊)
新人賞 : 角川スニーカー小説大賞/角川学園小説大賞
- メディアワークス-電撃文庫
- スニーカー文庫の作品の外伝や新シリーズがこちらで出ているように,
93年に角川から分離して出来た.
ブギーポップ('98)以降今までの小説賞作家を中心に,
現代から近未来の日本を中心とした舞台の比較的日常感覚のある作品を主とする路線を走り,
ブレイクした. 従来の異世界ファンタジーなどの路線も一部踏襲している他,
クラシカルな作品も交えながら一方で新ジャンルの開拓も進め,
現在はロリ系イラストをバックにした軽い小説と, イラストなしやハードカバー進出などの,
高年齢層向け重量系(?)エンターテインメントの両睨み.
電撃ゲーム小説大賞は2000人近い応募が集まるようになり, 女性読者の増加も含め,
現在のライトノヴェルレーベルの中心的存在.
電撃Adventureという隔月刊雑誌があったが, こけた.
'98年12月に電撃hpという雑誌(季刊,書籍扱い)を創刊,
2000年12月から隔月刊化. 短編賞の創設など, 今回は堅実に続いている感じ.
新人賞 : 電撃ゲーム小説大賞
- メディアワークス-電撃G's文庫&電撃ゲーム文庫
- ゲームを中心としたマルチメディア展開を行っている作品のノベライズもの.
ギャルゲー関係のノヴェライズはG's 文庫として出ていたが, 2003年12月を最後に発売なし.
一方それまで電撃文庫内にあったギャルゲー以外のゲーム関係は,
99年12月より電撃ゲーム文庫として出ている.
- 朝日ソノラマ - ソノラマ文庫
- この分野の草分け的存在で'75年11月のスタート.
当初はSF系のアニメとの共同展開などが多くあり, SF, ファンタジーにこだわらない幅の広いレーベルであったが, 上記角川系列のマルチメディア展開攻勢などにも押される状況の中で,
現在は長期継続シリーズを看板にしたまま, 主にSF系ファンタジーを中心とした路線で続いている.
なかなか看板を担えるような新人が出てこないこともあり, 当初の読者がそのまま繰り上がって,
高齢化が進んでいるようだ. 2005年4月より一部がソノラマノベルズに移行し,
文庫は奇数月隔月刊に, 2006年に入り既存シリーズを除いての発売がほぼなくなり,
2007年10月より朝日新聞社へ吸収.
かつては 獅子王, グリフォン という雑誌があったが,
潰れた.
新人賞 : 朝日ソノラマ小説大賞 というのがあったが, 3回で止まった.
- エンターブレイン-ファミ通文庫
- '93年10月にスタートしたアスペクトのログアウト冒険文庫と,
雑誌ログアウトの休刊後'96年3月にスタートしたファミ通ゲーム文庫を再びまとめ,
'98年7月に改めて新創刊した. ゲーム系のノヴェライズが多いが,
いくらか書き下ろしファンタジーが混じっている.
'00年4月から出版元を分社化し、エンターブレインとなっている.
新人賞 : エンターブレインえんため大賞(小説部門)
- 青心社文庫
- 基本的にオカルト系, ファンタジー系.
もともとはクトゥルー神話等を出していたが, しばらく前からちょっとH系に路線変更した感じ.
- スーパーダッシュ文庫
- 集英社が男子系読者の開拓を狙って立ち上げたと思しき新レーベル.
2000年7月に創刊された.
男性雑誌(各ジャンプ)連載のコミック/アニメのノベライズ/メディアミックスなど,
スーパーファンタジー文庫ではあいまいだった路線が,
こちらでは明らかに男子向けに修正されている様子が見られる.
多少jBOOKSと作家などで行き来がある.
新人賞 : スーパーダッシュ小説新人賞
- デュアル文庫
- 徳間書店が2000年8月に創刊した新レーベル.
一般文庫に比較して若干ビジュアルを意識した多少若者向けの作りにはなっているが,
発売作品はSF新人賞受賞作や過去のSF/ジュブナイル路線の作品の再版など,
SF色の強いもの(ファンタジーを含む)になっており,
ストーリー的にも厚さ的にも他のレーベルに比べるとやや高目の年齢層をターゲットにしている様子が見受けられる.
なお文庫ではあるが, ほんの一回りだけ通常文庫サイズより大きい.
新書ノベル版のトクマノベルズEdge創刊に伴い対象年齢層の見直しか, 発売点数が減っている.
- MF文庫J
- メディアファクトリーが2002年7月創刊. 当初アニメ作品のノベライズが多かったが,
新人賞創設を含めオリジナル作家の発掘中か. ファンタジーと学園系が多い感じ.
新人賞 : MF文庫J小説新人賞
- ソフトバンククリエイティブ-GA文庫
- 2006年1月創刊. 10代から20代も含めた「超世代」の広義エンターテインメントを目指すとか.
- 竹書房-ゼータ文庫
- 2006年1月創刊. ガンマ文庫終了後, 竹書房が再挑戦(?)のライトノベルレーベル.
奇数月隔月刊で数度出たが, 2007年3月以降, リニューアルのお知らせが出たまま止まっている.
- ホビージャパン-HJ文庫
- 2006年7月創刊. 一応中高生向けライトノベルレーベル. やや新旧硬軟取り混ぜの感あり.
同年9月よりノベルジャパンという月刊誌をスタート.
新人賞 : HJ文庫ノベルジャパン大賞
- 小学館-ガガガ文庫
- 2007年5月創刊の男子向けレーベル. スーパークエスト文庫の流れよりはだいぶ軽そうだが,
跳訳と称して古典名作を意訳(?)した作品も出すなどもしている.
創刊前から新人賞を展開するなど, 意欲は見える.
新人賞 : 小学館ライトノベル大賞
- フランス書院美少女文庫
- 2003年5月創刊. ゲーム&コミック世代に人気の「萌え」と「鬼畜」を追求した美少女小説,
だそうです. 対象ヒロインの年代が従来のフランス書院に比べると若目(さすがに熟女人妻という訳には…)ですが,
内容自体はあまり変わらないかも. 当然エロ系.
- 集英社-コバルト文庫
- 女の子向け小説の老舗.
もとは集英社文庫コバルトシリーズという文庫内の一路線として立ち上がったものが独立レーベル化した.
基本的には女の子向け恋愛ロマンという路線らしいが,
本のジャンルとしては, ファンタジー, アクション, 学園もの, ボーイズラブ系,
などごちゃまぜ.
関連雑誌 : Cobalt(奇数月18日発売)
- 講談社-X文庫ホワイトハート&ティーンズハート
- 少女向け各種小説. White heart の水色帯が<伝奇,NEOファンタジー>シリーズ.
White Heart の薄紫帯は<耽美恋愛友情>もの.
ティーンズハートはティーンズ向けの恋愛ものが中心.
White Heart の方が対象年齢が上ということらしい.
ティーンズハートは2000年11月より隔月刊化され, 2006年3月で中止になった.
- 角川ビーンズ文庫
- 角川書店がティーンズルビー文庫を焼き直した少女系文庫. '01年10月創刊.
「ファンタジーとロマンスの心ときめく世界」だそうで,
やおいテーストは作品によってやや漂う程度, ファンタジー色が強くなった.
関連雑誌 : '02年秋からたまにThe Sneakerの増刊という形でThe Beansというのが出ている.
新人賞 : ビーンズ小説大賞
- エンターブレイン - B's-LOG文庫
- 2006年10月創刊の女性向けレーベル. 12-25歳のライトノベルファンがターゲットの「乙女市場」をトータルに取り扱う, といっている.
先行する女性向けゲーム情報誌B's-LOGとの関連は多少あるみたいで, やおい作家を取り込みながら必ずしもやおいでない作品がチラホラ見受けられる.
新人賞 : B's-LOG文庫新人賞
- 小学館-ルルル文庫
- 2007年5月創刊. それまでのパレット文庫&キャンバス文庫を受け継ぎながら,
海外訳作品なども含めつつ少女向けに広く展開する感じ.
- 角川ルビー文庫
- もともとはスニーカー文庫に含まれていたが,
女の子向けの耽美小説(やおい,ボーイズラブ,JUNE)を独立させて出来たもの.
背表紙がルビー色のため, 良く分かる.
- 徳間書店-AMキャラ文庫
- '97 創刊の女の子向けボーイズラブ小説中心の文庫.
- 白泉社-花丸文庫
- こちらも'97 創刊の女の子向けボーイズラブ小説系文庫.
関連雑誌 : 小説花丸(3,6,9,12月4日)
- プランタン出版ラピス文庫
- '97年5月創刊の明るく元気な現代のボーイズラブ小説のレーベル.
- 新書館-ウイングス文庫&ディアプラス文庫
- '98 後半創刊の文庫. ディアプラスはボーイズラブが全面に出ているのに対し,
ウイングスはどちらかというと友情関係が中心でやや弱めてあり,
内容もファンタジーなどを含む.
関連雑誌 : 小説Wings(季刊), 小説Dear+
- 二見書房-シャレード文庫
- '98 創刊の, チラシ曰く『さわやかボーイズラブ』だそうです.
おそらく新書版シャレードブックスの引継ぎ.
- 成美堂出版-クリスタル文庫
- これも'98 創刊の, 耽美幻想系を中心としたもの.
- オークラ出版 - アイス文庫
- '01年3月創刊のやおい系レーベル. アイスノベルズの文庫化らしい.
- オークラ出版 - アクア文庫
- '04年1月創刊のやおい系レーベル. アクアノベルズ関係か?
- プランタン出版プラチナ文庫
- '03年3月創刊. ラピス文庫のお姉さんレーベルとして, 「もっと大人に, もっと過激に 恋はプラチナ級」の「大人むけの本格ボーイズラブ」を扱う, らしい.
- 白泉社-My文庫
- 2001年9月創刊. 広い意味でミステリーに属する話を中心に, という予定らしいのだが,
2002年7月以降出ていない.
- ソニーマガジンズ - AX文庫
- '99年創刊のアニメのノヴェライズを中心とした文庫.
2000年夏辺りから新書になり発刊はない.
- 小学館-スーパークエスト文庫
- 少年サンデー, コロコロコミックなどの少年層向けコミックのノヴェライズと,
もうちょっと上の層対象の書き下ろしファンタジーの混ざった文庫だが、
ここしばらく発売はない.
- KKベストセラーズ-プレリュード文庫
- '98 創刊. 歌い文句は『ちょっとHな男のコのための』だそうで,
エロネタを絡めたファンタジー, オカルトがメイン.
途中からゲーム系のノベライズも出だしたが、1年あまりで発売を縮小、
'99年末の東京魔人学園シリーズ以降発売されていない.
- エニックス文庫
- エニックスの中心ゲームであるドラゴンクエスト関係の小説が圧倒的に多い.
最近はみな新書で出しており, 文庫はやめたのかもしれない.
- 徳間アニメージュ文庫N分類
- アニメのノヴェライズ,オリジナルのジュブナイルを取り混ぜた文庫.
比較的薄く平易なものが多かったが,最近は出ていない.
- 徳間AM文庫
- 強殖装甲ガイバー, エルハザードなど,
(故)少年キャプテン関係のコミック/アニメのノベライズを中心に出していたが,
ここしばらく出ていない.
- 竹書房ガンマ文庫
- OVA 版エルハザード, BLUE SEED など,
メディアミックス作品のノヴェライズを何冊か出していたが,
これもしばらく出ていない.
- コバルト・ピンキー
- 本家コバルトと別枠でりぼん, マーガレットなど少女マンガのノヴェライズを出していたが,
ここしばらく出ていない.
- 光彩書房ピンキーティーンズ・ノベルズ
- 02年11月創刊. 「女のコのための恋とエッチを満載」したレーベルだが,
ここしばらく出ていない.
- 大陸書房ネオファンタジー文庫
- 1990年12月からファンタジーを中心にコンスタントに出していたのだが,
大陸書房自体が潰れてしまい, 1992年8月で終了.
- 早川文庫ハィ!ブックス
- YAブームに合わせて早川が1991年11月に出した若者向け文庫だったが, まもなく廃刊.
- 新潮文庫ファンタジーノヴェルシリーズ
- 赤ラインつきの新潮文庫.(^^; 1990年から比較的良質なものがいくつか出ていたが,
方針転換か, やめてしまった. 新潮社のファンタジーノベル大賞関係も、
一般の新潮社発売の単行本になっている。
- 朝日ソノラマパンプキン文庫
- 1990年7月から12月の間に女の子向けにホラーオカルト系の作品を10冊程出し,
そのまますぐ打ち切りになった.
- ケイブンシャコスモティーンズ
-
- 学研-レモン文庫
-
- サークル出版-サークル文庫
- '96年12月にスタートした同人系文庫.
どちらかというとオカルトファンタジーが多いか.
版元がこけて, 8冊のみの発売で'98-07月までに終了.
続きが数冊ノアール出版から新書で出たが, こちらもその後続いていない.
- 朝日ソノラマ - ソノラマ文庫NEXT
- 若い感性の大人のためのエンターテイメントというコンセプトで,
'98年10月に創刊された.
単行本などの文庫化や一度絶版になった過去のソノラマ文庫の再版がメインで半年ほど出たが,
2000年4月で打ち切り. 初文庫化作品は一部ソノラマ文庫から再発刊されている.
- スーパーファンタジー文庫
- コバルト文庫のうちファンタジー部分を特化して創刊した, らしい.
一応男子系もちょっとターゲットとして考えているような感じだったが,
読者はやはり圧倒的に女の子が多く, コバルトと差別化が図れなかった.
より男子を意識したスーパーダッシュ文庫の創刊と入れ替わりで2001年4月に廃止.
- 角川ティーンズルビー文庫
- 完全にボーイズラブ系で固めたルビー文庫と独立して,
ティーンズの取り込みをねらって'99年10月に創刊された少女系文庫.
TVドラマのノベライズなども入っており,
どちらかというとメディアミックスを少し意識したような構成だったが,
本筋はソフト系ボーイズラブ. ルビー文庫との差別化が図れなかったせいか,
'01年10月のビーンズ文庫創刊に伴って一部そちらに再収録され, 打ち切られた.
- 小学館-パレット文庫&キャンバス文庫
- ボーイズラブ系が多いが, 少女向け学園恋愛もののレーベル.
これに少女コミックのノベライズ, ファンタジー物などが少々含まれる.
一応ファンタジー, オカルトなどはキャンバス文庫の方という区切りがあったようだが,
新作は2000年春にパレット文庫に一本化され,
キャンバス文庫の長期シリーズものとあわせて2007年に新レーベル, ルルル文庫へ引き継がれた.
- 早川書房-ハヤカワ文庫JA
- SF/ファンタジー系の日本人作品を出しているレーベル. 本格的ハードSFもの等も多いが,
ダーティペア, グィン・サーガ, 星界の紋章など, 青少年層の支持が高いものもある.
近年はライトノヴェルズ出身のSF系作家の取入れにも意欲的か.
- 角川春樹事務所-ハルキ文庫
- 2000年夏よりヌーヴェルSFシリーズと題して,
SF系を中心にライトノヴェルズで書いている作者の作品を書き下ろしでも出している.
2001年9月からヌーヴェルSFのデザインを一新, ライトノベル系の装丁に近くなった.
発行作品数が少なく, 不定期である.
また, その他に絶版になって入手困難な過去の名作の復刻が多く行われており,
その中にいくらかヤングアダルト向け作品が含まれている.
- 角川mini 文庫
- 富士見, スニーカー, ルビー, 電撃 の角川グループ出版作品の有名作の,
短編, 外伝が一部mini 文庫から発売されていたが, しばらく発売が切れたまま,
主だったものは富士見ファンタジアやスニーカーで再収された.
- その他の文庫
-
など, 藤川桂介, 田中芳樹, 平井和正などの作品は,
新書から一般文庫にて出ることが多いようですが, 読者は青少年層が主体です.
またJUMP jBOOKSの作品からいくつかが集英社文庫にて文庫化されています.
現在ほとんどが絶版になっていますが,
かつての徳間文庫ではSF/ジュブナイル系というくくりで若年層向けの作品を出していました.
- 新書
-
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