ヨーロッパ週末ぷち旅行記 : Part 47

日差しの下、氷河と花々と。スルデン&オルトラー(イタリア)

2007年7月14-15日(土,日)

中欧地図
周辺地図

[あの日見た山]
久々のフリー週末滞在は7月ということもありやっぱりチロル. まだ行っていない谷は幾つかあるが, その中でもイタリア側の南チロル西部に関してはまだほとんど知らない. ただ2005年に訪れたレッシェン峠(No.31参照)から見た景色で, レッシェン湖の南に見えていた白い山々が非常に印象に残っていた. 後で地図で調べたところ, 実はこの山がチロルの最高峰であり, 麓はもちろん観光地になっていることが判明, これは行かなくてはということで, 今回はようやくの訪問.
周辺では東側の麓のSuldenが一番泊まる環境がよさそうであり, 3日前に南チロル観光サイトのホテルサーチから数軒ピックアップして一括問い合わせをし, 返事が返ってきた2軒のうち安かった方の宿を確保.
ルートとしては前回のLandeck, Nauders経由でMallesに下りるルートとInnsbruckからBozenへ出てMallesへ入るルートがメインで, MallesからZernezへ抜けてスイス側でSargansへ出るルートもあったが, 行き帰りともにInnsbruckルートは接続等がイマイチで, スイス側からの夜行は翌日工事で延着が予想されたため, 行きは最も早いLandeck経由ルートの座席車で予約無し, 帰りは少し回って南のVeronaへ出て, ここでMilanoからの夜行を捕まえることにして, 一週間前に地元駅で簡易寝台を確保.

7月14日(土)

[St. Anton : ちょっと寄り道]
早朝到着のLandeckではバスまでの接続時間が少々あり, 以前早朝のLandeckはふらふら歩いたこともあるので, 今回は敢えてSt. Antonまで行き過ぎて, 朝一列車でLandeckへ引き返してくることにした. 夜明け前のSt. Antonはいい天気, 一時間程度の接続ということで, 以前泊まったホテルのあたりまでふらりと歩いてくる. まだ早朝, たいていの人は眠りの中で静か. 同じ夜行で来た人が駅でロード用自転車を組み立ててサイクリングの準備中. 時間前に駅へ引き返すと, 徐々に稜線の上の方が日に輝き始めるところだった. この時間の山々はとても綺麗. でも写真に撮るのはコントラストが大きくてとても難しい….
[Landeck → Mals : ちょっと違うルート]
今回のLandeck発Nauders行バスは前回とちょっと違うルート. 途中から谷底の車道を走らずに, 斜面の村々を抜けていく. またPfundsからそのまままっすぐNaudersに上がらずに, 一度スイスに入ってMartinaに停車. もちろん運転手と係官の挨拶だけで, パスコントロール無しの素通り…って, Martinaで接続バスから乗ってきた人いたんだけど…. ほんと, ここOberinntal/Unter Engadinはオーストリア側とスイス側で山の表情が違うよね….
NaudersでMals行のバスに乗り換え. もちろんこちらはイタリアのバス, おなじみSADバスだ. 少し乗換え時間があったので, これまた以前泊まったホテルの辺りをぷらっと一周, それからバス停付近のパン屋でパンを買い, Information前で食べていたら, 日本人の初老夫婦と遭遇. やはり定年旅行だろうか. いかにもジャパニーズ山歩きスタイルの, チェックの長袖に長ズボン登山靴に鍔つき帽子. らしいよね(苦笑). まあ特に話しかけられもしなかったのでこちらからは話さず.
バスはレッシェン峠を越え, しばらくレッシェン湖沿いを走る. 今回はまだ雲もなく, 正面に綺麗に雪面を輝かせるOrtlerが美しい! しかし窓がちょっと汚くて, バスの窓越しには写真が撮れなかった…. 下レッシェン湖を過ぎると, 広い斜面を数度折り返しながら一気にMalsへ下りてゆく. 谷底少し手前がMalsの村だが, ここまで下りるとむしろOrtler方面の山は手前の山に隠れて見づらいんだね. ちょっと距離はあったけど, 実はレッシェン湖北岸の眺めって素晴らしかったんだ….
[Mals → Sulden : 遠回りしながら]
MalsからSulden方面へは, この時間だとStilfserjoch行のバスで, Stilfsの村で乗換え. MalsまではMeranからSADのVinschgerbahn(鉄道)が走っていて, 多くのバスの乗客はここで列車に乗り換えていった. 駅のホームのならびにバスの標識があり, 時刻を確認しようと見ると…Nauders行, Zernez行のスイスポストバス, 市内バスのダイヤは書いてあるのに, Sulden方面は? まさか乗り場はここじゃないなんてことは…と少し焦りつつ, 良く探すとだいぶ離れたところにもう一つ時刻表が. よかった! あった.
半分地元民らしい客を数人だけ乗せたガラガラのバスは, 一度谷底へ降りた後, いきなり引き返して谷奥のもう一つの村Glurnsに寄り道. なんか遠回り…. 再び谷の入口に向けて走り出したバスは, 入口の村, Pradに着くとやおら再び向きを変え, 反対のSpondinigの駅へ. 駅からまた同じ道を引き返して今度はPradを通過し, ようやく谷へ入っていく. 距離の割に時刻表で時間がかかっていたのはこのせいだったのか…. 谷の入口付近はやや狭く, しばらく緑の谷底を道路と沢だけが併走する. しばらくすると道路が先に上ってゆき, Sulden, Stilfserjoch方面への道が分岐する村, Gomagoiへ到着. ここからバスは反対側の斜面を少し登ってゆき, 斜面中腹にあるStilfsの村へ. 谷出口方面の眺めがいい. Suldenへはここで乗換え. なんかちょっとまどろっこしい….
4グループほど乗り換えた乗客を乗せてバスは同じ坂を下り, Gomagoiから今度こそSuldenの谷へ. 坂道をゆっくりぐいぐいと上ってゆく. 確かにGomagoiからSuldenでは500m近い標高差がある. バスも大変だ? まもなく谷底が再び少し開けてきて道は沢の対岸へ渡り, 村が見えてくるといきなり飛び込んでくるのが今回泊まる宿. 本来のバス停はもう少し先だが, なんか地元民らしいおばちゃんが運転手に止めさせて下りていったので, 便乗して下車. 僅かな距離だけど戻る手間が省けた(苦笑). 正面にはもうOrtlerの岩壁がでーんと聳え立つ. 北側の氷河&雪中心の眺めと違い, こちら東側はどちらかというと岩肌が多く目立つが, 両稜線が比較的険しくないせいか. バックの青空のせいか, 雰囲気としてはそれほど厳しくない.
[静かな谷奥の保養地? : Sulden]
さて, Sulden(スルデン)到着は土曜の昼前だが, あたりはとても静か. なんか静か過ぎるくらい. いい天気でみんな出かけているせいか, ほんとにいないのか? がらーんとしたホテルの入口を入ると受付にも人はおらず. 隣のレストランの方で物音がしたので覗くと若いおねえさんが顔を出して少し待ってねと. 間もなく出てきたおねえさんは, すぐに受付の方で予約を確認して, 部屋へ案内してくれる. 北向きな感じだが, なにせ下界は今日は猛暑, それに夏場は朝晩は北側に日が回るのでむしろ部屋にいる時間は日が入る. 景色もまずまずだし部屋は広いから, 二食付50Euroならまあ十分か. ちなみにやり取りは最初から問答無用でドイツ語. 英語を話すそぶりすら見せなかった(苦笑). こちらは問題ない, イタリア語でなくてよかったって感じだが, 一般的に非ドイツ語, 非イタリア語圏の人が来るところではないのかな….
[いつも隣にOrtler : Sulden → Kanzel]
チェックインが済んで部屋も落ち着いた頃にはまもなく12時. 大体行くところは考えてあったので, 地図で素早く場所を確認. ともかくリフトが昼休みに入る前に上がらないといけない. 明日乗る予定の別方面へのリフト乗り場を通り越してもう少し行くと目的のリフト乗り場へ. 相変わらず周囲に人は少ないが, それなりに車が止まっているところを見ると, やはり観光客はみんな山の上なのであろう.
Ortler von Sulden
途中教会の脇に小さな池があり, 池と教会とOrtlerがなんともいい配置だった. 狙ってこちら側に作った人工池とか, かも? さくさく乗り場で上り片道チケットを購入して乗り込む…って, 係員さん減速してくれないの? なんか次の客にのんびりチケット売ってるので, いいやとそのまま乗り込む…いいのか? さすがにちょっと速かった(苦笑). 約15分で森林限界のちょっと上, 2300mまで運んでくれるリフトだが, 今日は天気も良く, 日差しを浴びてこの高度でもまだ暑いくらい. 右手奥に氷河がよく見える. 真後ろにOrtlerがでーんと控えているのだが, さすがにそうそう振り返ると疲れるので, 頂上についてからということで.
[牧場から入口まで : Kanzel → DüsseldorferHütte]
ちょうど昼時ということもあり, ハイキングの前に頂上駅のレストランで昼食. もちろん正面にはOrtler, 横には谷奥の氷河(の上の白い雪面)が日の光を浴びて輝いている. 下からは見づらかったOrtlerの裏&脇のKönigspitzeやZebruの岩壁もここからは良く見える. これから歩くということで今はビールは無しで, リンゴのGespritzterとパスタ. うん極楽. これで店員さんの愛想がもう少しよければね….
さて, これからハイキング. 目指すのは標高2700mのDüsseldorfer Hütte. 別にそこまで行ったから何がある訳でもないのだけど, 目的地らしいということで…. 前半は気分のいいアルムの間の水平道. Ortlerを眺めつつ(?)のんびり過ごす牛さんたちがなんともいい味を出している. やがて道はガレ道に変わり, 沢を越えるとここから上り坂だ. ゆっくり上る人々をほいほいと追い抜いていくと段々坂がきつくなり, さすがに私も息が上がりそうなところでようやく頂上. 上っている途中からはあまり山小屋が見えないので, 後どれくらいか分かりづらく微妙にしんどさに拍車をかける….
さすがにこの高度まで来ると向かい側の氷河やまわりの稜線とは高度が近づく. 新しい景色はあまり増えないけど, 先ほどまで見上げていた景色が横に見えるようになって気分爽快. この高度まで来るとさすがに風も涼しい. 山小屋脇に大きな岩があり, 時間の余裕はまだありそうなので, しばらく上でゴロゴロ休憩していくことにした. ただ慌てて宿を飛び出したせいで日焼け止めを忘れてしまい, 日焼け慣れしていない部分は早々スゴイことになりかけていたので, 慌てて袖を下ろしたり. 後は帽子を被って(ちょっと汗臭い), 後は風の音を聞きながらのんびり. しばらくすると, リフトの下り最終時間の関係か, 辺りの人も減ってきてとても静か. ああ贅沢な時間….
[やっぱりここは一杯! : DüsseldorferHütte → Sulden]
さて, 帰りはリフトを使わずにそのまま谷底まで沢沿いに歩いて降りる. そんな訳でリフトの時間は関係ないけど, ボチボチ降りよう. まずはしばらく行きに上った同じ斜面の路を下り, 沢までたどり着く. ここから行きのリフトへの道と分かれて更に沢沿いに下りてゆく. ここの沢は周囲に比べ, 森林限界の結構下まで草地が広がり, しかもやや広いせいかあまり深い森の中を歩くことはなく予想以上に気分がいい. 沢はやがて何本か支谷の水も集め, なかなかいい音を立てながら一気に下ってゆく. だいぶ後ろの方に人影が見えたが, 前には全くいなかったこともあり, ほぼ完全な一人旅. この辺の人の少なさはチロルの魅力にもなっているよなあ. 1時間程度で下り切り, 後は少し道を歩いてホテルへ戻る. 途中テラスで一杯出来そうなところがあれば…とも思ったのだが, そういう村ではないのかあまりいいところが見つからず, 結局一度ホテルに戻ってシャワーを浴びた後, ホテルのレストランで頼んでビールを一杯. 一応テラス席自体は存在するが, 一人バイクツーリングのついでといって寄ったおじさんがコーヒーを頼んでいた程度で半分開店休業みたいなものなんだろうかね. まあわいわいでなくて一人でのんびりでも, ハイキング後の一杯は美味い.
[まったり日没 : Sulden ]
今回の宿泊は二食付きということで夕飯はホテルで19時から. 一度部屋に戻り, 時間に下りていくと, いつの間にみんな戻ってきたのか結構人はいた. やはり昼間はみなどこかへ出かけていたのであろう. こういうところらしくもちろん席は指定. みんな食事前にメニューを見ている. 明日のかな? 私は今回も一泊なので, 明日のディナーのメニューは選べません…. 駐車場に止まっていた車とあわせ, どうも見たところドイツかイタリアの人が多いらしい. …ドイツよりオーストリアやスイスの方が近いのだが, 国内に魅力的な山々があるだけに, むしろこういうところには来ないのだろうか…. バイキングで取れるサラダとパンをちょっと取りすぎてかなり満腹(苦笑).
食後は日没直前の村を少しふらふら. 夕陽の当たる山の東側斜面が徐々に下の方から陰の中に沈んでいく素敵な, そして静かな夕べ. 谷奥行き止まりの村ゆえこの時間に走る車は少なく, 道路沿いのホテルでも落ち着いた雰囲気が漂っている. しばらくのんびり眺めていたが, さすがに標高1900m, 日が落ちるとどんどん冷えてきたので, あまり暗くなる前に部屋に戻った. 寝る前に明日のルートの確認をしなきゃと地図を広げたが…やはり疲れているのか, ソファーで寝てしまった. 夜中に目が覚めて改めてベッドへ潜りこむ. 風邪引きませんよう….

7月15日(日)

[まだ大丈夫! : Sulden → Langenfeld Hütte]
朝起きると外は青空. 昨日よりは雲が多そうな天気予報だが, もって欲しいね. 朝食開始時間+15分で入ったが, もう終わった人と, まだなグループと. リゾートと言っても山歩きの人は場合によっては結構早い人もいるみたい. こちらは急いでもリフトが動かないとしょうがないので, いつもほどは慌てずに比較的余裕のある朝食. いつも通り, パンとフルーツとヨーグルトにコーヒー. 暖かいのは無かったが, まあ問題ない.
昨晩チェックし損ねた地図をもう一度ざっとチェックして, リフトの運行開始時間に合わせチェックアウト. おそらく珍しいであろう東洋人の客がドイツ語を話していたのがさすがにちょっと気になったのか, おかみさん(?)がもしかしてドイツから? と聞いてきたので, 日本からだけど昨年までオーストリアにいて…とあまり返事になっていない返事をしてきた….
さて, 今日は昨日通過した手前側のリフトでOrtler側の斜面を登る. こちらも森林限界の上までいくので, 下りると後は即高原散歩. アプローチが短くて(なくて?)楽だよねえ(苦笑). 後ろで犬連れの人がいて, まさか連れてリフトに乗るんだろうかと思ったら, ホントに乗ってきたのでちょっとビックリ. いくら犬でも暴れて飛び降りたりはしないと思うが, 大型犬をリフトなんて, 乗せるのが大変では…. 上でお漏らしされたら洒落にならんし(苦笑).
[ガレ場トラバース+一気 : Langenfeld Hütte → Tabaretta Hütte]
ここからはまず標高約2550mのTabaretta Hütteへ向かう. しばらくは水平道歩きだが, 同じルートを取る人が多いのか, 前後に人影がぱらぱら. 最初のうちは道端に咲く花々がなかなか綺麗でわき目を振りながら歩く.
Ortler von Langenstein
左にOrtler, 右に昨日歩いた対岸の山並を見ながらしばらく歩くと, やがてカールのトラバース道になる. といっても昨年のSeefeld同様, 実際に歩くとちゃんと幅があって別に危ないところは何もない. ちらちらとカールの上部を見上げながら歩く. 上部末端には氷河が見える. 現在はあまり大きいものではないが, 昔はもっと伸びていたんじゃないかな…. やがてガスると即刻迷いそうなガレ場を過ぎると岩登り熟練者ルートが分岐し, 最後の九十九折の斜面の上りへ. これをくねくねと登りきったところがTabaretta Hütteだ. 上る前に折れる回数を数えておいたお陰か, 昨日の斜面よりは気楽(?)な上りだ. ただこの辺りからOrtlerの稜線に雲がかかりだす. もうちょっと待ってえ!
[ここからはもう少し山道です: Tabaretta Hütte → Payer Hütte]
Tabaretta Hütteは泊まった宿からも良く見えていたが, 逆に言うとSuldenの村がきれいに見おろせるロケーション. ヒツジが付近で草を食み, 岩壁を目前にしながらもややのんびりした雰囲気. 多分大方のファミリーハイカーはここまでなのであろう. が, 登山道はまだ続く. このまま稜線に出て, 裏側のTrafoiへ下りるのが今日の予定だ. 水分補給と道の確認の短い休憩を挟んでさあ出発! ここからはもう少し山道らしい少し細くなった道をしばらく登ってゆく. さすがに人影も減り, ハイカーの雰囲気も山歩き慣れしている人中心に変わった. 上に徐々にかかってくる雲を見ながら嫌だなあと思いつつしばらく歩き, ようやく最後の稜線への急登へ. はあはあいいながら登りきると, いきなり稜線の向こうの風景が開ける! やっぱりこの瞬間の気分がいい! 正面にStilfserjochへくねくねと上っていく峠道があり, イタリア・スイス国境稜線の山々. そしてその奥はもちろんスイスの山々. 幸い上ってきたOrtler東側と違い, 西側はまだ雲も少なく眺めは良い. よかった! 正面のOrtlerも氷河の西半分は良く見える. これもよかった. ただ頂上はぎりぎり晴れたり曇ったり, そして東側後ろに見えるハズのKönigspitzeなどはほとんど雲の中….
ここからはしばらく頂上稜線西側を巻く. しかしこの辺り, ずっとロープの張ってある結構険しい道だ. ちょっと腰が引けつつ少し減速して歩いていると, 反対側から軽快に歩いてくる登山者の姿. 慣れてるなあ…. まもなくTabarettascharteのコルへ出てようやく一息. ここから反対側Trafoiへ下りる路が分岐しているが, その前に目の前100m上に見えているPayer Hütteまで往復してこよう. この山小屋は3030m, ここしばらく3000mまで上ってないしね. 岩っぽい稜線沿いにえっちらおっちら上ってゆくと, 15分ほどで到着. ここは一般登山者が入れる最奥であると同時に, Ortler頂上への登山口でもある. 山小屋のテラスには, ごつい雪山用登山靴とザイル, ヘルメットなどを準備, 片付けるばりばり登山者の姿がたくさん. 確かに良く見ると正面の雪を被った氷河の上にはラッセル路が細く見えており, そこを上がってく登山者の姿も豆粒のように見える. 完全に熟練者の世界だな. いけるものなら何時かいってみたいかも….
[岩道下りは嫌い! : Payer Hütte → Trafoi]
30分ほど景色を堪能して, さて下りへ. バスの時間もあるので, 多少は余裕もって下りないと. 先ほどの分岐点から元来た道と分かれて, 19番の砂利道斜面を下りてゆく. …それほど急ではないのだが, やはりいつ滑るか分からないので冷や冷やしつつ慎重に. 一回だけつるっと行きかけたが特に問題はなく. ふー. 昼の西側斜面かつ東側の雲もあり, 下りはほとんど日陰. まあ下り始めたらあまり暑いよりは楽か. 森林限界の上はほとんどずっとしゃり道で, だいぶ斜めにおり続けてようやく森林帯への降り口へ. 土道になればだいぶ楽だ. 後は一気. 谷底まで後400m下りるだけ. 途中から行きたくて仕方のない便所を目指してゴー(苦笑).
[下界は暑かった… : Trafoi]
無事谷底へ降りきり, 川を渡って対岸の斜面をちょっとだけ登るとStilfserjochへの車道に出る. こちらは峠制覇をもくろむ走り屋さん達が結構来るのか, 車に限らずバイクや自転車も結構走ってゆく. この辺りはTrafoiの村のはずだが, 通り沿いにパラパラ建物が建っていて, どこにバス停があるかよく分からずしばらくうろうろ. しばらく奥のほうに歩いて見つからず, 戻ると登山口のすぐ手前にあった…. この辺りは正面にOrtler西側に並ぶ氷河が良く見える. やや雲が多くて惜しかったが, なかなか見応えがある風景だ.
さて, 14時半に下りてきてもう一時間ちょいあるということで, 近所のBarでビール一杯. やっぱり下りてきたときのビールは…って昨日と同じだね. さあ後は帰りだ. 案外混んでいたパスに乗り込んで, 今度はSpondinigまで. 乗客の半分くらいは谷の入口の村Pradで下りたということは, やはりこの辺滞在で毎日日帰りで周辺へ遊びにいっているのだろうか. Spondinigで降りた人もちらちら. ちょうど接続するSADの列車でBozenへ向かう. 車内に刻印機と南チロル統合料金のプリペカードがあり, 手持ちのプリペカードでBozenまでの値段を刻印. さすがにここまで降りてくるとだいぶ暑いね. はー明日から下界の暑さの中か….
初めて通るVinschgauの谷はリンゴの多い, 比較的広いのどかな谷だ. しかも時々枝谷の奥に覗く高そうな山々の姿が奥深さを感じさせて素敵. なかなかいい谷じゃないですか. イタリア側にあるばかりにオーストリアのチロル以上に日本ではほとんど知名度がないけどね. 来てよかった. 向かいの席に小さい子供連れが乗って大騒ぎしていたが, まあ微笑ましい範囲かな. MeranでFSの列車に乗換え, Bozenへ. SADの列車が遅れたこともあり, 接続をとって即発車. 南チロルの統合料金でBozenまで通しで払うか, Meranで買いなおすかちょっと悩んだのだが, とてもMeranで買いなおす時間の余裕はなかったね. BozenからVeronaへは一本列車が遅れてきたため, 切符を買いなおしても乗れてしまったが, 結局そのまま中途半端に列車が遅れてVerona観光は出来ず, 駅で時間を潰したのは惜しかったか. ま, 今回はOrtler堪能だけで満足しよう.

必ずしもアクセスもよくないし, 日本人のなかなか来ない奥地だが, 名峰らしく楽しい山歩きが出来た. 来てよかったと思う.


現地の行程

7/14
(Sat)
St. Anton am Arlberg dep 6:13(10分遅延) OEC561 --
Landeck Bhf arr 6:34(10分遅延)
dep 06:50 Post Bus 2106 7.7 Euro
Nauders Postamt arr 08:15
dep 08:47 SAD Bus 273 2.46 Euro
Mals Bahnhof arr 09:31
dep 09:51 SAD Bus 271 1.51 Euro
Stilfs Dorf arr 10:56
dep 11:00 SAD Bus 271 0.90 Euro
Sulden arr 11:25
ホテルチェックイン等
Sulden 宿 dep 11:50 徒歩 --
Sessellift Kanzel Talstation dep 12:00 Sessellift Kanzel 7.5 Euro
Kanzel Restaurant(2348m) arr 12:20
昼食休憩
Kanzel Restaurant(2348m) dep 12:55 徒歩 --
ルート5/12分岐(2380m) via 13:26
Düsseldorfer Hütte(2721m) arr 13:59
dep 15:00
ルート5/12分岐(2380m) via 15:26
ルート14分岐(2220m) via 15:42
ルート16分岐(2150m) arr 15:52
dep 15:59
Sulden ルート5終点 via 16:15
Sulden 宿 arr 16:30
休憩、夕食、宿泊
7/15
(Sun)
朝食、チェックアウト
Sulden 宿 dep 08:30 徒歩 --
Sessellift Talstation dep 08:40 Sessellift Langenstein 7.5 Euro
Langenstein Hütte(2330m) arr 09:00
dep 09:05 徒歩 --
ルート10分岐(2280m) via 09:13
ルート4合流 via 09:23
ルート8分岐 via 09:41
Tabaretta Hütte(2556m) arr 10:04
dep 10:10
Tabarettascharte(2903m) arr 11:02
dep 11:05
Payer Hütte(3029m) arr 11:21
dep 11:46
Tabarettascharte(2903m) via 12:01
ルート18分岐(2440m) via 12:16
ルート19A分岐(2300m) arr 13:03
dep 13:18
ルート19A合流(2080m) via 13:34
川岸 via 14:24
Trafoi arr 14:40
休憩, 軽食
Trafoi dep 15:57 SAD Bus 271 1.58 Euro
Spondinig arr 16:26
dep 16:30 SAD Bahn 200 5.20 Euro
Meran arr 17:43(5分遅延)
dep 17:46(接続) FS R20468
Bozen arr 18:25
dep 18:31(5分遅延) FS R2265 7.10 Euro
Verona Porta Nuova arr 20:15

参考


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