旅行記 Part:1

日帰りザルツカンマーグート(オーストリア)

2003年7月19日(土)

[行程プラン : 思い立ったら]

前の晩ふと, 来週からSalzburg音楽祭であることを思い出した. これは始まる前に行っておかないと混むかなと思い, 急遽SalzburgとSalzkammergutへ行くことに決定. しかし当初の目的がSalzburgにもかかわらず, 自然派(?)の私としてはついSalzkammergutの方に気持ちが行きがちで, 結局夜な夜な立てた予定はほとんど一日Salzkammergutばかり. オーストリア国鉄(ÖBB)のBad Ischl駅からバスでSt. Wolfgangへ行き, SchafbergBahnの登山鉄道で往復し, Wolfgang Seeを船で渡って, St. GilgenからバスでSalzburgに出てちょろっと観光して帰ろうというもの. ありがたいことにSalzkammergutを横切るバス路線はThomas-Cookにも出ている. ただし登山鉄道の時間がよく分からなかったのでここだけは適当に目算.

中欧全体地図
行程マップ

[Bad Ischl → St. Wolfgang : 初めてのバス移動 ]

非均一料金区間のバスに乗るのは初めてだったので, どうやって料金を払うのかよく分からなかったが, 乗る時に先に運転手に行き先を告げて払えばいいらしい. 心配は要らなかった. しかし下りるのはやっぱりバス停名のアナウンス無しで, どこで降車ボタンを押すのか分からずちょっとびびっていたが, さすがに観光でみんなが下りるところでは運転手がアナウンスしてくれた. ほっ. Stroblでバスを乗り換えて, St. Wolfgangまでは15分.

[St. Wolfgang ⇔ Schafberg : みんな感動登山鉄道]

St. Wolfgang Bahnhofの一つ手前, St. Wolfgang Marktでバスを下り, 10分ほどショッピングゾーンと湖沿いを歩いていくと登山電車であるSchafberg Bahn(シャーフベルク登山鉄道)の麓駅, St. Wolfgang Bahnhofに到着する. 窓口で切符を買うと同時に上りの列車指定票を貰う. さすがに混雑するシーズンだけに, きっちり定数制らしい. 下りはなにも言われなかったのでどうするんだ? と思っていたが, 上りついた頂上駅で列車を下りてすぐに改札で貰えばよかった.
ほぼ文句のない快晴で, アプト式鉄道でことことと20分ほど森の中を抜けていくとやがてぐっと視界が開け, 眼下には正面のWolfgangseeとその向こうの山並みが広がる. わっと回り中から歓声が上がり, 早々カメラを構えたり席から立ち上がったり. 頂上駅に着くと, そこから頂上までは歩いてわずか数分で到着. Gasthausが2軒建っており, 昼食や休憩の客で賑わっていた. 鉄道が上っていく斜面は比較的なだらかだが, 反対側はすぱっと切れ落ちていてなかなか壮観だ. Wolfgangseeの他のSalzkammergutの湖群が鮮やかに広がる. その向こうにはDachsteinをはじめとする3000m級の山々の岩の嶺が連なり, これで感動できなきゃどこでするって感じで大喜びであった.
道中アジア系の観光客もチラホラ目立ったが, そのうち結構美人の中国女性二人組とはBad IschlからSalzburgまでずっと同じルートだった. その彼女達, Schafbergbahnの下りの出発前, 車両をバックに二人で交互に記念写真を撮っていたのだが, これがアングル的にどうも車内に先に入っていた私が一緒に写るようなアングルでカメラを構え, ポーズをとっているように見える. こういう時背景の人間としてはどういう向きでどういう顔をしておけばいいのかちと悩んだ. まさか後ろでカメラの方を向いて愛想振りまくのもどうかと思うし, せっかく美人さんが背景その一に選んでくれたかもしれないのに(爆)顔を背けて反対向いたりするのもどうかとも思い, とりあえず斜め60度くらいでちょっとにっこり楽しんでますな顔をしてみました(笑).

[Wolfgangsee → St. Gilgen : 船がぞろぞろ]

惜しみながらSchafbergから下りてくると, 麓駅の正面はSt. Wolfgangの船着場. ここからはSt. Gilgenまで約40分の湖上の旅. 運良く列車の客がまだぞろぞろ駅の土産物屋あたりでうろうろしている間に土曜臨時便の船が入ってきたのでそのまま乗り込む. その3分前に反対方向へ向かっていった定期便は大混雑だったので, うまいタイミングで乗れてしめしめという感じ. このいい天気で客室内に入っている人はおらず, 皆屋根の上のベンチで日光浴. 湖の上はさすがに天下の観光地(?), 夏休み入ってすぐの素晴らしいお天気の週末ということで大混雑, ヨットやボートがぞろぞろ. もう家族ではしゃいでるのから, ボート脇で泳いでるのから, ボートの上で2人でいちゃついているのから, 1人できままにヨット動かしているのから, 湖畔で寝そべっているのから, 岩の上から飛び込んでいるのから, 湖レジャーなんでもあり. 結構あちこちで船に向かって手を振ってくるので, 気のいい観光客がいちいち手を振り返していた. しかし何度か航路の直前をヨットが横切り, 操舵手が警笛を鳴らす羽目に. 日本ほど極端ではないかもしれないけど, やっぱり有名観光地に人が集まるのは必定かな.

[Salzburg : 2時間だけの駆け足滞在]

St. Gilgenのバス停は船着場からはちょっと距離がある. とはいっても乗り継ぎには余裕があったので, 少し遠回りをして市街をぶらぶらしてからバスに乗車. ここからはロープウェイでやはり山上に上れるのだが, さすがにそこまでは時間がない. バスはSalzkammergutもう一つの観光地Fuschlsee(フシュル湖)を抜けて一路Salzburgへ.
Salzburg Hauptbahnhof(駅)まではいかず, 17時にMirabell Platz(ミラベル広場)で下車, Mirabell庭園を抜けて, 旧市街までぶらぶら歩いていくと, 土曜でも意外にお土産屋さんは開いている. オーストリアの一般店舗はみな土曜は17時で店仕舞いだが, さすがにこういうのは大丈夫だったか. 祝祭劇場や大聖堂などを見てから, HohenSalzburg Festung(ホーエンザルツブルク城)が開いているらしいので, これ幸いと一つくらいちゃんと観光していこうと18時頃上がってみたのだが…. 開いているのは庭だけで, ミュージアムの室内展示は18時で終了であった. まあ室内展示なしだとその分安いので別にまるっきり損をしたとかそういうことはないのだけど, やっぱり拍子抜け. しかも下でなにやらあやしげな踊り団体(?)が公道を使ってがーがーでかい音を流して踊っていたのでうるさくてしょうがない. いったいこれはなんだったんだ?
時間が厳しく夕飯は省略, 駅前でちょっと時間が残ったのでビール一杯だけ.

[Salzburg → : 最後にどかん]

Salzburgから乗る予定だった帰り最終列車だが, 20分前に発車番線表示の変更が出た. ビールを引っ掛けた後5分前にのこのこそちらのホームに行ってみると, なんと別の行き先! 連結されているのかと思って全部眺めたがそうでもないらしい. 行き先は違うといっても最初は少しの間同じルートを通る列車だから, その行き先で乗り換えろということだろうか. 時間がなかったので駅員に確認する間もなくとりあえず乗り込む. もちろんこれより後の列車はないから全運休だと戻ってくるか行き着いた先で宿でも探すしかない. 少なくともこれに乗れと書いてあった以上区間運休だろうなと思いつつ, 車掌が回ってくるまでやきもきしながら待つこと30分. やはり次の駅で乗り換えてください, と. それで安心したのもつかの間, 駅についてみると, 他に列車は影も形もない. ゑ? と一瞬思ったが, 周りを見ると降りた人たちがぞろぞろ数十人程度駅の出口へ向かうのに気づく. 私と一緒の列車に乗るつもりだった人が他にいない訳はないので, その人たちかなぁと思いながらとりあえずついていってみると, 外にバスが2台止まっていて中には列車の運転手と思しき人までいる. もしやこの先も運休でバス代行という奴か? と思い聞いてみるとその通りであった. 結局特急一駅分をバスで約40分移動して, その駅でようやく列車に乗り換え. ともかく無事に帰れてほっ. 日本でもバス代行になんて出っくわしたことないからなぁ. 結局なんでこんな中途半端な駅から運転再開になったのかはよく分からないままだったが.

現地の行程

参考

• 国鉄ÖBBのサイトからSalzkammergutのバスダイヤも検索可能.
• SchafbergbahnとWolfgangsee Schifffhart(観光船)のサイト. ダイヤや料金など. 5月から10月の運行. 登山列車はシーズン中でも天候次第で運休になる場合有り.
• St. Wolfgangのサイト.