ヨーロッパ週末ぷち旅行記 : Part 14

異郷の同窓会、ザンクト・ゴアール&ケルン(ドイツ)

2004年7月9-10日(土,日)

[行程プラン : 同窓会]
日本の友人が国際会議でベルギーに来ることになった. しかしながらこちらも国際会議目前で, 行き帰りの所要時間と交通費を考えると, さすがにベルギーまでは行く余裕がないので, 結局限りなくベルギー寄りの中間ということで, ケルンで会うことにした. 大学時代の友人がもう一人現在ドイツ駐在で働いているので, 彼も合わせてぷち同窓会ということに.
しかしながらこの週末はちょうど学校の夏休み初日に当たる. 本来は夜行列車の安売りチケットで, と思っていたのだが, のこのこ駅に予約に行った1ヶ月前には既に売り切れ. 仕方なく初めてEuroLineの夜行バスで往復することにした. 予約はネットで行い料金はクレジットカード払い, チケットは当日ウィーンで受け取り. ホテルの予約はドイツ国内ということでやはりネットのHotel.deから行った.
せっかくフランクフルトの先まで行くのだから, 時間的には厳しいがちょっとライン川中流域の観光を兼ねることにした. 最初はコブレンツまでしか行かない予定であったが, 列車のダイヤを調べるとなんとかザンクトゴアールまで行けるという事が分かったので, こちらまで足を伸ばすことにした.

中欧全体地図
マップ

[Wien → Köln : ぎっしり]
Wienからの夜行バスはなにせ13時間の長丁場. 時期的にはあまり空いている状況は期待できなかったが, バス停で待つ人はわずか数人. 一瞬もしや? と思ったのだが, Bratislavaがらやってきたバスは既に大入り満員であった…. しかしながらユーロ払いが効いたのか(?), Bratislava組が軒並み4列シートにぎっしりのところ, Wienから乗った3人はめでたく2席確保, 狭いながらも横になることが出来てラッキー. オーストリア-ドイツ内は格安夜行列車チケットの登場でバスの安さも霞み気味だが, 旧東欧諸国側にとってはまだまだメリットがあるということか. 途中数度の休憩を挟みつつ, Nürnberg,Frankfurtと停車して乗客が1/3程度になってだいぶ楽になった車内でのんびりKölnへ向かう.
[Köln : 見上げる大聖堂]
ケルンといえばなんといっても大聖堂. Ulmの大聖堂がゴシック大聖堂では最も高いものだが, 規模で言えば文句なくここが最大. 駅からだと大きすぎてカメラの視野に入りきらない(苦笑). とりあえず内部見学, それから宝物庫へ. 相変わらず猫に小判並に価値が良く分からんが(苦笑), 貴金属で作られた精巧な彫刻が素晴らしいものであることはわかる.
[Kölnの町並]
昼までもう少しあったので町をぶらぶら. 商店街は結構な人出だが, これは地元民+近隣地域民なんだろうな.
[→St. Goar : ライン川へ]
昼過ぎすぐに宿にチェックインして, 荷物を軽くすると, 列車でライン川流域観光地のSt. Goarへ向かう. なにせ半日日帰りだから悠長に船なんかに乗っている暇はないが, まあせっかく近くまで来たので一目位…ということで, 緊急(?)遠足. ケルンからライン川沿いにはずっと川の両側に線路が走っているため, 行き帰りで別路線を取ることが出来る. 一日券Schöneswochenende Karteで乗るにはちょうどいい感じ. KölnからKoblenzへ向かう右岸線は, 地元客が途中でぱらぱら降りていくと, 後はがらがら. しかし峡谷域に入るKoblenzから乗り換えた左岸線はうって変わって大賑わい, 座席がほとんど埋まるくらいだった. 自転車持ち込み客も多く, ライン川沿いをサイクリングしてくる人の多さも伺える. ドナウ同様, 平坦だけどいろいろハイライトがあるから走りやすいんだろうね. 小雨の中到着したSt. Goarで下りたのはわずか数人だった….
[St. Goar → St. Goarshausen : こじゃれた家並み]
ザンクトゴアール(St. Goar)はやけにレトロな雰囲気の駅舎を出て教会脇を川へ向かって下りていくと, 観光客の多いこじゃれた旧市街に出る. 川沿いからななめに伸びる通りの正面には, 山の上のラインフェルス城址(Burg Rheinfels)が見えて, 実にいい構図になっている.
St. Goar
川沿いは船着場が続き, 各観光船がみんな止まっていくんだなと思わせる. 対岸にはもう少し質素(?)でちょっとこじんまりしたSt. Goarshausenの町並が見え, その後ろに特徴的なネコ城(Burg Katz)が建っていてアクセントになっている. ネコ城と対になるネズミ城(Burg Maus)ももう少し下流側にあるのだが, St. Goarからだとちょっと遠め.
なにせさっぱり橋のないRhein川ではあるが, その代わりに渡し船があり, 車ごと載せて頻繁に行ったり来たりしていたので, それに乗って対岸へ渡る. 1.2Euroとか. なんかしょぼい有料橋を渡る気分だが(苦笑).
5分ほどで対岸にたどり着いた渡し舟から下り, St. Goarの町を振り返ると, 川沿いの家並みもよく整っていて非常にきれいだ. 先月Hallstattの町を対岸から眺めて, 湖畔沿い随一の素晴らしい町並だよなあと思ったが, こちらは川沿い随一…というにはちょっと大袈裟すぎかもしれないが, まあちらっとそういう言葉が思い浮かぶくらいにきれい. これに対し, St. Goarshausen側はどちらかというと店が多くなく静か.
[Lorelei : 世界三大がっかり観光地?]
ザンクトゴアルスハウゼン(St. Goarshausen)の上流約2kmにある川の蛇行地点に出っ張っている岩山がローレライ. とはいってもなにせ言われなきゃ分からない(苦笑). かくいう私は頂上に立っている旗で識別したりして. 小便小僧と人魚姫像とマーライオンとあわせて世界三大がっかり(日本人)観光地というらしいが, ローレライもどちらかというと知名度の割にどうでもいい岩山だよな(苦笑). もちろんかつての交通の難所としての意味合いは別として. この岩山, 3時間もあれば十分歩いて往復してこられるし, 車があれば裏からすいっと上れてしまうのだが, 今日はちょっと時間が厳しいので, 1km程近寄って川沿いの道路から眺めてきただけ. なにせ蛇行地点の中心だけに上からの眺めは多分いいんじゃないかと…(想像).
St. Goarshausenから下流側へ少し川沿いに下りていくと, 対岸の山沿いを走る列車が開けて見えるところがある. せっかくだからICでも通過しないかなと, カメラを準備しながらしばし待っていたのだが, ICの通過にドンピシャタイミングをあわせて, 手前の線路を貨物が…. しかも貨物船も. この両側路線, 旅客事業はともかく, 貨物はかなり頻繁に通る. まだドイツは貨物列車事業も頑張っているのだなと思わせる風景でもある.
[St. Goarshausen → Köln : 定刻に開きます]
St. Goarshausenの駅は切符の自販機と軽食の自販機が待合室にならぶだけの小さな駅だが, ホームへの入口だけはちゃんと鍵がかかっていて, 列車の到着に合わせて電磁ロックの鍵が外される. 別にホームに盗まれるものがあるとかそういう訳ではないから, やはり貨物列車などの停車しない列車の多さゆえの安全措置なのだろう.
上流側から到着する列車はネコ城をバックに, 軽くインカーブを描きながら入線する. 全車両を収めやすいアングルで, いい絵になるなと思ってカメラを引っ張り出したのだが…おばさん! なにやらホームに出ると一人ホームの最後尾側にすたこら歩いていってしまったおばさんがおり, せっかくのDBの列車+ネコ城の写真の真中に, いかつい顔をしたおばさんがデン. …締らない(爆).
乗った列車はこちらも結構込んでいて, 川側, 窓側の席は取れずに山側の通路側席から窓の外を覗く. ん〜もったいないな. Koblenzで今度は左岸線に乗り換えてKölnへ. こちらはなにやら若いもんが余った(?)アルコールを大騒ぎしながら売り歩いていたりして, …いいのかそんなことして? いやしかしうるさかった.
[Köln : 同窓会]
Köln Hbfでそのまま到着する友人K氏を待つ. 到着予定時刻より10分遅れた上, いきなり到着ホームも変更になってちょっとあたふたしているうちに, 先にやはり迎えに来ていたドイツ在住のA氏と遭遇, すぐK氏も捕まえて, まとめてホテルへ向かう. まあ久方ぶりでも「よっ, 久しぶりっす」で終るあたりがやっぱり男?
[晩飯 : わからんちゅーの]
A氏がつれてきた奥様あわせて4人で晩飯へ. 適当に賑わってそうなところへ入って店員さんに空席を聞くと「適当に探して」 ところが適当に空席を探して座ろうとすると他の店員が「ここは予約されてるから駄目」 ん〜, 自由席ならば, せめてテーブルに予約札くらい置いておいてくれよ. 店員に「ここ空いてるか?」を連発しながらようやく席をゲット. ほっ.
さて, Kölnは地ビールで有名とか. 細長いグラスで飲むのが普通だそうだが…さすがに250mlは一瞬でなくなる. でかいのくれ(爆). 食事の方は, A氏はともかく, 到着直後で時差ぼけで眠いK氏や女性にはちょっと分量の多いディッシュで, 仲良くジャガイモを残していたので, まとめていただいてしまいました(笑). てめえは欠食児童か(どかん).
さて, 今日は花火大会だとか. もしかしたら見えるかなあなどといっていたのだが, 22時くらいになってもさっぱり上がる気配がない. いい加減K氏がしんどそうだったので, あきらめてホテルに引き上げ, シャワーを浴びるといきなり外でどかんどかん. 20分遅かったよ, 上がるのが(苦笑). ちょっと方向が悪くて部屋からはほとんど見えなかった. 残念.
[7/10(日) : 朝の散歩は…]
朝は10時集合とのんびりだったので, 朝から散歩に行こうかとも思ったのだが, 先週から忙しくて睡眠不足だったこともあり, 朝起きて朝飯までは食ったものの, その後部屋に戻ってから外出する気力がわかずに結局10時まで本を読みながらごろごろ. 朝から晩まで歩いてないと気がすまないこの私としたことが(苦笑).
[ケルン大聖堂 : ミサですよ]
ぞろぞろケルン大聖堂を見にいく. 日曜ということではっきりきっぱり礼拝中. おかげさまで賛美歌合唱やオルガンまでばっちり聞けました. わたしゃちゃんとおとなしくしておりましたが, そこの観光客! デジカメの電子作動音を響かせつつフラッシュ撮影しないよーに! ったく近頃の中年おやぢは(ぶつぶつ). 30分ほど聞いた後, 南塔へ上る. ここは509段の螺旋階段で上るのだが…狭い. 上り下り一緒だけに, すれ違うところではたいていどちらかが脇によけて止まらないといけない. そりゃもちろん観光客が上るために作った訳ではないだろうけど, ちょっと不親切(?)だね.
塔の上はもちろんいい眺め. 金網越しだが. しかしなんで金網の外にあんなに落書きがあるんだろう? 昔は金網に穴でも開いていたんだろうか? 恥ずかしいから名前とか国とか書かないで欲しいよなあ(苦笑).
眺めを堪能して下りてくると, ちょうど階段途中にある鐘がなりだしたので, ついでに寄り道して見ていく. といってもさすがにうるさい. もちろん電動で振っている訳で, 傍では係員のおじさんが耳キャップをして調整. 数分見ていたがさすがに耳がおかしくなりかねないので早々退散して下りてきた. ふう. 509段自体はまあたいしたことないけど, なにせらせん階段だけに, 快調に下りてくる下りはなんか目が回った….
[ライン川対岸 : やはり全景を]
昼飯後, ベルギーへ向かうK氏を駅で見送り, 一緒にあわせてマイカーで帰ってしまったA氏夫妻とも別れ, 線路沿いの橋でライン川を渡り, 対岸へ. さすがに中央駅すぐ横の橋で, S-Bahn, ローカル線, IC, ICEとひっきりなしに横を通過していく. 橋を渡りきり振り返ると, 大聖堂の全景がいい大きさになり, ばっちり…?
Dom in Köln
残り1時間半ではさすがに半端なので, 駅をうろうろして時間を潰しバスへ. 帰りもまた長丁場のバスでウィーンへと向かった. 帰りは1人辺り2席確保できる程度の人数で, 割と余裕を持って乗ることが出来一安心. もっとも2席ではやはり足が伸ばせないから少々厳しいことには変わりないが…. 日が暮れるまで, 走行中はなにやらコメディを放送していたのだが, あいにくとスロヴァキア語らしい. 全然分からなかった.

現地の行程

7/8(金) Wien Südtiroler Platz dep 21:30 Euroline(Bus) 往復108Euro
7/9(土) Köln Breslauer Platz arr 10:30
大聖堂見学,宝物庫 4.0Euro
Köln Hauptbahnhof dep 13:00 RB12569
(右岸線)
Schönes Wochenende Karte
28Euro
Koblenz Hbf arr 14:40
dep 14:51 RB12771
(左岸線)
St. Goar arr 15:19
St. Goar散策
St. Goar dep 15:42 Fähre
(渡し船)
1.2Euro
St. Goarshausen arr 15:46
St. Goarshausen散策
St. Goarshausen dep 17:25 RE15022
(右岸線)
(Schönes Wochenende Karte)
Koblenz Hbf arr 18:00
dep 18:15 RE11130
(左岸線)
Köln Hbf arr 19:25
晩飯,宿泊
7/10
(日)
Köln散策, 大聖堂ミサ,南塔見学, 昼飯 2.0Euro
Köln, Rhein川沿い散策
Köln Breslauer Platz dep 16:30 Eurolineバス (往復108Euro)
7/11(月) Wien Südtiroler Platz arr 5:55

参考


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