小児の持続点滴固定法−ソフトガーゼ固定法  小児病棟

目的
・小児の持続点滴が安全に確実に維持できるよう,年齢や点滴部位,活動に応じて固定する
・皮膚の圧迫障害,合併症を予防し,小児の活動を妨げない固定をする
・点滴固定の巻き直しが簡単に行え,小児に不安や苦痛を与えない固定をする
必要物品
・指示の薬剤と処方箋
・小児輸液セットまたは輸液セット(輸液の目的,輸液速度,年齢に応じて選択)
・ロック式延長チューブ,三方活栓
・留置針(サーフロー針,ネオフロン針など)
・自動輸液ポンプ  
・プラボトルカバー
・駆血帯 
・点滴スタンド(5本足)
・点滴固定セット(絆創膏,カット綿,包帯,ソフトガーゼ,消毒綿,はさみ,シーネ)
手順
1.輸液剤の調合や輸液ルートの選択をし,準備する.点滴固定に必要な物品をあらかじめ準備しておく

(1)2.5cm×4cmのエラテックステープ

(2)1.6cm×6,7cmのエラテックステープ

(3)7,8cmのマイクロポアテープ2枚

(4)5,6cmのトランスポアテープ4枚

(5)半分に切り込みを入れたカット綿

(6)伸縮方向に帯状に伸ばしたソフトガーゼ

2.留置針を刺入後,延長チューブを接続し,ロックをしっかり行う
3.刺入部の固定を行う
kotei1.jpg (79826 バイト) (1)2.5cm×4cmのエラテックステープで刺入部が中央になるように固定する
 
巻き直しのときに中央がずれていれば抜けかけていることがわかりやすい
 
翼付きの外套針(ネオフロンなど)の場合は翼にかからないようにする
(2)1.6cm×6,7cmのエラテックステープで刺入の走行にあわせて縦に固定する.
貼りはじめの5mm程は皮膚に密着させる
 
縦に引っ張り強いように,また接続部のロック部分を覆うようにする




kotei2.JPG (78462 バイト)
kotei3.JPG (77087 バイト) (3)半分に切り込みを入れたカット綿をルートの下側からロック部分に
差し込むように固定する
 
接続部のロック部分が直接皮膚にあたると発赤や皮膚潰瘍などのトラブルを生じやすい
 
翼付きの場合は翼が上に出るようにする



kotei4.JPG (74748 バイト) (4)7,8cmの1インチマイクロポアテープ2枚でエラテックステープ,
カット綿の上を固定する
 
綿花がはみ出さないようにする
kotei5.JPG (65727 バイト) 4.伸ばした帯状ソフトガーゼで絆創膏固定部分がクロスになるように8の字に固定する.
手首の裏側で合わさった部分の端を折り込みトランスポアテープで固定する
 
巻き終わりを折り返しておくと外すときに端が見つけやすい
 帯状ガーゼをきつく巻きすぎると,親指の付け根に負担がかかり発赤や水疱ができたりする
 指にかからないようにする.指にかかると,汗などで指間がふやけたりする
 帯状ガーゼで手首まで覆わないようにする.観察がしにくくなる
kotei6.JPG (71891 バイト)
kotei7.JPG (62536 バイト) 5.延長チューブをソフトガーゼにトランスポアで固定する.
 チューブが折れ曲がらないように自然にカーブさせる
細い延長チューブを使用している場合はループをつくり固定する
 
チューブと絆創膏の接触面が多くなるので,引っ張ってもずれにくい





kotei9.JPG (82416 バイト) 6.伸縮包帯で固定部分を覆う
 包帯であまりぐるぐる巻きにしない.手首の上や指までを覆わないようにする







kotei8.JPG (64142 バイト) 7.乳幼児で固定部位やチューブにさわる場合は,5の状態で,チューブを覆ってプラボトルカバーで保護し,包帯で覆う
 
包帯を取ってしまう場合は,絆創膏を追加して,固定を強化する
プラボトルカバー
 生食100mllのプラボトル1個で2個作製しエラテックステープで縁取ったもの

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8.後かたづけをする  

  

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