高校2年から専門の1年までやってたバイトが
ピザのデリバリーだったんですが
あの3輪車で町中を駆け巡ってる無法者です
で、あのバイトはお客の所にピザを届ける訳で
いろんなハングリー野郎の所に行くって事です
あいつ。。。あいつ
狂ってました
一生忘れない気がします
その日は平日で暇な日でした
夜8時か9時ぐらいでしょうか
『プルルルルルル........プルルルルルル』
一番電話の近くにいたので出ました
出た瞬間に外人の男だって事は分かりました
で、最初のうちは住所とか電話番号とか普通の問答が行われて
いざ、注文。
ピザ屋によって違うかもしれないのですが
うちのピザ屋には普通の最初から具が決まってるピザの他に
Mサイズ2000円ぐらいで5つトッピングを自由に選べる
なんとかファイブだか名前は忘れたけどメニューがあったんです
その客はその何とかファイブを注文しました
普通はトッピングを5種類選ぶんです
照焼きチキンとアスパラとベーコンとコーンとトマトとか
5つ自由に選んでいいんですから
しかしその客は思いもよらない驚愕の言葉を口にした
カタコトの日本語で
『エビ5つ』
一瞬耳を疑ったが確かに言った
あまりにも信じられずもう一度聞き返した
きもち滑舌よく「トッピングを5種類お選び下さい」
『全部エビ!』
受話器越しに思いっきり吹き出しました。鼻水も出ました
前代未聞です
全部エビ?なんだそれ
とりあえず、出来ない事ではないので
笑いを必死でこらえながら、注文を引き受けました
切った瞬間一人で抱腹絶倒
↓
店長+店員に教える
↓
店長+店員、抱腹絶倒
で、その注目のピザが出来上がってまた爆笑しました。店内爆笑天国
エビしか見えません
ぜってーうまくねえ
どんなやつが注文したか興味が湧いてきました
配達の順番は自分じゃないのですが
そいつを見たいが為に順番を変わってもらい
行く事にしました
![]()
←こんな感じ 興味津々でエビまみれのピザをバイクに乗せて
その狂った客のアジトへ急ぎました
店から10分ぐらいの所だったでしょうか
アジトを発見
とうとうアジトの玄関まで来ました
ドアには
『熊出没注意』のステッカー
狂った客なだけにギャグか本気か分かりません
とりあえずインターフォンを押した
押した瞬間、インターフォンの余韻も終わらない間に中から、男のかん高い声で
『ちょっと待って下さいよ〜』
『ちょ』と『ま』にやたらと強いアクセント
10秒後ぐらいに玄関が開き始める
緊張する
出てきた男は...
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
まあ普通の中南米系の外人。
おまえがこのピザ食うのか
インパクトの強い人を想像してたから、ちょっと拍子抜け
全然、普通の人でした
他の客と変わらない対応をして
『ありがとうございましたー』
つまんねえと思いながら帰ろうとしました
その瞬間!
さっきと同じアクセントで
『ちょっと待って下さいよ〜』
と部屋の奥へと走って行った
意味が分からない
待って下さいと言いながら、部屋の奥へ走って行った
確実におれに向かって言ってたのに
おれは何を待てば良いのだろうか?
ピザは渡した
金ももらった
お釣も渡した
忘れ物もない
なんだ?
わからない!
おれは何を待てばいい?
しばらくして奴は小走りで戻って来た、しかも、めちゃくちゃ笑顔で
そしておれに、どこで作られたか分からない冷たい缶 コーラをくれました
奴は『がんばってくださいね』と言い残し玄関を閉めた
良い奴じゃないか
素晴らしく良い奴じゃないか
あんな良い客はそうはいない
店に帰る前にそのコーラを飲もうと思い、バイクに座ってたばこ吸いながら
人のやさしさに触れた思いをしみじみと噛みしめながら
海老好きな外人に乾杯!
バゥワッシュゥーーーーーーー!(びしょ濡れ)